【企業経営】クレドの具体的な効果について解説

自社の組織力を強化するために、近年ではクレドの導入を検討している企業が増えてきています。インターネットで調べれば、有名企業を中心にクレド導入に関するさまざまな成功事例を見ることができるでしょう。 とはいえ、クレドの必要性は感じていても、実際の効果についてはよくわからない経営者も多いのではないでしょうか。 今回は、クレド導入の具体的な効果と導入方法について解説します。


この記事は約5分で読み終わります。

【クレドの効果その1】従業員の行動指針が明確になる

「クレド」とは、企業の行動指針や信条などをまとめて明文化したものです。

クレドが浸透すれば、従業員全員に業務遂行に必要な判断基準が備わります。緊急時でも、会社の理念や価値観に基づいた的確な行動を取ることが可能になります。

【クレドの効果その2】従業員の主体性が育まれる

クレドによる行動指針の明確化は、従業員の主体性を育む効果も期待できます。クレドの内容をもとに業務遂行経験を重ねることで、従業員は正しい判断や行動を自ら行えるようになります。

また、クレドの内容を議論する場において、従業員が参加することで意識改革をもたらす有効的な機会を設けられます。従業員研修のような短期的な育成ではなく、日常的に人材を育成するツールとしてクレドは作成の場はもちろんのこと、完成後も機能します。業務中に経営理念や企業理念について、従業員が思考する機会はほとんどないので有意義な場となり得るでしょう。

【クレドの効果その3】従業員のコンプライアンス意識が向上する

クレドにコンプライアンスに関する項目を盛り込むことで、従業員の自主的なコンプライアンス意識向上が期待できます。

そもそもクレドが普及したきっかけは、産地偽装やデータ改ざんなど、過去に起きた企業の不祥事にあります。

コンプライアンスとは、「法令遵守」を意味していますが、ただ単に法令を守れば良いというわけではありません。法令遵守はもちろんですが、倫理観や公序良俗などの社会的な規範に従ったうえで業務を遂行することが求められているのです。

前述したように、もともとクレドは全従業員のコンプライアンスの意識改革を促せるツールとして注目が集まった背景があります。そのため、組織全体のコンプライアンス遵守の目的でクレドを導入する企業も増加傾向にあります。

【クレドの効果その4】従業員のモチベーションが向上する

経営理念や企業理念のような抽象的な表現だけでは、従業員は明確な行動基準を誤解して、時に間違えてしまうケースが発生します。

クレドは主に会社のミッション・ビジョン・バリューの要素を満たした行動指針です。とくにバリューは、従業員がそれぞれ大切にする価値観を示しています。社内の全員で価値が共有できるので、経営の軸もぶれないでしょう。

従業員がクレドの内容をしっかりと把握した上で、クレドの軸に基づいた自身の判断を行っていきます。それが結果や評価につながれば、モチベーション向上にもつながります。

また、クレドの浸透は従業員のエンゲージメントを高める効果もあります。

クレドは自ら考えて行動へ移すスタイルを確立させる従業員の育成に活用できます。加えてエンゲージメントが高くなれば、「自ら貢献したい」という従業員の自発的な意欲も促せるかもしれません。

具体的なクレドの導入方法

ここからは、具体的なクレド導入の方法を紹介します。クレド導入の目的が曖昧な場合、失敗しやすくなるため注意が必要です。

クレドには経営理念の抽象的な内容を、具体的で簡潔な表現に変換して落とし込んでいきましょう。

クレドを作成する際は、経営陣のみで議論して決定するのではなく、現場の従業員と一緒に作成すると導入後に浸透しやすくなります。

クレドカードを配布する

クレドについて記載した携帯サイズのカード(クレドカード)を従業員に配布します。クレドカードがあれば、いつでも行動指針を確認できるようになります。

クレドカードには、現状、組織が抱える課題を解決するために必要な価値観を記載し、社内全体へ周知させていきます。
もし可能であるならば会社の経営陣が直接手渡しすると、よりクレドカードの存在感が高まるでしょう。

社内の目立つ場所に掲示する

クレドを記載したポスターなどを作成し、社内の目立つ場所に掲示してみましょう。目立つ場所に貼ることで、クレドの浸透だけでなく形骸化を防ぐ効果も期待できます。

オフィスのエントランスや会議室、社内掲示板などがおすすめです。デザインは主張が強すぎないものを選定し、常識の範囲内の大きさに留めておきます。あまりに奇抜なデザインや大きすぎるサイズ感では、従業員にマイナスイメージを与えてしまうので注意しましょう。

朝礼や全体会議で周知する

朝礼や全体会議などの場で、クレド導入について社内全体に周知します。クレドカードもこのタイミングで配布しましょう。クレドの目的やメリットなどを説明して、その意図や目的をしっかりと伝えます。

また、従業員全員で唱和を行うことも、クレドの浸透に効果的です。

社内ポータルサイトや全社メールで周知する

社内ポータルサイトにクレドを記載しておくと、より認知度が高まります。従業員が頻繁に目にするトップページがおすすめです。

そのほか、全社メールでクレドについて定期的に発信するのも効果的です。唱和などの口頭だけでなく、文章でクレドの内容を従業員に読み込んでもらうことで、より浸透が期待できます。

クレドの効果や導入方法について知りたければTOMAにご相談ください!

TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社では、理念・クレド導入コンサルティングサービスを行っています。

企業の理念経営に長年取り組んできたTOMAのコンサルタントが、培ったノウハウをもとにクレド導入をトータルでサポートしますので、社内でクレドを浸透させるのにお困りの方はぜひご相談ください。

まとめ

クレドは企業が創業した後、企業の改革や組織の環境改善、またコンプライアンス経営などを目的として作られます。またクレドは、会社全体で価値観の共有をする大事なものです。

クレドを導入する際には従業員に導入する目的をしっかりと説明し、全従業員の考えを反映できるように意見交換の場を設けるようにしてみましょう。