組織課題の見つけ方|解決するためにすべきこととは

企業としてさらなる成長を目指すなら、さまざまな課題への対処は避けて通れません。課題を向き合わなければ、組織として行き詰まってしまいます。しかし、渦中の会社にとっては何が課題でどう解決すべきか、客観的に判断することは難しいものです。 そこでこの記事では、企業における組織課題の見つけ方と解決についてわかりやすく解説します。


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組織課題にはどのようなものがある?

組織課題とは、理想とするイメージと現実とのギャップを具体的な問題としてとらえたものです。それでは、企業における組織課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、企業が抱える組織課題の例を紹介します。

組織の視点で考えられていない

企業の組織課題としてよく挙げられるのが、経営者や従業員などの考え方や方向性にバラつきがあり、組織としての一体感に欠けるというものです。

この課題の難しさは、個々人に組織としての視点がなく意識が薄いことにあります。個人や部署ごとに与えられる日々の業務を全うしているため、課題を感じることなく働いている従業員が多いのです。

しかし、実際には全従業員の足並みがそろっていないことで、生産性の低下や意見の対立、取引先からの信頼の失墜などにつながりかねません。

コミュニケーション不足

個々の従業員が自分の役割を理解し、業務をこなせるようになると、従業員間のコミュニケーションが希薄になることはよくあります。

しかし、日頃から積極的にコミュニケーションを取らない組織では、いざというときに協力し合えなかったり、トラブルが起こっても有意義な話し合いができなかったりと、企業の成長を阻害するリスクにもなります。

また、コミュニケーション不足は現場の雰囲気や風通しを悪くすることもあり、人間関係の悪化や働きづらさから離職率を高める要因にもなるでしょう。

人材育成ができていない

企業にはいろいろなタイプの人材が集います。能力差のある集団をひとつの組織としてまとめるには、それぞれの適性に合わせた人材育成を行うことが大切です。

当初から業務に秀でた人材もいれば、手取り足取りの指導が必要な人材もいるでしょう。時間が足りない、人手がないといった理由で能力差をそのまま放置しているのは問題です。仕事が集中して疲弊する人や、理不尽に低評価を受けてモチベーションを下げる人が現れ、組織の雰囲気が悪化するでしょう。

主張できる人の意見だけが通るような組織も、人材育成ができているとはいえません。どんな個性でもスキルを伸ばせる組織でなければ、能力差は埋まりにくいでしょう。

また、安定した経営が続いている会社ほど組織の変化を嫌い、次世代のリーダーを担う人材の育成が遅れがちです。今後も長く、会社を存続・発展させたいと考えるなら、リーダーとなるべき人材を見出し、育てなければなりません。

組織課題の見つけ方

組織課題は企業により異なりますが、いずれにも共通しているのが経営者からは見えにくいことです。とはいえ、現場から声を発することが難しいこともあり、解決できないまま放置されることも珍しくありません。

そこで、組織課題を見つけるのに適した方法を解説します。

ヒアリングを行う

組織課題を見つける最もわかりやすい方法が、従業員から直接ヒアリングすることです。経営者からは見えにくい現場の実態を従業員から聞くことで、これまで気付けなかった課題が浮き彫りになることがあります。

ヒアリングの方法には面談やアンケートなどが考えられます。

面談は対面して意見を交換し合えるもっともシンプルかつわかりやすいヒアリング方法です。しかし、経営陣を前に率直な意見を伝えるのは、従業員にとってハードルが高く感じる場合もあるでしょう。

そこでおすすめなのがアンケートです。はい・いいえで答えられるクローズドな質問だけではなく、自由に思いを書けるオープンなスペースを設けましょう。

従業員の抱える不満や問題が、個人に対するものか、所属する組織に対するものか、会社全体に対するものかによって、訴える内容も相手も異なります。そのため、経営者や上司など、伝えたい相手ごとにアンケートを分けると、さらに本音を引き出しやすくなるはずです。

意見交換の場を設ける

複数の人間が集まり、意見を交換し合える場所を提供するのもおすすめです。これはブレインストーミングと呼ばれ、5~6人程度の多すぎず少なすぎない人数で、従業員同士が課題の有無を確認し、課題があれば全員が意見を出し合います。

ブレインストーミングでは、自由に意見を出し合うことが重要です。自由な発言に刺激を受け合ううちに新しいアイディアが生まれ、課題の解決策も見出せます。

何より重要なのは、非現実だと思われるような発言でも許される自由な雰囲気のもとで行われることです。顔色をうかがい合うような場ではブレインストーミングは成立しません。今の時代ならWeb会議で行うのも良いでしょう。

可視化できるツールを導入する

近年、組織課題の発見にITツールを活用する企業が増えています。

ITツールを導入するメリットは、感情の入り込まない、客観的な事実を収集できることです。たとえば、労働時間や業務内容に偏りがないか、会議や面談などでコミュニケ―ションの時間が取れているかなど、データから課題を分析できます。

データで可視化された課題は解決策も出しやすく、組織の軌道修正をスピーディーに行えるのも魅力です。

ただし、ITツールの導入に初期費用がかかる、定量的な課題以外は表面化しにくいといった弱みもあるので、方法のひとつとして利用すると良いでしょう。

組織課題を見つけたらどう改善する?

組織課題が発覚したら、企業の成長のためにもすみやかに解決へと動きましょう。しかし、組織には多くの人間が集まっているため、解決に向けて適切な選択をしなければ、さらなる事態の悪化を招いてしまうおそれもあります。

そこで、組織課題をスムーズに解決するためのポイントを解説します。

共有する

組織課題が判明した時点でまず行うべきことは、組織内で情報を共有することです。全従業員に課題があることを認識してもらうことから始めましょう。

課題を認識しても、直接かかわりがない、それほど大事に思えないといった理由で、解決に前向きになれない従業員もいるでしょう。しかし、組織課題は全従業員で取り組むことが重要です。

関係者のみで解決を試みても効率が悪く、解決に時間がかかります。また、関係者以外の課題に対する危機意識が薄いままだと、再び同じ問題が生じてしまうでしょう。

そのためにも、ただ課題がある事実を伝えるだけではなく、なぜ解決しなければならないのか、どうして全従業員で取り組むべきなのかを丁寧に説明します。

課題を絞りスケジュール化

企業にはあらゆる部署、業務、多数の従業員や取引先があり、組織課題が一度にいくつも見つかることも多いでしょう。

数にもよりますが、すべての課題を即解決するのは現実的ではありません。それぞれの組織課題の優先順位を考えながら、解決に向けてスケジュールを組むのがおすすめです。

組織課題の解決でスケジュールを組むことには、ほかにもメリットがあります。

解決に向けた取り組みが成功しても、組織改編などをきっかけにまた表面化してしまうことがあります。前回の課題発覚はいつで、どのような対策を経て、どれくらいの期間で解決に至ったかなどのプロセスを視覚化しておくと、2回目はよりスムーズな解決が期待されます。

成功事例をつくっていく

組織課題は、経営者や役員、従業員、それぞれの立場による考え方や感じ方の違いなどもあり、解決にはそれなりの時間と労力が必要です。また、明確なゴールがあるわけではないため、解決できたという達成感も少なく、モチベーションを保つことは難しいでしょう。

しかし、企業として成長していくためには組織課題を放置するわけにはいきません。そこでおすすめなのが、課題の解決に向けて成功体験を積み上げていくことです。

最終的な解決イメージを頂点とし、日々達成できる小さな目標を設定します。昨日より今日、今日より明日、というように成功体験を重ねることで、モチベーションを下げずに解決へと向かうことができます。

また、中長期の小さな目標をもつことは、解決の過程を判断するのにも役立ちます。

それでも自社だけで組織課題を解決するのが難しいと感じているなら、そのまま放置せず、専門家の手に任せるのがおすすめです。TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社なら、数多くの企業経営をサポートしてきた実績から、事業の問題解決に向けて万全なサポートをいたします。

まとめ

個性や能力の異なる人が集まる企業では、組織課題を避けて通ることはできません。長く安定した成長を目指すなら、いち早く課題に気づき、全従業員が一丸となって解決に向かうことが大切です。

とはいえ、さまざまな組織課題を経営のかたわら一手に解決するのは困難です。そんなときには「TOMA100年企業創りコンサルタンツ」まで一度ご相談ください。多くの企業の事業運営をサポートしてきた実績から、納得の解決策をご提案いたします。