目次
コアバリューとは?
コアバリューは、さまざまな行動の判断基準となる「中核的価値観」のことをいいます。個人だけでなく、企業においても存在します。
企業のコアバリューとは、企業が最も大切にしている価値観のことです。会社の信条や組織としての方向性を示し、組織単位、あるいは従業員個人の意思決定や行動の判断基準になります。
企業にコアバリューが必要な理由
企業にとって、コアバリューを社内に浸透させることはなぜ重要なのでしょうか。企業にとってコアバリューが必要な理由を3つ取り上げます。
企業文化を根付かせるため
企業にコアバリューが必要なのは、コアバリューを確立することによって従業員の価値観が統一され、企業文化として定着するようになるためです。
企業文化は、企業としての個性であって、一度社内に定着したものは簡単には揺るぎません。長期的に成功している企業は、独自の企業文化を確立させています。企業文化を根付かせることは、企業としての成長にもつながります。
意思決定の基準をつくるため
企業にとってコアバリューの確立は、従業員の意思決定や行動の基準を統一させるためにも重要です。
価値観や考え方は人によって異なります。企業内部の従業員においても、価値観の違いは存在するでしょう。しかし、個人の考えや価値観ばかりが先立つと、従業員間で認識の違いがおき、仕事に遅れや支障を生じさせてしまうかもしれません。
社内で共通する価値観や考えがあり、組織としての方向性が共有されていれば、従業員間の認識の違いを防ぐことができます。認識のズレの修正は、社内の生産性を上げるためにも重要です。
自己管理できる組織をつくるため
コアバリューの定着は、自己管理できる組織をつくるのにも役立ちます。コアバリューが定着し、従業員の行動基準が明確になることで、従業員自らがコアバリューに則った判断が自らできるようになると期待できるためです。
従業員それぞれが行動基準にしたがって判断できるようになれば、企業の思う方向に行動を促すことができますし、企業全体のサービスや顧客対応の統一化も図ることができます。
コアバリューを策定するメリット
コアバリューを策定することによって、企業はどのように変化するのでしょうか。企業側のメリットの観点からコアバリューの重要性を説明します。
サービスの質や顧客満足度の向上につながる
コアバリューが策定されていると、企業が重視している価値観を従業員にも共有することになるため、顧客対応などでどのような行動をとるべきか、従業員自らが判断できるようになります。
さらに、すべての従業員が同じ価値観で判断することになるため、企業として一貫性のある対応がとれるようになることも、コアバリュー策定のメリットです。結果として、提供するサービスにムラがなくなり、サービスの質の向上につながります。
企業ブランディングが行える
コアバリューの策定は、企業ブランディングにも役立ちます。
企業ブランディングとは、企業独自の立ち位置を確立させて、企業価値を向上させることをいいます。特定の商品の認知度を向上させるのではなく、企業全体としてメッセージを発信し、企業そのもののイメージを向上させます。
たとえば、コアバリューが「社会に配慮した活動」だとしましょう。企業のコアバリューが社内に浸透すれば、社員もコアバリューを基準に行動するようになるため、企業として「社会に配慮した活動」を体現できるようになるはずです。
コアバリューが体現化されることによって、消費者も企業に対して「社会に配慮している企業」だと認識するようになります。結果として、企業の意図するイメージを会社外部の消費者などに抱かせ、ブランディングにつながります。
コアバリューを策定する4つのプロセス
ここまで、コアバリューの重要性や、コアバリューを策定する企業側のメリットについて取り上げてきました。それでは、コアバリューはどのように策定するべきなのでしょうか。コアバリュー策定のための4つのプロセスを紹介します。
1.創業者や経営者の価値観を明確にする
創業者や経営者は、会社のあり方について最も思い入れがあるものです。コアバリューの策定にあたっては、会社に人一倍熱い思いをもった創業者や経営者の意思や方向性をしっかり反映させる必要があります。
まずは、創業者や経営者自身が、会社としてどのような価値観を重視したいのか考えましょう。最初からひとつに絞ろうとするのではなく、5~10個ほど列挙すると良いでしょう。
2.従業員の価値観を明確にする
創業者や経営者が大切にしたい価値観を重視するばかりでは、コアバリューはうまく浸透していきません。コアバリューが現場で効果的に機能するためには、従業員から共感や賛同を得られるコアバリューを策定する必要があります。
現場的な視点も取り入れたコアバリューの策定を進めるためにも、現場の従業員の声も取り入れましょう。コアバリュー策定の2番目のステップでは、さまざまな部門や部署から従業員を集めて話し合いを行い、5~10個ほど洗い出します。
3.重要なポイントを絞り込んで文章に落とし込む
創業者や経営者の思い、現場の従業員の意見により、さまざまな価値観が候補として挙がってきたかと思います。候補になっている価値観すべてをコアバリューにもできますが、多すぎるとかえってわかりにくい上に、コアバリューがしっかり浸透していきません。
コアバリューの候補になる意見が集まったら、これだけは譲れないという部分まで絞り込んでいきましょう。実践のしやすさを考慮すると、10個以内に絞り込むのが望ましいです。さらに、絞り込みを行ったら、クレドなどの文章に落とし込みます。
4.従業員に共有する
コアバリューを浸透させていくには、文章に落とし込むだけでは不十分です。社内で、コアバリューの内容や策定の背景を共有できるように、集会や広報などで積極的に共有していく必要があります。
あわせて、組織のトップである経営者自身が、コアバリューに基づいた行動を意識することも重要です。
コアバリューに基づいた経営のご相談はTOMAへ
従業員一人ひとりがコアバリューを意識した行動をとれるようにするには、コアバリューを策定するだけでなく、浸透させる工夫が大切です。
TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社では、コアバリューの策定から浸透までを支援する、理念やクレド導入のためのコンサルティングを行っています。
理念経営に長年取り組んできたTOMAのコンサルタントによる、企業理念(経営理念)やクレドの作成、経営者をふくめた全従業員への浸透や実践への落とし込みまでトータルでサポートできるのが強みです。
コアバリュー策定に関する経営に関しては、TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社へご相談ください。
まとめ
企業全体のサービスの質の向上、企業ブランディングを考えるなら、コアバリュー策定や浸透を図っていくことが重要です。効果的なコアバリューの策定や浸透を考えるなら、プロのコンサルタントに相談されることをおすすめします。