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親子間の事業承継で起こりがちなトラブル
事業承継をする際、子どもが候補として出てくるのは自然なことです。一般的に、事業承継は親から子へ引き継がれていく流れが既定路線だと考えられているケースが多く、現経営者もそのような順序を希望している場合が多いことでしょう。
しかし、親子間での事業承継が社会的に当たり前の流れだからといって、密な話し合いをせずに事業承継に進もうとすると、親子間でトラブルが発生する可能性も否定できません。
ここからは、親子間の事業承継で起こりがちなトラブルを見ていきましょう。
子供が承継を拒むトラブル
親の気持ちとして、息子に期待する気持ちから「いずれは息子が継いでくれるだろう」と考えることがあるでしょう。たとえ息子に「経営者となる能力がある」と考えていたとしても、子供が事業を承継する意思がなく、断られるケースは少なくありません。
たとえ事業承継の準備を進めていたとしても、後継者を一から探さないといけないということもありえます。
相続に関するトラブル
子供が2人以上いる経営者のなかには、相続する株式を公平に分配したいと考える方もいるかもしれません。しかし、株式を複数人に相続してしまうことで経営破綻にもつながるケースがあります。
株主総会における議決権は、株式の保有割合に応じて分散されます。もし経営者の保有する株式が少ない場合、議決権を行使できず地位が不安定になってしまいます。最悪の場合、後継者として選ばれたにも関わらず解任されてしまうケースにまで発展します。そうなると、親子間にも当然亀裂が生まれてしまうでしょう。
事業承継で親子トラブルが起こる原因はここにあった!
事業承継で親子間のトラブルが起きてしまう原因は、一体どこにあるのでしょうか?
ここで抑えておきたいポイントは、経営者における心構えの準備でだけなく、しっかりと会社経営に関するルールや知識を習得しておく必要がある点です。
経営者と後継者の間に認識の差がある
事業承継で起こるトラブルの原因としては、経営者と後継者の間にある認識の差が挙げられます。経営に対する覚悟の差はもちろんのこと、専門的な知識や経験にも大きな差があります。
たとえ子供を後継者にしたいと思っても、会社を経営するには、膨大な資金と組織を動かしていくだけのマネジメント力、リーダーシップ、先見性などあらゆる能力や資質が必要となります。子供が事業承継を断る原因は、その責任の重さを負うだけの器ができていないことが考えられます。
また、親が会社経営に関して辛そうな表情を家でずっとしている姿を、子は忘れません。将来的に、そういった過去の思い出が「会社を継ぎたくない」と子が判断する要因の一つになってしまう可能性があります。
さらに、後継者が会社を引き継ごうと前向きに考えていても、経営者である親の認識が甘く承継が上手くいかないケースもあります。まだ先でも大丈夫だろうと、引き継ぎの時期を遅らせてしまい、結果的にタイミングを逃してしまったということも考えられます。これは、まだまだ第一線で働けるという経営者の甘い認識に問題があります。
このように、経営者と後継者の意識のズレが生じるとトラブルに発展していくのです。
相続に関する知識が足りない
相続に関する知識が足りないと、後に会社経営でトラブルをもたらします。
特に兄弟間で株式を平等に分配することが経営に悪影響を及ぼすという知識は重要です。経営を安定させるには、後継者に株式を集中させる必要があります。
普通決議を単独で成立させるには株式のうち2/3以上、特別決議では1/2を超える株式を保有していなければなりません。そのため、後継者は最低でも2/3以上を相続すべきでしょう。
とはいえ、後継者に対して株式を100%相続してしまうのも危険な行為です。相続には遺留分と呼ばれる権利があります。この遺留分とは、相続人に法律上保障された一定の割合の相続財産のことを示します。配属者や子は、遺留分を受け取る権利を保有しているため、その配分も考慮する必要があります。株式を特定の子息に100%渡すのであれば、遺留分に相当する別の財産を他の親族へ遺せるようにしましょう。
事業承継をトラブルなしで進めるためには
親子間で行う事業承継の失敗要因が分かったら、次は事業承継をトラブルなしで進めるためのポイントを知っておきましょう。
ここからは、事業承継を成功させるために必要なステップを紹介していきます。一つ一つしっかりと確認し、計画を立てておきましょう。
早めに後継者を見つけて育成する
まずは、子供が後継者になりたいと考えているのか、その意志を早めに確認しておきましょう。そのためには、日頃のコミュニケーションが大切です。
小さい頃から会社の中を見学させたり、会社の催しに参加させたり、と子供と会社の接点をしっかりと作っておきましょう。子供に後継者の意識をつける良い機会にもなります。
また、子供が後継者を志していない場合でも、何の仕事を目指しているのかをきちんと話し合っておくとよいでしょう。回り回って、他の職に就く子供が会社の未来を救う可能性もあるからです。
そして、子供に承継する意志があったとしても、会社を経営していくにはあらゆる知識やスキルが必要となります。後継者の候補が見つかったら迅速に育成の手順を踏んでいきましょう。
相続に関する専門家に相談する
相続に関するトラブルは、事業承継に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
税理士に相談する方法もひとつの手ですが、その場合は経営面でのアドバイスやサポートは見込めない可能性が高いです。経営全体で考えると有効な手段とはならないかもしれません。
TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社では、経営に寄り添った「後継者育成サービス」を展開しています。事業承継における様々な問題を、多角的な視点から解決に導いていきます。
本サービスでは税務上の手続きだけではなく、事業承継のプロが後継者へ意思確認から育成までしっかりと行っていきます。経営者としての核となる、人としての在り方を懇切丁寧に指導させて頂きます。
まとめ
事業承継のトラブルを未然に防ぐためには、後継者を早めに見つけることが重要です。その際、子供に引き継ぐことを考える経営者も多いことでしょう。しかし親子間の承継にはあらゆるトラブルが起こる可能性があります。意思疎通を行い、互いの認識を把握しておきましょう。
また、事前に相続に関する相談をしておくことも非常に大切です。
TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社のサービスではこうした財務面だけでなく、事業承継のプロとして後継者を育てていくサポートを実施しております。
親子での事業承継を考えている方や、トラブルに不安がある方は、ぜひ弊社のサービスをご活用下さい。