社員が辞めるのは社長に原因がある?ダメな社長の共通点

すぐに社員が退職してしまう会社では、技術や経験の豊かな人材が育ちません。社員の定着率が低すぎると会社の存続さえ危うくなることもあります。 待遇や福利厚生など会社の仕組みには、退職者の続く原因が見当たらないようなら、経営のトップである社長の存在が影響している可能性を考えてみましょう。 この記事では、社員が定着しない会社の社長にみられる共通点を紹介します。


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社員が辞めてしまう社長の特徴

社員が会社を辞める理由は、家庭の事情やキャリアアップなど、人によってさまざまです。しかし、次々に退職者が出る場合、働くモチベーションの低下が主な原因として考えられます。

社員のやる気を損なう会社によくみられるのが、社長による誤った経営方針です。独自のスタイルを貫くことが必ずしも悪影響とはいえません。ただし、以下のような事例に当てはまるなら、経営者として軌道修正を図るほうが良いでしょう。

社員の意見を聞かない

会社の起業者であり、自分が築き上げてきたという自負のある社長ほど陥りやすいのが、ワンマン経営です。

これまで会社を発展させてきた自信が社員の意見を抑え込み、別意見や反対の提案を一切受け入れないという社長も少なくないでしょう。

こうした社長のまわりにはイエスマンだけが残り、また社長もイエスマンを高く評価して昇給・昇進させます。一方で、真に会社を思った言動をする社員は、低評価を受け、やる気を削がれた結果、会社を去ってしまうのです。

ビジョンやミッションがない

会社を発展させるには、社員が働く意義や目的について、明確なビジョンやミッションを持つことが大切です。社員全員がビジョンやミッションを共有することは、会社の進むべき方向や社員の行動認識が定まり、社員の働く原動力となります。

ただし、ビジョンやミッションを掲げていても、社員に浸透していなければ意味がありません。現場へ周知するために、研修や勉強会を行うなど、積極的なアクションを起こす必要があります。

また、ビジョンやミッションとして売上目標などの数値を掲げるのは避けましょう。具体的な数値は事業目標としては役立ちます。しかし、ビジョンやミッションにしてしまうと、達成できなかったときに、社員をはじめ、会社全体のモチベーションを下げることになります。

失敗を周囲や環境のせいにする

社長は、経営方針や業績など、全てにおいて責任を持つ立場です。経営上のミスが生じたときには、トップとして責任ある態度で解決や改善に臨む必要があります。

しかし、自分が起こしたわけではないミスで責任を追及されるのは、非常に苦しいものです。そのため、社員に責任をなすりつけたり、環境のせいにしたりと、社長としての職務を放棄してしまう方は珍しくありません。

何かあったときに責任を取ってもらえなければ、社員は全力で職務に向かえないでしょう。また社長として頼りない姿を見るうちに、この会社のために働きたいという気持ちが薄れていくことも考えられます。

社員が辞めない社長のあり方

社長には、社員がすぐに会社を辞めてしまう原因になってしまう方と、社員に尊敬されて有望な人材に恵まれる方がいます。今後も長く会社を発展させていきたいなら、社長として後者を目指したいところです。

そこで、社長としてあるべき姿について具体的に解説します。

社員の意見を取り入れる

会社の成長には人材の育成が欠かせません。社員を成長させるために必要なことは、自分で考えて発言し、率先して行動することだといわれます。そして、ただ行動するだけではなく、何か問題が起こったときに反省する姿勢も大変重要です。

自発的に動く社員はチャレンジ精神を持って働いてくれます。大きな成功を収めることもあれば、問題を起こすこともあるでしょう。問題が起こったときに、社長が一緒になって次なるチャレンジに向けた前向きなサポートを行えば、社員の自信につながります。

普段の行動は社員を信頼して任せる、困りごとが起こったら共に考えてサポートするという関係を社員と築くことが理想です。

人として正しい発言・行動をする

社長自身が思う以上に、社員は社長の言動をよく見ているものです。この会社で働き続けたいと社員に考えてもらうには、経営者として以前に、人として正しい言動を心がけるようにしましょう。

とはいえ、聖人君子のように振る舞う必要はありません。誤りや非があったときは素直に認める、社員の話は目を見て聞く、会議には真面目に出席する、社員の意見を真摯に受け止めるなど、信頼ある人間として取るべき行動を意識しましょう。

こうした行動の積み重ねによって、社員から慕われるリーダーシップを獲得できます。

社員に敬意をもって接する

社長と社員は雇用する側と雇用される側で、立場が大きく異なります。しかし、雇用する側だからといっても、社長だけでは会社は成立しません。「雇っている」「給料を払っている」という権限を盾に社員へ敬意を払わずにいれば、社員からも敬意を払われることはないでしょう。

社員に働きたいという意欲を持ってもらうには、「自分が大切に扱われている」という実感を持ってもらうことが大切です。がんばって働く姿をみたとき、結果を出してくれたとき、感謝の気持ちを社員にそのまま伝えてみてください。

感謝の気持ちを言葉や形にすることで、社員はやりがいを感じ、さらに会社に貢献しようという気持ちが芽生えるはずです。

社員の仕事を公平に評価する

仕事で成果を出しているにもかかわらず、正当な評価を得られなければ、社員のモチベーションは著しく低下します。退職者が続いたら、人事評価制度が正しく機能しているか、一度見直してみることをおすすめします。

中小企業では、創業者である社長の意見がそのまま反映された人事評価制度が採用されていることもよくあります。社長の個人的な想いが評価に影響して不公平な制度となっていれば、社員に不満をもたらす原因となっている可能性が高いといえます。

会社への貢献度に応じて評価される制度であれば、社員のやる気やチャレンジ精神を底上げできるでしょう。

社員の成長を促す組織づくりのポイント

社員がすぐに辞めることなく、有能な人材が育っていく強固な組織をつくるには、社長のあり方のほかにも、戦略的に取り入れておきたいポイントがあります。

それでは、経営者として知っておくべき組織づくりのポイントを紹介します。

経営理念を社員に浸透させる

社員が辞める理由のひとつに、会社のビジョンや将来性が見えにくいという点が挙げられます。何のために働くのか、会社はどこへ向かっているのかを、社員全員が共有し、同じ目的に向かって進むことが大切です。

経営方針やビジョンは「会社としてこうありたい」という理想の姿を示すものです。社員が働くことに誇りを感じられるような、企業文化の礎になるものとします。

経営方針やビジョンは、すでにほとんどの会社が掲げていることでしょう。しかし、経営陣だけで決定して満足していても、社員一人ひとりに自動的に浸透するものではありません。

目につきやすいところに掲げる、シンプルでわかりやすいビジョンにするなど、社員全員に浸透させる工夫が必要です。

経営理念に基づいた人材育成をする

人材育成に力を入れることは、すなわち、退職者を減らすことにもなります。将来を担うリーダーとなる存在を育てる気持ちがあれば、会社を辞める社員は減っていくでしょう。

そのためにも大切なのが、先ほどお伝えした経営理念やビジョンの浸透です。明確な方向性を持たない会社では、社員は仕事への意欲を見失い、自身の成長にも意義を感じられない可能性があります。

企業理念やビジョンは組織づくりの要です。トップである経営者自らがその必要性を語り、理解を求める姿勢を持ちましょう。

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企業理念やクレド導入についてのコンサルティングも行っているため、明確なビジョンやミッション、バリューを持った組織づくりをサポートします。

まとめ

すぐに社員が辞める会社には、何らかの原因があるものです。会社の規定や仕組みそのものに問題がないようであれば、社長の考え方や行動にも目を向けてみましょう。

しかし、組織づくりは一朝一夕でできるものではありません。そこで、専門家の手を借りるのも方法のひとつです。TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社なら、強固な組織づくりをお手伝いいたします。ぜひ一度ご相談ください。