10年後の会社の存続率は6.3%!存続危機から脱するためのポイント

「これからも会社を存続させていくことはできるのだろうか」と、会社の将来に不安を覚えている会社経営者は少なくないはずです。実際のところ、10年後、20年後の会社存続率はどのくらいになるのでしょうか。 この記事では、会社存続率から考えられる会社が存続危機に陥る理由、会社の存続率を上げるために押さえておくべきポイントを解説します。


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会社は10年で9割近くが廃業する

会社の存続率は、設立して3年で65%、10年で6.3%、20年で0.39%、30年経つと0.025%といわれています。つまり、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が廃業するということです。創業から30年も経つと、99%を超える会社が存続できていないことになります。

以上のことから、会社が廃業しやすいものであることが分かります。会社を存続させたいなら、会社はいつかなくなるものなのだと、常に危機感をもって行動することが大切です。

会社が存続危機に陥る主な理由

創業から10年、20年と、年数が経過するにつれて、会社の存続率は低くなります。それではなぜ、多くの会社は存続できずに廃業へと追い込まれてしまうのでしょうか。会社が存続危機に陥ってしまう主な理由を3つ取り上げます。

販売業績の低迷

会社が存続危機に陥る理由のひとつは、販売業績の低迷です。商品やサービスを開発しても、思うように売れなければ会社の存続は危うくなってしまいます。

商品やサービスが売れない原因はさまざまです。たとえば、似たような商品やサービスと差別化ができず、ニーズにうまく応えられていないことが挙げられます。

また、商品やサービスの質が良く、ほかのものより優れていたとしても、広告やアピールの仕方が良くないなど、顧客に魅力を十分に伝えられないと販売業績が下がることもあるでしょう。

さらに問題なのは、販売業績が低迷しているにもかかわらず、業績の悪化に気づけないことです。

販売業績が低下した会社でも、問題にいち早く気づき、対策を行うことで販売業績を回復できる場合があります。一方、業績低迷に気づかず、同じ売り方を続けていると、問題に気づいたころには手遅れになっていることもあります。

資金繰りの悪化

会社の資金繰りが悪化していることも、会社の存続に危機を与える要因のひとつです。

資金繰りの悪化は、不景気などの外的要因ももちろんありますが、内的要因によっても生じます。内的要因とは、経営者の資金の使い方、資金配分のミス、資金調達タイミングの判断ミスといったものです。

会社の経理に携わってきた人ばかりが起業するわけではないため、中小企業の経営者の中には、財務にあまり詳しくない人もいます。

問題は、財務に疎いがために、どんぶり勘定になってしまい、経営判断や資金調達の判断を誤ってしまうことです。経営者が財務に向き合わないまま、誤った方向で経営判断や資金調達が行われると、資金繰りが悪化し、会社の存続に負の影響を与えます。

後継者不足

会社の経営を任せられる後継者が不足していることも、会社が存続危機に陥る理由のひとつです。

日本の少子高齢化問題は、会社の後継者問題にも波及しています。経営者が高齢になり、会社を後継者に譲りたくても、肝心の後継者が見つからないというケースが、全国のさまざまな中小企業で起きているのです。

後継者が見つからないことにより、廃業に追い込まれてしまう会社もあります。

会社の生存率を高める5つのポイント

会社が存続危機を迎えないためには、どのようなことができるのでしょうか。会社経営者が押さえておきたい、会社の生存率を上げるためのポイントを5つ紹介します。

1.余計なコストを削減する

業績が良く、売上が伸びていたとしても、利益が出ないと経営状態が悪くなってしまいます。利益を圧迫する原因になるのが、余計なコストです。特に、毎月発生する固定費は、見直しを行い削減することで、経営不振からの脱却が期待できます。

毎月賃料を支払っているオフィスや倉庫は必要以上に広くないか、ほとんど使用しない機材を保管することで無駄に保管費がかかっていないか、使用頻度などから見て設備の維持費は適切かなどコストの見直しを図りましょう。

固定費を見直すことで、毎月当たり前に発生していたコストの削減につながり、資金的な余裕も生まれます。

2.万が一のリスクに備える

会社の生存率の説明でも取り上げましたが、多くの会社は、長期にわたり存続することなく廃業していきます。長く続く企業ほど、「来年も生き残る保証はない」と危機感を抱いているものです。

起業がうまくいった、ビジネスが思いのほか成長して安定してきたからといって慢心せず、常に会社の存続について危機感を持つようにしましょう。

また、起業してもスタートがうまくいかなかったり、はじめはうまくいってもビジネスがそのうち立ち行かなくなったり、といったことも考えられます。

綿密に計画を練っても、必ずビジネスが成功するとは限りませんので、計画が失敗することも考えて、代替案やリカバリープランを用意しておくと良いでしょう。

さらに、経営者自身が病気やケガにより、事業を円滑に続けられなくなるリスクもあります。万が一のリスクに備え、倒産を防止するセーフティネット保証制度や経営者保険などの制度の活用も検討すると良いでしょう。

3.常に革新を続ける

経営でよく使われる言葉に「不易流行」があります。時代が変わっても変えるべきでないものは「不易」、時代が変われば変えていくべきものは「流行」という意味です。

人々の価値観は時代で変化していくものですが、変えてはならないものもあります。会社においては、会社の使命や価値です。

長く存続している会社は、会社としての使命を変えず、時代の変化に合わせ、商品や業態を変化させています。大事なものは変えず、時代に合わせて会社としての活動には変化を加えていくといった、不易と流行のバランスが良い経営を実践する上では重要です。

4.社会へ貢献できる事業を展開する

売り手中心の考えで、儲けるために会社を興したのでは、その後も生き残ることは難しくなります。長年存続している老舗企業ほど、買い手や売り手にとどまらず、社会にとっても良い商品やサービスを大切にしているものです。

地域と良好な関係を築き観光PRや子どもたちへの教育に力を入れている企業や社会見学のために施設を無料開放するような企業もあります。

世の中の問題を解決できる企業、世の中に貢献している企業は、周囲から良いイメージをもたれやすいものです。そのため、顧客だけでなく、取引先の確保や融資、採用にも良い影響が期待できます。

会社を長く存続させたいなら社会貢献できる事業を展開していけるようにしましょう。

5.後継者を育成し事業承継する

会社が存続危機に陥る理由のひとつに、後継者不足を挙げました。後継者がいなければ、会社は存続できません。

中小企業であれば、親族、または社内から後継者を探して育成することが多いでしょう。しかし、職業意識の変化などもあり、必ずしも後継者が見つかるとは限りません。親族であっても、会社を継がないというケースもあります。

また、後継者が運よく見つかったとしても、後継者の育成には時間がかかるものです。会社を引き継ぎたい時期までに、思うように後継者が育たず、会社の存続が難しくなることもあります。

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まとめ

会社の存続率は、10年、20年と、創業から時間が経つほど大きく下がっていきます。会社が存続危機に陥る原因のひとつとして挙げられるのが、後継者不足です。後継者が見つかっても、後継者の育成には時間がかかりますので、早めに対策を考えておきましょう。