心に響く「経営理念」の作り方|4ステップでわかる作成手順

経営理念とは、経営者の信念に基づき会社の活動方針や社員の行動指針をわかりやすく具体的に表したものです。会社の成長や社員のモチベーションを左右するため、経営理念は入念に作成する必要があります。 とはいえ、新しく経営理念を作るとなると、作り方がわからず戸惑う方も多いでしょう。 そこで今回は、経営理念の作り方や作る際のポイントを解説します。


この記事は約7分で読み終わります。

経営理念の作成に欠かせない4つの要素

経営理念は、「会社の進むべき方向性を明らかにする」「経営ビジョンを打ち出す」「社員への想いを盛り込む」など、経営者が抱く想いを具体化したものです。

こうした経営者の想いを経営理念としてわかりやすく表現するには、Mission(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)、Way(ウェイ)の4つの要素で構成するのが良いとされています。

まずは経営理念の作成に欠かせないこれらの要素を紹介します。

Mission(ミッション)「使命」

経営理念を構成する要素の核となる部分で、もっとも重要なのがMission(ミッション)です。

ミッションは会社の存在意義や果たすべき役割を意味しています。経営者はもちろん、社員全員が信念を持って働くための原動力ともなる要素です。

たとえ事業の拡大や変更があったとしても、経営理念で打ち立てたミッションから外れることがあってはなりません。ミッションでは会社としての揺るがない信念や普遍的な価値観を示しましょう。

Vision(ビジョン)「目指す方向性」

経営理念の核であるミッションを実現するために、Vision(ビジョン)では具体的な会社像を示します。

ビジョンは「こんな会社になりたい」といった、会社が目指す将来像です。いくら素晴らしいミッションを持つ会社でも、そのミッションを実現した先に何があるのかが不明瞭では見通しを立てにくいものです。

ビジョンを打ち出すときには、ミッションの実現に向けて一定期間ごとに目標を定めます。10年後、50年後、そして100年後と中長期的に考え、具体的な理想像を描くようにしてください。また、時代の変化に合わせてビジョンを再考することも大切です。

Value(バリュー)「価値観・判断基準」

Value(バリュー)は、ミッションを元に導き出されたビジョンに向かって、社員に意識してもらいたい価値観や判断基準を表します。

バリューは社員が働くうえで行動を起こす際に影響を与えます。ビジョンやミッションと相違ない、整合性の取れた内容であることはもちろん、社員が実践しやすいようにより具体的な表現を選ぶようにしましょう。

Way(ウェイ)「行動指針」

Value(バリュー)で示した価値観や判断基準に基づいて、実際にどのような行動を起こすべきかを表したのがWay(ウェイ)です。

ミッション、ビジョンとそれらを実現するための価値観・判断基準であるバリュー、以上の3要素は経営理念に内面的な要素です。一方のウェイは対外的に表れる要素となります。

会社の経営理念が目に見える形で伝わる行動指針は、社員が経営理念そのものを実感し、理解するのにも役立ちます。

経営理念の作り方4ステップ

必要な4要素をみてきましたが、実際に経営理念を作るには何から始めればよいのでしょうか。ここでは経営理念の作り方を4つのステップにしたがって紹介します。

1. 他社の経営理念を見てイメージを固める

経営理念を作るのが初めてであれば、どのように表現すればいいのか、一から手探りで始めなければなりません。そこでおすすめなのが、まずは他社の実例を参考にして理想の経営理念のイメージを固めることです。

多くの会社が自社の経営理念を公式サイトに掲載しています。業績の良いライバル会社、個人的に好感を持っている経営者のいる会社、世界的に名を馳せる有名企業など、気になる会社の経営理念に目を通してみてください。発見や参考にしたい部分があればメモに取っておきます。

自社に対するこだわりから、他社の経営理念を参考にすることに抵抗を感じる方もいるでしょう。しかし、成功企業の経営理念には社会や社員への伝わりやすさなど、教わる点がいくつもあります。経営者の想いを確実に伝えるためにも、良いお手本から学ぶことは大切です。

2. 経営者自身の考えを書き出す

経営理念のイメージが固まったら、次に経営者自身の考えを言葉にしていきましょう。具体的には以下のような質問に対する答えを書き出してみてください。

・自社はなんのために存在するのか
・世の中に広めたいことはなにか
・どうやって社会に貢献するか
・10年後どのような企業になっていたいか
・100年後はどのような企業になっていたいか

これらの質問は、先述のMission(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)、Way(ウェイ)の4要素に関わる答えを導き出してくれます。

3. 書き出した考えをもとに案を作成する

参考にした他社の経営理念、先ほどの質問に対する答えをもとに、いよいよ経営理念の素案を作成していきます。

このとき重要なのが、いきなり完成形を目指すのではなく、複数の案を作成しておくことです。それぞれの案を比較して、エッセンスとなる考え方や絶対に外せない内容を抜き取りましょう。

素案の数は少なすぎると選択の幅が狭くなり、また多すぎると考えがまとまりにくくなるおそれがあるため、3~5案ほどにしておくのがおすすめです。

4. ブラッシュアップを繰り返す

先ほど作成した案から具体的な経営理念の作成に移ります。

自社らしさがあるか、共感を得られるか、伝わりやすい表現になっているかなどの観点から、作成案を何度も見直しましょう。時間をおいて読み直すと、不要な表現や曖昧な文言、加えたい内容などがみえてきます。

また、作成した案は社員や信頼できる先輩経営者など、第三者からの意見を取り入れることも大切です。独善的ではない、心に響く経営理念を目指しましょう。

経営理念を作る際のポイント

経営理念は会社の業績を左右するともいわれます。そこで、会社の成長に有効な経営理念を作るために、次のポイントを押さえておきましょう。

シンプルでわかりやすいものにする

経営理念は社内外に広く浸透しなければ効果を発揮しません。社員を含む多くの人から理解や共感を得るために、誰にでもわかりやすくシンプルな表現を心がけてください。

短くわかりやすい経営理念であれば、人事理念や行動理念など、会社の運営に関わるほかの理念も作りやすくなります。

経営理念は「利益追求」だけにしない

会社経営において利益を出すことは重要です。しかし、利益追求は経営理念としてはふさわしいとはいえません。お金儲けを企業活動や社員のモチベーションにすべきではないからです。

経営理念において重要なのは「社員の幸せ」「お客様の幸せ」「社会貢献」の3つです。

社員が幸せであれば、仕事へのモチベーションが上がります。お客様が幸せであれば、信頼につながります。社会に貢献できていれば、社会から会社の存在意義を認められます。利益を追求しない経営理念こそが、結果として利益につながるのです。

全社員を巻き込んで策定する

経営理念を社内に浸透させるには、社員が自ら進んで理念に共感する場や機会を与えることが大切です。トップダウンで内容を伝えるだけではなく、全社員を巻き込んで経営理念の策定を進めましょう。

具体的には、社内報やクレドの活用、ワークショップの開催などがあげられます。

定期的に見直す

経営理念は企業活動の土台となる大切な存在です。内容を頻繁に変えることは避けましょう。とはいえ、一度決定したら二度と覆してはならないわけではありません。

経済状況や時代、経営者の想いが変化して、経営理念の内容が会社の現状や社会のニーズに合わなくなる可能性もあります。作ったら終わりにするのではなく、定期的な見直しや修正を行い、今必要な内容に書き換えるようにしましょう。

経営理念の作成にお悩みの際はTOMAへ

経営理念に正解はありません。経営者自身が満足する内容だったとしても、思うように社内外に浸透しないおそれもあります。また、多忙な経営の傍ら、経営理念を作成するのは経営者にとって大きな負担となるでしょう。

経営理念の作成でお困りの方は、TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社にお任せください。

弊社では、会社の経営理念のサポートに長年取り組んできました。社員とともにクレドを策定するなど、経営理念の作成のみならず、社内への浸透にもノウハウを持っているため、スムーズかつ効果的な経営理念を作り上げることができます。

経営理念の作成にお悩みの際は、ぜひご相談ください。

まとめ

経営理念の作り方を4ステップで紹介しました。経営理念はただ作成すればいいのではなく、社内外に広く浸透し、多くの人から共感を得られなければなりません。そのためにも、シンプルでわかりやすい表現にするなど、いくつかのポイントを押さえておきましょう。