社員にとって良い会社のふたつの条件|企業ができる取り組みとは?

「離職する社員や休職する社員が増えた」「社員の入れ替わりが激しい気がする」「社員が定着せず作業効率が上がらない」など、会社経営についての悩みを抱えてはいないでしょうか。 社員一人ひとりが仕事にやりがいをもち、組織を活性化させるには、社員にとって良い会社」にしていくことが大切です。 そもそも社員にとって良い会社とは何か、その特徴と社員にとって良い会社にしてくための5つの取り組みを紹介します。


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社員にとって良い会社とは「働きやすさ」と「働きがい」がある会社

社員にとって良い会社とは、働きやすさと働きがい、両方をあわせ持つ会社です。

働きやすさのある会社とは?

働きやすさとは、職場の制度が整っており、職場環境に馴染みやすいということです。働きやすさは、さらに、物質的な側面と精神的な側面に分けられます。

物質的な働きやすさ

物質的な働きやすさとは、労働環境を表します。具体的には、以下の例が挙げられます。

・休暇が取りやすい
・長期休暇が取れる
・社宅や寮がある
・さまざまな働き方の選択がある
・福利厚生が充実している
・会社が社員の教育や研修に力を入れている

精神的な働きやすさ

精神的な働きやすさとは、会社の風土や文化といった雰囲気が合っているかということです。以下が具体例として挙げられます。

・社員同士の相性が良い
・公平で公正な運営が行われている
・社員間のコミュニケーションが活発

働きがいのある会社とは?

働きがいとは、従業員の仕事に対するモチベーションがあることです。働きがいも、働きやすさと同じように、物質的な側面と精神的な側面に分けられます。

物質的な働きがい

物質的な働きがいにつながるのは、仕事に対する納得感のある報酬です。

・給与や賞与などの金銭的な報酬
・ストックオプション(自社株を事前に決定した価格で購入できる権利で、株価上昇時に権利行使をすると利益を得られる)

などの給与以外のインセンティブが挙げられます。

精神的な働きがい

精神的な働きがいとは、仕事内容に誇りを持てること、社員が天職だと思って働けることです。

・成長の機会がある
・働く意義を感じられる
・社会的に貢献できる

などが働きがいにつながります。

社員にとって良い会社をつくる重要性

ここまで、社員にとって良い会社とは、働きやすさと働きがいを備えた会社だと説明しました。

それでは、なぜ社員目線で良い会社にしていく必要があるのでしょうか。社員にとって良い会社をつくるふたつのメリットを紹介します。

社員の定着率が向上する

社員にとって良い会社は、総じて社員が喜んで働ける会社です。社員はその会社で働くことに生きがいを感じるため、離職や休職の減少にもなります。

社員の会社への定着率が上がるということは、仕事のノウハウやスキルをもつ社員が長く働いてくれるということです。優秀な社員の流出を防げるほか、社員の離職にともなう、新たな採用にかかるコスト削減にもつながります。

作業効率化・生産性が向上する

社員にとって良い会社であれば、社員の仕事に対するモチベーションの向上にもつながります。働きやすい環境を維持することで、作業の効率性や生産性アップも期待できるでしょう。

作業効率や生産性の向上が進んだ結果、会社はより利益を上げられるようになります。

社員にとって良い会社を目指すために心掛けたい5つのこと

社員にとって良い会社はどのような特徴を備えているのか、社員にとって良い会社にするメリットについて詳しく解説してきました。

最も大事なのは、どのようにして社員にとって良い会社にしていくかです。ここでは、社員にとって良い会社にしてくために心がけるべき5つの取り組みを紹介します。

1.適正な人事評価を整える

社員にとって良い会社にするには、適正な人事評価を整備することが大切です。人事評価を適正に行い、努力した社員の給与や待遇の向上につながれば、社員のモチベーションアップにもなるでしょう。

人事評価整備の具体例として、「360度評価」があります。360度評価は、上司だけが社員を評価するのではなく、社員に関わりのあるさまざまな人からの評価を取り入れる方法です。

部下や同僚、外部の人など、複数の評価が行われることで、社員をさまざまな視点から評価でき、平等な評価にもつながります。

すでに人事評価制度を設けている会社であれば、社員の努力が適切に反映される評価基準になっているかどうか見直してみると良いでしょう。

昇給や昇格などの機会があっても、評価基準が少ないと、実際に昇給や昇格できる社員は少なくなってしまいます。評価基準をより詳細にして、キャリアアップを目指せる環境を整えましょう。

2.福利厚生を充実させる

社員の満足度を高め、良い会社にしていくには、福利厚生の充実度にも目を向けましょう。

具体的には、転勤のある会社では住宅手当や家賃補助で社員の負担を減らす、各種割引制度を設けてスポーツクラブや娯楽施設をお得に利用できるようにする、などがあります。

いずれの制度を取り入れるにしても、社員にとってメリットがあるだけでなく、利用しやすいかどうかも検討して導入するのがポイントです。

3.柔軟な働き方を取り入れる

社員が働きやすい環境をつくるため、多様な働き方を認める会社も見られるようになってきました。

柔軟性の高い働き方として注目されているのが、テレワークです。テレワークとは、情報通信技術を利用した、場所や時間に縛られない働き方をいいます。

テレワークだと、必ずしも会社に出勤する必要がありません。育児や家事などで会社に出社することが難しい社員への対応のほか、移動が多い営業職の社員の働き方に柔軟に対応できます。

中小企業がテレワークを導入しやすいように、国の助成金も設けられていますので、このような制度を活用しながら取り入れてみるのも良いでしょう。

4.人材育成制度を整える

社員が仕事の意義を理解し、やりがいを持てるようにするには、教育面の整備も欠かせません。

具体的には、社員研修の実施や資格取得のサポート、仕事に関連する書籍購入費やセミナー参加費の会社負担、などが挙げられます。

福利厚生と絡めて、語学など、社員一人ひとりがスキルアップできるような費用の補助を検討しても良いでしょう。

人材育成に力を入れることは、社員のモチベーションアップだけでなく、スキル向上やノウハウの共有にもつながります。会社全体の組織力を向上させるのにも有効です。

5.企業理念の見直しと浸透を図る

社員にとって良い会社である要素のひとつに、企業理念やビジョンが仕事と合致していることがあります。会社の理念やビジョン、仕事の意義を明確にし、社員に発信するようにしましょう。社員が会社の方向性を知ることは、モチベーションアップにつながります。

会社の経営理念の策定や浸透は、TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社へお任せください。当社では、企業理念(経営理念)の作成はもちろん、全社員への企業理念の浸透や実践への落とし込みまで、トータルでサポートしています。

また、社員にとって良い会社にするには、企業理念の浸透だけでなく、なによりも社員や社員の家族の幸せづくりを優先することも大切です。

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まとめ

社員の定着率の低さや生産性の低さは、社員にとって良い会社になっていないことが原因として考えられます。

社員にとって良い会社にするには、働きやすさと働きがいの、両方の要素をあわせもった会社づくりを進めていくことが大切です。

適正な人事評価の整備、福利厚生の充実、柔軟な働き方の導入、人材育成制度の整備のほか、社員が働きがいをもって仕事に取り組めるようにするために、企業理念の見直しや浸透についても検討していきましょう。