監修 藤間 秋男 -AKIO TOMA-
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役会長 公認会計士 税理士
200名の専門家を擁する「TOMAコンサルタンツグループ」の創業者。100年企業創りをライフワークとし、後継者問題に悩む中小企業に事業承継の支援を行う。自身の経営者としての経験を交えた、熱意あふれるセミナーでは、「あきらめない、しぶとい経営」を経営者に説く。
目次
経営理念の一覧紹介
経営理念とは一般的に、経営者が大切にしている価値観、考えを指します。類似した理念としてある「企業理念」は、企業として大切にしている価値観、考えを指すケースが多いです。ここでは国内外の「経営理念」を取り上げましたのでご覧ください。
株式会社ファーストリテイリングの経営理念
“服を変え、常識を変え、世界を変えていく引用: https://www.fastretailing.com/jp/about/frway/
関西電力の経営理念
“「あたりまえ」を守り、創る引用: https://www.kepco.co.jp/corporate/policy/philosophy/index.html
イオンモール株式会社
“地域とともに「暮らしの未来」をつくる Life Design Developerです。引用: https://www.aeonmall.com/company/vision/
ヒルトン・ホテルズ&リゾーツの経営理念
“地球という星をおもてなしの心で温かく照らし続けます引用: https://hiltonhotels.jp/details/TYOTB_concept
経営理念の重要性
経営理念は企業において極めて重要な要素であり、その重要性は多岐にわたります。以下に、なぜ経営理念が企業にとって不可欠か、また経営理念と企業文化の関連性について説明します。
方針の明確化
経営理念は企業が追求する目的や価値観を明確にし、従業員やステークホルダーに方針を示す役割を果たします。これにより、組織全体が同じ目標に向かって効果的に協力できます。コミュニケーションの基盤
経営理念は従業員とのコミュニケーションの基盤となり、企業文化を共有する手段となります。これにより、組織内の情報伝達が円滑に行われます。変革と適応力:
経営理念は変革への対応と適応力を企業文化に注入します。変化する環境に対応する柔軟性や創造性が共有された経営理念によって育まれ、企業文化に浸透します。経営理念と企業文化は相互に補完し合い、強固な組織の基盤を築く上で欠かせない要素です。
経営理念の作成と策定
経営理念の策定プロセス
経営理念を策定するプロセスは慎重に行われるべきであり、以下のステップが一般的に含まれます。ビジョンの明確化
まず、企業のビジョンを明確にし、将来の理想的な姿や目標を定義します。これは企業が追求する方向性を示す基本となります。ステークホルダーの分析
経営理念の策定にはステークホルダーの期待や意見を理解することが不可欠です。顧客、従業員、投資家などのステークホルダーの視点を取り入れることで、より包括的でバランスの取れた経営理念が生まれます。内部チームの参加
経営理念の策定には経営陣だけでなく、従業員や中間管理職も参加させることが重要です。組織内の異なる視点からの意見や価値観を取り入れ、より幅広い視野から経営理念を構築します。競合他社の分析
産業全体や競合他社の経営理念を分析することで、自社の独自性や差別化を見出す手助けとなります。他社の事例を学び、自社の強みや弱みを理解することが重要です。経営陣の合意形成
経営陣は上記の情報を元に集め、最終的な経営理念を策定するための合意形成を行います。これは企業全体のビジョンを共有し、一致団結した組織文化を築くための基盤です。経営陣の役割
経営陣は経営理念の策定において中心的な役割を果たします。ビジョンの提案
経営陣は企業のビジョンを提案し、将来の方向性や目標を明確に示すことで、経営理念の基盤を築きます。リーダーシップの発揮
経営陣はリーダーシップを発揮し、組織全体に経営理念の重要性や意義を共有することで、従業員の理解と共感を得ます。ステークホルダーとの対話
経営陣はステークホルダーとのコミュニケーションを大切にし、意見や期待を収集することで、包括的な経営理念を構築します。経営理念の最終的な承認
経営陣は最終的な経営理念を承認し、それを組織全体に広める責任を担います。これにより、一体感を生み出し、企業文化を形成します。ステークホルダーの意見取り込み
ステークホルダーの意見は経営理念策定において極めて重要です。顧客の声
顧客の期待や要望を把握することで、企業は市場において持続可能なサービスや商品を提供できます。従業員の意見
従業員は企業内での実情を理解しており、彼らの視点からの意見は経営理念をより実践的なものにします。投資家の期待
投資家とのコミュニケーションを通じて、企業が将来的にどのような方向に進むかを理解し、持続可能な価値を提供します。地域社会の関与
地域社会との対話を通じて、企業は地域社会の発展やニーズを理解し、社会的責任を果たします。経営理念の要素
経営理念は様々な要素から構成されます。ビジョン
企業の将来的な方向性や目標を示す基本的な要素。ミッション
企業が何を達成し、どのような価値を提供するかを具体的に述べた文言。価値観
企業が重視する価値観や道徳的な原則。行動規範
従業員がどのような行動を期待されるかを示すガイドライン。これらの要素は組織に特有のものであり、明確に定義されることで経営理念はより有効なものとなります。