将来の幹部候補を育成したい|ゼネラリストの育成方法を解説

会社が将来にわたって繁栄していくためには、ゼネラリストの育成が重要です。優秀なゼネラリストがいる会社なら、現在の経営者が引退した後も、安心して会社を任せられるでしょう。 しかし、どのようにしてゼネラリストを育成すれば良いのか、わからない方もいるでしょう。 この記事では、次期幹部となるゼネラリストの育成方法について解説します。


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【ゼネラリスト育成方法】1.素質のある人材を選定する

ビジネスにおけるゼネラリストとは、業務に関する幅広い知識や経験を持ち、さまざまな場面に対応できる人材のことを指します。特定の分野に限定されることなく、これまで経験してこなかったことに対しても、柔軟に対応することができる人材です。

ゼネラリストはあらゆる業務を難なくこなせるため、活躍する場面が多くあります。

しかし、ゼネラリストは育成すれば誰でもなれるわけではありません。向き不向きがあるため、人材によってはゼネラリストになるように育成してもあまり活躍できないこともあります。

スペシャリスト向きの人材を無理にゼネラリストにするのは避けましょう。向いていない人材を選定するとストレスを与えるだけでなく、退職してしまうおそれもあります。

ゼネラリストを育成する際には、素質のある人材を見極めることが大切です。では、ゼネラリストに向いている人の特徴について見ていきましょう。

客観的な視点を持っている人

ゼネラリストは複数の部署の意見をまとめたり、統括したりする立場になることが多いです。

専門分野の知識やスキルは、それぞれの分野のスペシャリストに及ばなくても、おおよそのことは把握していなければなりません。自分の所属部署だけでなく、会社全体を客観的に見渡すことができる視野の広さが必要です。

部署間で意見が対立するようなこともあるでしょう。そのような場合には、中立的な立場でそれぞれの部署の事情を汲み取り、調整をしなければなりません。

また、ゼネラリスト向きの人でも、すべての事情について自分で気付けるわけではありません。自分で気付ける範囲には限界があり、第三者からの指摘を受けることもあります。そのため、他人の意見に耳を傾けられることも重要です。

知的好奇心が旺盛な人

ゼネラリストに求められる知識は非常に膨大です。これまで自分が知らなかったことや、経験したことのないことなども、積極的に学ぶ姿勢が求められます。

未知の分野に対して敬遠してしまうような人は、ゼネラリストには向かないでしょう。一方、知的好奇心が旺盛な人なら、新しいことにも積極的に取り組めるため、ゼネラリスト向きといえます。

ただし、ここでいう知的好奇心とは、「幅広い知識を得たい」という姿勢のことです。同じ知的好奇心でも、特定の分野について深く理解したいという思いが強い人は、どちらかといえばスペシャリスト向きといえるでしょう。

幅広い知識を学ぶ意欲がある人なら、意識的に学習しようとしなくても、普段の業務の中から多くのことを学び取れます。

初めてのことでも果敢に挑戦できる人

ゼネラリストは、頻繁に部署を異動し、初めての部署に配属されることも多いです。異動先の部署では、これまで経験したことのない仕事をこなすことになります。

一緒に働くメンバーは、よく知らない相手だということもあるでしょう。お互いに名前は知っていても、直接話をするのは初めてだというケースも多いです。

ゼネラリストはそのような環境で、チームのメンバーについて知り、取りまとめを行う必要があります。メンバー一人ひとりとコミュニケーションを取り、お互いに信頼を深めていかなければなりません。

また、初めて異動になる部署なら仕事の進め方なども、よくわからないことが多いでしょう。それでも、自分で考えて果敢に挑む姿勢が求められます。

【ゼネラリスト育成方法】2.CDPを活用して育成する

ゼネラリストの育成は、短期間で行えることではありません。中長期的な視点で行う必要があります。たとえば、ひとつの部署で10年ほど経験を積み、その後別の部署で経験を積むという具合です。

部署が異なれば、仕事内容も異なるのはもちろんのこと、社内での立ち位置も変わります。さまざまな立ち位置に身を置くことで、視野も広がるでしょう。多角的な視点で物事を考える能力を育むことができます。

また、より多くの部署で経験を積ませたいなら、10年ではなく5年程度でも良いでしょう。いずれにしても、時間をかけて少しずつ経験を増やしていくことが大切です。

ここからは、ゼネラリストの育成プログラムを考えるうえで必要なCDPについて紹介します。

CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)とは

CDPとは「キャリア・ディベロップメント・プログラム」の略で、中長期的な視点で社員のキャリア形成を支援する内容の取り組みのことを指します。

CDPでは年単位で社員のキャリア形成や能力開発を行うことから、長期的な施策になりやすいゼネラリストの育成に良く合っているといえます。

ゼネラリストのキャリア支援を行う際には、必要な知識を習得するサポートなどが中心になるでしょう。しかし、ゼネラリストの育成は、広く浅く知識を覚えれば良いというわけではありません。単に知識を覚えるだけでは、ゼネラリストとして必要な能力を身につけられません。

そのため、CDPの内容も一般的な研修などと異なり、画一的な内容を履修するものではありません。ゼネラリスト育成のためにCDPを実施するなら、企業側でも取り組み方を理解し、体制を整えておく必要があります。

CDPの取り組み方

CDPに取り組む際には、まず候補者本人が主体的に目標の設定を行います。

ゼネラリストを目指している人の中には、将来的にマネージャーなどの管理職、さらには経営者を目指している人もいるでしょう。

管理職や経営者になるために、どのような経験を積みたいのか、どのような能力を身につけたいのか、本人が自ら考えます。そのうえで、キャリア開発内容を具体的に決定します。

会社側は、候補者本人が提示したキャリア開発内容を元にして、サポートを行います。たとえば、OJTなどの教育研修制度の実施や、資格取得のサポートなどです。配属先なども、キャリア開発内容を元に決めます。

ゼネラリストを育成するには、会社側が先導して行うのではなく、あくまで本人が主体となって行うことに重きを置くことが大事です。自らが主体的に取り組むことで、ゼネラリストとしての素養を高めることにつながります。

【ゼネラリスト育成方法】3.定期的に適性の評価を行う

ゼネラリストの適性は短期間では判断しにくく、見極めにはどうしても時間がかかります。そのため、面談などを定期的に実施し、本人の希望などをヒアリングしながら、判断していかなければなりません。

育成の進捗状況も定期的に確認しましょう。あまり順調に進んでいないときや、目標達成が難しそうなときには、必要に応じて軌道修正を行います。進捗状況が順調な場合には、目標にどの程度近づいているのか確認してみましょう。

まとめ

ゼネラリストは、広く浅く何でもこなせる人材のことを指します。次期幹部となる人材はゼネラリストになるように育成するのが望ましいです。しかし、ゼネラリストは誰でもなれるわけではないため、適性なども見極めたうえで、人材を選定しなければなりません。

ゼネラリストの育成は、うまくいかないケースもあります。

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