100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート vol.310 2024.3月号

2024.02.26 Mon

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1. 藤田晋が本気の後継者選びに乗り出したワケ

サイバーエージェント社長の藤田晋は、2026年に会長に退き、新社長を社内から起用すると表明した。
(略)
「これはまずいな、と思ったのがきっかけですね。僕が社長をやればやるほど経験値が僕に集中しその
分、社長は他の誰にも代えられなくなってしまいます。他社でも、創業社長が後継者にバトンを引き継
ぐのに難航しているケースが見受けられます。経営者仲間からは『まだ早いんじゃないか』という声も
ありましたが、過去の経験から10年はあっという間だと理解していたので、早く後継者育成に着手す
る必要があると考えました」
藤田が指摘するように創業社長やカリスマ社長が後継者選びでつまずくケースは多々ある。
(略)
「社長という役割の責任の重さについて、時間をかけて伝える必要があると感じました。
数えきれない人の人生にサイバーエージェントが関わっています。永続的に続く会社にするためにも
創業者である僕が経験や勘でやってきたことをきちんと言語化し、引き継ぐ必要があります」
(略)
カリスマ経営者の一声で、ビジネスが進めば、意思決定のスピードを上げるメリットがある。しかし、社長がなぜ、そう考えたのか、戦略的な意図は何なのか、社長の頭の中が社員から見て「ブラックボックス」になったままでは、社長の仕事を引き継ぐことはできない。
「なぜ、そういう意思決定をするのかを言語化する狙いで作ったのが、引き継ぎ書なのです」
藤田は、この「引き継ぎ書」そのものを研修プログラムの題材にした。
(略)

(小野展克『「藤田晋、60歳」社内資料に愕然…サイバーエージェントが本気の後継者選びに乗り出したワケ』 DIAMOND online 全5 回連載より第1回~第3回抜粋 参照 2024年1 月15日)

社長は真剣、その他の役員・社員は竹刀で戦っていると言われます。真剣で切られたら、会社、
従業員、家族、財産すべて失ってしまうのです。それだけ真剣さが違うのと、全ての案件に関わります
から、社長の成長スピードと他の役員・社員の成長スピードと差がつきすぎてしまうのですね!
私も社長をバトンタッチして6年経ちますが、市原社長はすごいスピードで成長しているのを
感じます。自信も付いてきています。
65歳の時、私は社長を続けた方が会社はもっと成長できると思いましたが、70歳になって
その気持ちはないです。早くバトンタッチする理由はそこにあります。
私は本当に65歳でバトンタッチしてよかったと思っています。

2.『実践行動こそ総て』 知行合一 TACTグループ代表 高井法博

優良企業は、経営者が勉強熱心で、人格と経営力を高め、正しい判断で革新的なビジネスモデルを構築
すると共に、決めたことを「迅速に実行」している。いくら素晴らしい戦略戦術を経営計画書に描いたとしても、実行しなければ絵に描いた餅になる。
「先延ばしにせず、すぐやる」習慣を身につける必要がある。
どんな企業も打つ手は限られ、考える戦略や戦術も大きな差はない。決められたことを実行した企業が、結果として「勝ち組」となる。やり切れるか、やり切れないかが、大きな違いになる。実行段階での決め手は企業のトップではなく、各部門経営者・幹部となる。会社にとって何が一番大切なのかを自覚し、具体的行動に落とし込み、部下や周囲(上下左右)を巻き込んで推進していく。実践しなければ知らないことと同じであり、知性と行動の選択は別物である。
『結局は、やるかやらないか!!』である。
「実践行動こそ総て」「知行合一」(陽明学の奥義)は私の人生の基本的信条である。

(『一期一会』 132号 2023年8 月24日)

私の長年の友人である高井さんの言葉が今の経営者に必要と考え、そのまま掲載させて
いただきました。
まとめると、
①先延ばしにせず、すぐやる習慣を身につける必要がある。
②決められたことを実行した企業が「勝ち組」となる。
③実行段階での決め手は、企業のトップではなく、各部門経営者・幹部となる。部下や周囲を
巻き込んで推進していく。
以上を確実に実践すること。必ず達成し、成長・発展していく。
何度も読み、考えませんか?

3. 経営12カ条 稲盛和夫

第1条 事業の目的、意義を明確にする
    公明正大で大義名分のある高い目的を立てる
第2条 具体的な目標を立てる
立てた目標は常に社員と共有する
第3条 強烈な願望を心に抱く
潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと
第4条 誰にも負けない努力をする
地味な仕事を一歩一歩堅実に、弛まぬ努力を続ける
第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
入るを量って、出ずるを制する。利益を追うのではない。利益は後からついてくる
第6条 値決めは経営
値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である
第7条 経営は強い意志で決まる
経営には岩をもうがつ強い意志が必要
第8条 燃える闘魂
経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要
第9条 勇気をもって事に当たる
卑怯な振る舞いがあってはならない
第10条 常に創造的な仕事をする
今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる
第11条 思いやりの心で誠実に
商いには相手がある。相手を含めて、ハッピーであること。皆が喜ぶこと
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

(稲盛和夫 『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』 日経BP 日本経済新聞出版 2022年9月7日)

私は稲森和夫氏の12カ条の勉強会に出ています。本当に一条一条が心に入り、実践したいです。
絶対に潰れない企業創りができるのですね。100年企業が創れるのならと思います。
人間は安易な方に流れて私心が出てくるからダメになってくるのだなと思いました。