事前準備が重要!質の高い経営会議のあり方を紹介

経営陣が集まる会議を開いてもあまり効果が出ていないと、経営会議の進め方に疑問を抱いてはいないでしょうか。ただ会議を開いただけでは実りのある経営会議は行えません。 この記事では、本来の経営会議のあり方や質の高め方、より良い経営会議にするためのポイントを紹介します。


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経営会議を行う意義をおさらい

はじめは意欲をもって経営陣が集まる会議を開いていても、しっかりとした目的などがないとやがて形骸化してしまいます。

経営会議とは何を決めるためのものなのか、この機会に経営会議の意義や目的について再確認しておきましょう。

そもそも経営会議とは

経営会議とは、業績などの現在の経営状況を踏まえて、今後の会社の方針の決定や見直しを行う会議をいいます。具体的には、経営方針や経営戦略の決定や見直し、各事業の進捗の見直し、予算と実績数値の把握と見直しなどを行うためのものです。

経営陣のみの会議を経営会議と表すこともありますが、一般的には経営陣のほか、会社の経営状況や業績を把握している各部署のリーダーなどが集まって会議を行います。

経営会議の目的と意義

経営会議の目的は、経営陣や幹部が認識を共有すること、経営に関する意思決定を行うことにあります。

また、経営会議の意義は、会社の抱えるさまざまな課題や事案について話し合う機会をもつこと、現状会社が抱える課題について改善点や対策を話し合い決定していくことです。

このような経営会議本来の目的や意義を達成するには、しっかりと事前準備を行い、参加者に目的を共有する必要があります。次項で、意義のある経営会議を行うためのポイントを見ていきましょう。

【事前準備編】経営会議の質を高めるためのポイント

意義のある経営会議を実施するための事前準備のポイントを4つ取り上げます。

ポイント1.会議の目的を定める

目的が曖昧なまま経営会議を行っても質の高い会議にはなりません。何のために会議を開くのか、経営会議によってどのようなことを決定する必要があるのか、会議の目的を明確に定めるようにしましょう。

目的を明らかにすることで、会議の軸も明確になりますし、目的に沿う議論を展開できます。

また、経営会議を開く際は、目的だけでなく会議の最終目標も事前に設定しておくことが重要です。最終的に何を決める必要があるかがわかると、会議の流れや議論内容について参加者も理解しやすくなります。

ポイント2.定期的に開催する

意義のある経営会議を行うのであれば、必要なときにメンバーを招集するのではなく、定期的に開催するのが望ましいです。

月次決算を行っている会社では、月次決算の締め日に合わせて、月次決算の数値から今後の経営方針や経営戦略などの見直しが行われることもあります。このように、決算のタイミングに合わせて定期開催するのもひとつの方法でしょう。

日時を決めて定期開催するのもおすすめです。実施日を固定して定期開催するようにすれば、参加者が予定を立てやすくなりますし、参加率の向上も期待できます。

また、質の高い経営会議を実施するには時間配分や会議にかける時間も重要です。時間が短すぎると重要な議題を議論できなくなるおそれがありますし、時間が長いと参加者の集中力も落ちてしまうためです。

議題の重要度に基づき時間配分を決めておくほか、1回あたりの会議の時間は90分、長くても120分以内を目安に考えると良いでしょう。

ポイント3.参加者を厳選する

経営陣のほか各部署のリーダーなどを集めて経営会議を行うこともありますが、議題に無関係なメンバーを参加者に含めてしまうと、参加者数も多くなり、議論の収拾がつかなくなります。

経営会議を行う場合は、会議の目的や議題に沿った参加者を絞り込み、会議に関連の低いメンバーは招集しないなどの工夫が必要です。

そのほか、議題ごとに参加メンバーを選定するのではなく、経営チームをあらかじめ作る方法もあります。

経営チームは大企業の常務会のような役割をもつチームです。少数の固定メンバーで構成され、主な活動として経営会議を行います。経営チームのメリットは毎回固定のメンバーで経営会議を開催できることと、社長だけでなくチームとして経営を考えられることです。

議題に合わせてメンバーを選抜するのも良いですが、メンバーの選定に手間も時間もかかってしまうほか、メンバー次第では自由に意見を発言できなくこともありますので、経営チームの構成も検討してみると良いでしょう。

ポイント4.事前にアジェンダを準備する

アジェンダとは、取り上げる議題など、経営会議におけるプランをいいます。質の高い経営会議のためには、アジェンダの準備が欠かせません。

会議当日、どのような議題を議論し、それぞれの議題についてどの程度話し合いをするか決めておきましょう。アジェンダがあることで、ムダな話し合いを避けることができます。

また、アジェンダのほか、経営会議でのルールも決めておくと良いでしょう。たとえば、具体例として以下のようなルールがあります。

・積極的に会議に参加する
・会議中は必ず発言をする
・反論する場合は必ず代案を出す など

このように、意見交換や意思決定に関するルールをあらかじめ定め、参加者に周知しておくことで、ルールに沿った実のある会議が実現できます。

経営会議では、社長以外の参加者も意見を出しあえる環境を構築することが必要ですので、意義のある会議にできるよう、アジェンダのほかルールも設定しておきましょう。

【会議実施編】より良い経営会議にするために必要なこと

ここまで質の高い経営会議を行う前に準備しておくべきポイントについて紹介してきました。会議実施前ではなく、会議中はどのようなポイントを押さえておくと良いのでしょうか。質の高い経営会議を実現するための会議実施時のポイントをふたつ取り上げます。

ファシリテーターを活用する

より良い議論のためにはファシリテーターを活用するようにしましょう。

ファシリテーターとは、中立的な立場で会議を進行する役割をもった人のことです。会議の進行だけでなく、タイムキーパーとしての役割、多くの人が発言できるように調整する役割を担います。

ファシリテーターを置かずに経営会議を行うと、発言力のある人ばかりが発言してしまったり、少数派の意見が妨げられたり、どうしても偏った進行になってしまいがちです。

ファシリテーターがいれば、このような会議での問題を回避することができ、より多くの参加者が会議での決定事項に納得できるようになります。

ファシリテーターには、傾聴力や時間管理能力などのファシリテーションスキルに優れた人材を進行役に置くようにしましょう。

ファシリテーションスキルの向上には経験も必要ですので、ファシリテーターとして育てたい人材を会議に参加させてフォローしながら会議を進めるのもひとつのやり方です。

経営会議の結論を出す

議論が目的の経営会議では次の行動につながりません。経営会議は、あくまでものごとを決定し進めていくための会議です。議論して満足するような状況は避けましょう。議論した上で、結論を出すことが大切です。

どうしても会議の中で結論が出ないときは、参加者の承認をもらって次回に持ち越すなど結論が次の議論で出るようにします。この場合は、次の会議までに関係各位と話を進めておくなど、しっかり前進させておくことです。

まとめ

目的や目標がないまま経営会議を開いたり、メンバーを絞り込まずに大人数で会議を開いたりしても、経営会議は失敗に終わってしまいます。

また、会議の内容がしっかり計画されていなかったり、発言力のあるメンバーばかりが発言したりするようでは質の高い経営会議はできません。経営会議の意義を見つめ直し、しっかり事前準備を行った上で、会議の中で結論を出していくことが大切です。

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