企業理念を社内に浸透させる方法|成功事例も紹介

企業の根本的な考え方を示す企業理念。全従業員がきちんと理解していることが理想ですが、実際はうまく浸透していなかったり、企業理念そのものを知らない従業員がいたりする企業も多いのではないでしょうか。 今回は、企業理念が浸透しない原因や、浸透させるための施策などを紹介します。有名企業の事例についても取り上げるので、経営者の方は参考にしてみてください。


この記事は約5分で読み終わります。

企業理念が浸透しない3つの原因

なぜ、企業理念が浸透しないのでしょうか。ここでは、企業理念が浸透しない主な原因を3つ紹介します。

作っただけで満足している

企業理念を作ることがゴールになってしまっていて、浸透させるための行動を起こしていないケースがあります。特に多いのが、「コーポレートサイトには企業理念を記載していても、社内に向けて具体的なアクションは行っていない」というパターンです。

企業理念は、作りさえすれば勝手に社内に浸透していくわけではありません。企業理念は従業員の行動の規範となるものです。社内に浸透してこそ意味があるといえるでしょう。

内容がわかりにくい

たとえ立派な企業理念を作ったとしても、内容が難しかったり抽象的であったりしては、従業員は一体どのように行動したらいいのか分からなくなります。

企業理念は、意図や意味がしっかりと伝わるように、具体的かつ簡潔な内容にすることが大切です。なぜその企業理念としたのか、その背景まで理解してもらうとなお良いでしょう。

内容が会社の実態と合っていない

企業理念の内容が会社の実態と合っていないのも、企業理念が浸透しない原因のひとつです。
特に歴史がある企業の場合、創業当初の企業理念が現在の市場や事業内容にマッチしていないことがあります。その場合、従業員に企業理念を落とし込むことは難しいでしょう。

世代交代や事業承継のタイミングで、時代の変化に合わせて企業理念を見直す必要があります。

企業理念を浸透させるための5つの施策

では、企業理念を浸透させるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。ここでは、企業理念を浸透させるための施策を5つ紹介します。

1. 誰にでもわかりやすい表現にする

企業理念は社内外に向けて発信されるものです。経営者だけでなく、従業員、取引先、顧客など、誰が見ても理解できる内容にする必要があります。

企業理念を従業員が理解して、企業理念に則した行動を自主的に起こせるようなものであるとより効果的です。

2. 経営層が企業理念について話す場を設ける

経営層が企業理念を従業員に積極的に伝えることは重要です。朝礼や社内会議、社内報など、企業理念を伝える機会や手段はいくらでもあります。「一度伝えたら終わり」ではなく、定期的に発信することがポイントです。

もちろん、経営層が企業理念に則った行動を取ることも大切です。経営層が率先して企業理念に則した行動を取っていなければ、従業員には浸透しないでしょう。

3. クレドカードを作る

クレドカードとは、企業理念に基づいて作られた、従業員の行動指針をまとめたカードのことです。クレドカードを従業員全員に携帯してもらうことで、いつでも企業理念の確認ができます。また、企業理念に則った行動を積極的に促すこともできるでしょう。

クレドカードには会社のロゴを入れたり、おしゃれなデザインにしたりするのがおすすめです。従業員に抵抗なく持ってもらうための工夫をすることがポイントです。

4. 企業理念の報告会を実施する

企業理念に基づいて行動した結果、どのような成果を得られたのかを報告する場を設けるのも良いでしょう。

社内で成果や事例を共有することで、企業理念の浸透だけでなく、従業員のモチベーション向上も期待できます。企業理念に則した行動を表彰する制度を導入してみるのもおすすめです。

5. 人事評価制度に取り入れる

日頃の業務でも意識してもらうために、企業理念を人事評価制度に取り入れるのも効果的です。評価につながるとわかれば、従業員も積極的に企業理念に則った行動を取るようになるでしょう。

企業理念に則った従業員が増えることで、組織全体の企業風土も醸成されていきます。そうなれば、さらに企業理念を体現する従業員が増えるという好循環も期待できます。

企業理念が浸透している企業の事例

ここからは、企業理念の浸透事例を紹介します。社内に企業理念がうまく浸透している企業では、従業員はどのように行動しているのでしょうか。

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社

スターバックスでは単にコーヒーを売るのではなく、「コーヒーを通じて人々の心に働きかける」ことを企業理念としています。

スターバックスは飲食店であるにもかかわらず、接客マニュアルが存在しません。企業理念浸透の研修に力を入れることで、自主的な行動ができる人材を育成しています。

株式会社オリエンタルランド

東京ディズニーリゾートで有名なオリエンタルランドでは、企業理念を浸透させることにより、キャスト(従業員)のマニュアルに頼らない自主的な行動を実現しています。

オリエンタルランドでは、企業理念を4つの行動指針に落とし込んでいます。「安全性第一」を最優先事項として基礎に据え、来客者とキャストが幸せになるための具体的な行動指針がまとめられています。

企業理念(経営理念)の浸透でお悩みの際はTOMAへ

もしも自社の取り組みだけでは企業理念の浸透が難しければ、専門家のサポートを受けるのも選択肢のひとつです。

TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社でも、「理念・クレド導入コンサルティングサービス」を行っています。

理念経営に長年取り組んできたTOMAのコンサルタントが培ったノウハウをもとに、企業理念(経営理念)浸透のお手伝いをいたします。

「どのような企業理念を掲げれば良いのか分からない」「企業理念が従業員になかなか浸透しない」というお悩みがある際は、ぜひTOMAへご相談ください。

まとめ

企業理念が浸透しない主な原因には、「作っただけで満足している」「内容がわかりにくい」「会社の実態に合っていない」などが挙げられます。課題を解決するためにも、まずは具体的な原因を明確にすることから始めましょう。

TOMAでは、理念・クレド導入コンサルティングサービスを行っています。企業理念が浸透せずに困っている経営者の方は、いつでもお問い合わせください。