事業を娘に継がせるには?跡継ぎをスムーズにする方法を解説

「会社を承継する跡継ぎは息子」と思っている人は多いかもしれません。しかし、実際は娘が跡継ぎになることも増えています。 ここでは、わが国の企業で娘の跡継ぎが増えている現状や、娘を跡継ぎとして育てる方法などについて詳しく解説します。


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今や娘を跡継ぎにしている企業が増えている!

実を言うと「跡継ぎは息子」という考えは古くなっています。今では、娘を跡継ぎにする企業が増えているのです。

まずは、娘を跡継ぎにする企業が増えている現状について見ていきましょう。

日本では女性社長は増えつつある

日本では、多くの女性社長が活躍しています。東京商工リサーチの調査によると、2018年の女性社長は全国で45万4,961人でした。2017年の女性社長の数は41万1,969人、2014年の女性社長の数は31万55人だったので年々、女性社長の数が増えていることが分かります。また、2018年と2014年を比べるとここ5年で約1.5倍に増えています。このことは、女性社長の数がここ数年で急激に増えていることを示しています。

この東京商工リサーチの調査では、上場企業における女性社長の割合も記載されています。それによると、2018年の日本企業全体における女性社長の割合が13.4%であるのに対し、上場企業における女性社長の割合は約1.0%にとどまっており、主に中小企業で女性社長が多い傾向にあることが分かります。

娘の跡継ぎならではの課題もある

日本では女性社長は年々増えており、この傾向は今後も続くと考えられます。しかし、いざ自分の会社で娘を跡継ぎにすると考えた場合には、娘の跡継ぎならではの課題もあります。

例えば、育児や家事、介護などと社長としての仕事のバランスをどうとるのかということです。女性の場合、出産や子供が小さいときは育児でいったん、職を離れることもあります。また、育児や親の介護などの時間が必要になることもあるでしょう。そうなったときに、家族の協力を得る体制を整えたり、時短で仕事をしたりと、社長業とのバランスをいかに取るのかが重要になります。

また、同じ境遇(女性の跡継ぎ)の人になかなか出会えないため、女性社長ならではの苦労が理解されなかったり、相談ができなかったりするなどの悩みもでてきます。

仕事面の課題としては、女性ならではの強みをいかに経営に活かすかという点があります。女性には男性と違う目線や発想があり、それはビジネスのなかで武器になります。女性社長の発想を周囲が引き出せる環境をつくる必要があるでしょう。

娘を跡継ぎにする際に気をつけるべきポイント

少子高齢化が進む日本において、事業承継をする後継者選びでは幅を広げ、息子だけではなく娘も跡継ぎとして考える必要があります。しかし、娘を跡継ぎにする際に、注意をしなければならないことも多くあります。

そこで、ここでは娘を跡継ぎにする際に気をつけるべきポイントについて見ていきましょう。

娘の意思を尊重する

娘を跡継ぎにする際に気をつけるべきポイントのひとつに「娘の意思を尊重する」ということがあります。娘が納得しないまま跡継ぎになってしまうと、後継者としての育成や、社長になってからの経営などがうまくいかないことがあります。それは、娘が主体的ではなく、女性社長をやらされていると感じて会社に関わっていく可能性が高いからです。

そこで、娘を後継者にしたい場合は、はじめに本当に跡を継ぐ意思があるのかどうかを本人に確かめる必要があります。会社の状況によっては、娘の意見に関係なく、娘を後継者にせざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、娘を後継者にせざるを得ないケースであっても、親からの押し付けにならないように、娘が納得するまで話し合う必要があります。

跡継ぎの準備を早めにする

跡継ぎの準備を早めにする」ことも、娘を跡継ぎにする際に気をつけるべき重要なポイントのひとつです。事業承継は後継者を決めるだけでなく、後継者の育成や社長という仕事の協業(一緒にやること)、実際に一緒に取り組んだ後のバトンタッチ(交代)と時間をかけて行うものです。後継者を決めてすぐに交代と、簡単にできるものではないため、早いうちに後継者育成の計画を立てるなど、跡継ぎの準備を早めにしておく必要があります。

また、親族内での事業承継の場合は、社外の人間に事業承継を行うよりも、従業員の反対は少ないですが、それでも戸惑う社員はでてきます。事業承継をスムーズに行うためにも、娘を後継者にすることが決まったとき、もしくは検討中の場合であってもできるだけ早く、社員に跡継ぎの話をしておく必要があるでしょう。

娘を後継者として育てるには

事業承継は後継者を決めるだけでなく、後継者の育成も重要になります。ここで多くの経営者が悩むのが、娘を後継者として育てるためには何をしたら良いのかということです。

そこで、ここからは娘を後継者として育てるための3つの方法について見ていきましょう。

社外で修行をさせる

娘を後継者として育てるための方法のひとつが「社外で修行をさせる」ことです。後継者の育成というと、社内で教育すると考えがちですが、社外で修業させることも重要です。知り合いの社長に頼んだり、娘が就職活動を行い、一度他の会社で修業させたりします。社内だけでなく、社外で仕事をすることで、他の会社の社長がどのように経営をしているのかがわかり、娘に経営者としての自覚をもたせることができるようになります。

社外で修業をするのにおすすめの業界は、銀行などの金融関係や広告代理店です。銀行などの金融での仕事では、経営者になる上で必要な要素のひとつである、資金繰りや融資などを学ぶことができます。また、他の社長と接する機会も多く、お金のやり取りを直に感じることで、経営センスを学ぶこともできるでしょう。

広告代理店では、PRの仕方などを学ぶことができます。PRの仕方などを学ぶことは、自社や自社の商品の魅力を外部にPRしたり、自分の言いたい事を社員に明確に伝えたりする能力を身につけることにつながります。

社長室長として同行させる

社外で修行をさせた後は、「社長室長として同行させる」ことで、より後継者として育成することができます。特に社長に就任する前の1年間は、社長室長などのポストを設け、経営者とともに行動する時間を作る必要があります。取引先やクライアントのもとに、社長と同行させることで、社長の考えを肌で感じることができます。

経営理念や今までの体制を受け継ぐことで、社内に混乱を起こすことがなく、スムーズに事業承継ができる点でも、社長室長として同行させることにはメリットがあるでしょう。

専門家を雇う

女性を後継者として育てるためには、「専門家の手を借りる」ことも重要です。現経営者が男性である場合、女性としての強みを自社にどう生かしていくのかは、意外とわからないものです。しかし、専門家であれば、従来の経営スタイルにこだわらず、女性ならではのマネジメントを引き出せるようなアドバイスをすることができます。

このように、女性の後継者の育成には、その会社や後継者の資質などに応じて、適切な方法をとる必要があります。しかし、経営者ひとりで、後継者の育成をするのは難しいです。そこで専門家の、特に女性の後継者育成に高い専門性や、豊富な経験を持つ人の力を借りると良いでしょう。

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まとめ

わが国では、女性社長の数が年々増加しています。そのため、娘を後継者にすることは全くおかしいことではありません。

しかし、育児や家事、介護などと社長としての仕事のバランスをどうとるのかなど、女性ならではの課題を解決したり、育成までのしっかりとした計画を立てて実行したりする必要があるなど、難しい点も多くあります。

これらの問題を解決しながら、娘への事業承継をスムーズに行うためには、専門家の力を借りることは必要不可欠です。専門家の力を借りながら、後継者育成を行うことこそ、娘への事業承継をスムーズに行うことにつながります。