部下とのコミュニケーション不足を解消するには?|重要性と円滑にする4つの方法を解説

部下とのコミュニケーション不足を解消するには、話しかけやすい雰囲気を作り、短時間でも会話の機会を持つことが大切です。しか …


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監修 藤間 秋男 -AKIO TOMA-
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役会長 公認会計士 税理士

200名の専門家を擁する「TOMAコンサルタンツグループ」の創業者。100年企業創りをライフワークとし、後継者問題に悩む中小企業に事業承継の支援を行う。自身の経営者としての経験を交えた、熱意あふれるセミナーでは、「あきらめない、しぶとい経営」を経営者に説く。

部下とのコミュニケーション不足を解消するには、話しかけやすい雰囲気を作り、短時間でも会話の機会を持つことが大切です。しかし、なかなか部下と上手くコミュニケーションが取れず、悩む方も多いでしょう。

この記事では部下とコミュニケーションを取るためのポイントを解説します。部下としっかりコミュニケーションを取りたいと考えている方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

部下とコミュニケーションを取ることの重要性    

社内での部下とのコミュニケーションは、情報共有や業務の効率など仕事のあらゆる面に影響を及ぼすため、非常に重要性が高いです。ここでは、コミュニケーション不足によるデメリットや要因について確認しましょう。

コミュニケーションが不足するデメリット

部下とコミュニケーションを取れていないと、情報共有ができず、連絡漏れによるトラブルが発生しやすくなります。
特に、緊急時や重要項目の情報が共有できていないと仕事への影響が大きくなり、トラブルの解決が難しくなるかもしれません。

また、コミュニケーション不足は業務の効率にも影響します。部下が業務上の問題を抱えている場合に上司へ相談しづらい環境だと、本来ならスムーズに進むはずの業務が停滞する可能性が高まるでしょう。

さらに、普段からコミュニケーションを取らないと部下と上司の間でギクシャクした空気が生まれ、職場の雰囲気が悪くなることもあります。会議で部下が発言したくても上司に遠慮して何もいえず、活発な意見交換ができなくなることもデメリットです。

部下とのコミュニケーションが不足する要因

コミュニケーション不足の原因としては、世代間のギャップが挙げられます。
人は育った時代や環境によって、考え方や価値観に違いが出ます。世代間のギャップを認識しないままだと、お互いに誤解が生まれやすくなり「話しても理解し合えないから無駄だ」となってしまう場合もあるでしょう。

また、知識や経験の違いがコミュニケーションに支障をきたすこともあります。
例えば、経験豊富な上司が経験の浅い部下に対して専門用語ばかりの会話をしても、部下は理解しきれません。次第に部下は上司とのコミュニケーションに苦手意識を持つようになってしまう可能性が高いため注意が必要です。

また、改善点を部下が前向きに受け止められるよう、伝え方には注意が必要です。

コミュニケーション不足を解消するメリット

部下とのコミュニケーション不足を解消するメリットは、以下の通りです。

・会社全体の雰囲気が良くなる
・部下の成長に繋がる
・部下をサポートしやすくなる
・離職率の低下に繋がる など

部下と意思疎通ができるようになれば、気軽な雑談だけでなく会議でも活発に意見を出しやすくなり、会社全体の雰囲気が良くなります。また、コミュニケーションを通じて上司が部下の課題を把握し、目標を設定することで、部下の成長にも繋げられるでしょう。

普段から話しやすい関係であれば、悩みを抱えた部下のサポートが可能になり、離職を防ぐことにも繋がります。このように、部下とのコミュニケーション不足解消にはさまざまな効果を期待できるのです。より良い仕事を行うためには、積極的な意思疎通が必要不可欠だといえます。

上司からしっかりとコミュニケーションを取れば、部下は「上司に気にかけてもらえている」と感じ、悩みがある場合も相談しやすくなります。また、上司側も部下の現状を把握でき、連絡ミスによるトラブルや突然の離職を防げるため、コミュニケーション不足解消は上司と部下双方にメリットがあるでしょう。

監修 藤間 秋男
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役会長 公認会計士 税理士

部下とのコミュニケーションを円滑にする方法

部下とのコミュニケーションに悩んでいる場合は、ポイントを踏まえたうえで交流を図ってみるのがおすすめです。 ここからは部下と円滑にコミュニケーションを取る方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

方法①:話しかけやすい雰囲気を作る

部下は、上司に対して役職や立場の壁を感じると話しかけづらくなります。まずは上司が率先して話しかけやすい雰囲気作りをすることが大切です。
例えば、いつも無表情や険しい顔だと「会話をするのが怖い」と思われてしまう可能性があります。コミュニケーションを取る際にはなるべく柔らかな表情を心がけてください。

話しかけられた際には作業の手を止め、部下の方を見るようにしましょう。話しかけているのにパソコンや書類に目を向けたままだと、部下は「話を聞いてくれない」と感じ、話しづらくなってしまいます。

仕事が忙しいと表情が険しくなったり、片手間で部下の話を聞いてしまったりすることもあるかもしれません。しかし、そういったことの積み重ねが話しかけづらい雰囲気を作る原因になってしまいます。部下が話しかけやすい上司になることを意識し、コミュニケーションのきっかけを作っていきましょう。

方法➁:自身のスケジュールを共有する

自身のスケジュールを部下と共有しておくのも良い方法です。
例えば「上司は次のミーティングまであと1時間あるから、この間に相談をしよう」というふうに、話しかけるのに最適なタイミングを部下が見つけやすくなります。「忙しそうだから話しかけられない」など、漠然としたイメージで部下から上司へ話しかけるのを躊躇する状況を避けることができるでしょう。

また、自身だけでなく、部下のスケジュールも共有しておくのがポイントです。
部下が請け負っている業務の進捗状況の確認に役立つだけでなく、ちょうどよいタイミングで部下に話しかけやすくなります。部下の業務が忙しく、自分から悩みを相談する余裕がない場合も、上司から話しかけることでコミュニケーション不足を防げるはずです。

方法③:少しの時間でも部下との時間を作る

たとえ短時間でも、できるだけ毎日、部下と話す時間を作ることが重要です。
休憩時間や就業前後など、5分程度でも会話をすれば、慢性的なコミュニケーション不足を避けられます。例えば、就業前に挨拶だけでなく軽い雑談をしたり、会議後は労いの言葉をかけたり、少し言葉を加えるだけでも部下とのコミュニケーションが生まれるでしょう。

部下の全員に話しかけるのが難しい場合は、定期的に1対1の面談時間を設けるのも1つの方法です。
短時間の面談であればお互いに負担がかからず、普段はなかなか話せない悩みや相談も部下から打ち明けてくれる可能性が高まります。
こういった工夫をし、コミュニケーションの時間を作ってみてください。

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方法④:部下を褒める/部下に謝る

部下のよいところを褒めると、モチベーションアップに繋げられます。些細なことでも褒めるようにすれば「上司はしっかりと自分を見てくれている」と感じられ、部下との信頼関係も築きやすくなるでしょう。

逆に褒める機会が少ないと、部下は自分に自信がなくなり、社内での存在意義も見出せなくなるため注意が必要です。良いところを見つけたらすぐに声をかけ、コミュニケーションのきっかけを作ってみてください。

また、上司が失敗した場合は素直に謝ることも大切です。人間である限り、何かしらのミスや失敗をしてしまうのは仕方がありません。
上司が素直に謝る姿勢を見せることで、部下がミスをした場合も報告しやすい環境を作ることができ、大きなトラブルに発展するのを防げます。            

コミュニケーションを取りやすい上司とは?

部下がコミュニケーションを取りやすいと感じる上司の特徴は、以下の通りです。

・相手が誰であっても態度が変わらない
・顧客を大切にしている
・ポジティブな発言が多く頼りになる
など

1人ひとりに対して平等に接し、いつでも前向きな姿勢を見せる上司は、部下との信頼関係を築きやすく、コミュニケーションも円滑になります。上司の態度次第で部下とのコミュニケーションの取りやすさが決まるため、意識してみてください。

監修 藤間 秋男
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役会長 公認会計士 税理士

相手が誰であっても態度が変わらない

相手によってコロコロと態度を変える上司は信頼感がなく、部下が萎縮して話しかけづらくなる可能性があります。例えば、誰かを露骨にひいきしたり、別の誰かには冷たい態度を取ったりすることが多い上司だと、「会話中に嫌われたら面倒だ」と思われ、部下からコミュニケーションを取るのを諦めてしまうかもしれません。
さらに、不平等な態度は社内の雰囲気が悪化する原因にもなります。誰にでも平等に接する上司なら信頼感があり、部下も安心して本音を相談できるでしょう。

顧客を大切にしている

本来であれば第一に考えるべき顧客を大切にできない上司は、「いい加減な仕事する人」という印象を部下に与え、責任感がなく、頼りがいもない人だと捉えられるでしょう。
部下が悩みを抱えていても「上司は頼りがいがないし、いい加減な返答をされそうだから相談するだけ無駄」と思われる可能性が高まります。

部下が「相談したい」「コミュニケーションを取りたい」と思える上司は、顧客のことを大切に扱い、尊敬できるような仕事をする人です。日頃の上司の仕事ぶりは部下からもよく見られているため、頼りがいのある上司だと思ってもらえるよう業務に取り組む必要があります。

真剣に仕事に取り組む姿を部下に見せることができれば、頼りがいのある上司として仕事の悩みや問題を相談してくれるはずです。

ポジティブな発言が多く頼りになる

ネガティブな発言ばかりする上司は場の雰囲気を悪化させ、部下のモチベーションを下げることにもなります。

例えば、部下の小さな失敗に対してきつく当たったり、仕事のストレスによる愚痴が多かったりする上司だと、部下からは「話しかけても後ろ向きな発言ばかりだからコミュニケーションを取りたくない」と思われるかもしれません。

逆に、ポジティブな発言が多い上司は、部下のモチベーションを高められます。
「今は大変だけど、ここを乗り越えたら大きな成果が期待できる」など、ネガティブな状況に対しても前向きでいることで「この上司は頼りになる」と思ってもらえるはずです。
部下が仕事で困ったときも「上司に相談すれば、突破口が見つけられる」と期待され、積極的に話しかけてくれるようになるでしょう。

まとめ

部下とのコミュニケーションが不足すると、重要項目の情報共有ができず、業務の効率に悪影響を与える可能性があります。短時間でも部下と交流する時間を取り、何でも話しやすい環境を作ることが大切です。
十分なコミュニケーションを取れるように、日頃から部下との会話を意識してみてはいかがでしょうか。