100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート vol.301 2023.6月号

2023.05.31 Wed

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1.1日3万5千回の選択に臨む直感力磨き

(『社説 オピニオンエッセイ』中部支局長 山本孝弘 日本講演新聞 2022.10.24 第2951号 発行(株)宮崎中央新聞社 より)

① ケンブリッジ大学の研究によると、人は一日に平均して約3万5千回の選択を無意識にしているそうだ。

朝起きる時にもう少しだけ寝ようかどうしようか、何を食べようか、何を着ていこうか。仕事の段取りを決める時はもちろん、人との5分の会話の中でも言葉選びや内容など、確かに私たちは常に選択の波の中で生きている。

② そんな無意識の選択とは違うが、人生を歩む中で誰もが多くの岐路で選択をしている。その際に皆さんは何を基準にして決めているであろうか。
私がよく講演などで中学生に話すのは「ワクワクするほうを選べ」である。
選択の結果が正しいのか正しくないのかは結局のところ誰にもわからない。例えば高校受験に失敗したとする。その時点だけにスポットを当てれば、それは「悪い結果」かもしれない。
だが通った第二志望の高校で生涯の親友に出会えるかもしれない。運命の恩師と出会い、夢の実現が果たせるかもしれない。人生で「災い転じて福となす」ことはいくらでもある。
失敗に思える結果が目の前に起きた時、それを前向きに受け入れられる心持ちにはどうしたらなれるのか。

③ その重要な要素の一つが、「選択した時に、何を基準に選択したか」ではないだろうか。
そこで私が勧めるのが「ワクワクするほうを選ぶ」という方法である。私はそれを一つの指針として生きてきた。選択の結果が一見失敗と思われるものでもそれをベストな結果として受け入れ、後悔することはなかった。

④ 臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長の近著『悩みは消える!』(ビジネス社)の中に、その直感力の身に付け方について書かれた箇所があった。

横田管長いわく「直感は元々鋭い人と鈍い人がいるのではなく、自らで磨き、養うもの」なのだそうだ。人間である以上、誰にでも自我意識がある。だがそれが強いと生きづらいだけでなく、直感力も鈍ってくるという。

⑤ 我のない素直な心で勘を研ぎ澄まし、1日に3万5千回、世の中を良くするほうを選択する生き方ができれば明るい未来に向かっていけそうだ。

そんな人が増えると、きっと世の中は少しずつ平和になっていく。

 TOMAの経営理念は、幸せになる経営理念だと思っています。判断基準は、①明るいことか?②楽しいことか?③元気なことか?④前向きなことか?で、判断していきたいと思っています。

 3万5千回の判断の積み重ねが1日であり、1カ月であり、1年であり、人生ですから、後ろ向きな判断をするのか、前向きな判断をするのかでずいぶん違います。

 稲盛和夫さんも前向き、船井幸雄さんもプラス発想と言っています。毎日前向きな判断をすることが出来れば成功しますよ。

2.離職者が多い企業「5つの特徴」、負の連鎖を止めるには

(連載 リーダー必携マネジメント術 執筆 識学上席コンサルタント 冨樫 篤史 ビジネス+IT https://www.sbbit.jp/article/cont1/107542より)

 離職者が後を絶たず、常に人手不足に悩まされている企業がある一方、一度入社した社員が順調に力を付け、それに伴って成長していく企業もあります。その違いはどこにあるのでしょうか。

① 近年急増、「社員を大切に」をはき違えた企業

「成長が望めない環境」です。

「この会社に居続けても成長できない」という社員の思いは、離職の大きな原因となります。「大切な社員にはストレスを感じずに働いてほしいから、できるだけ優しく接している」という考えの経営陣や中間管理職がいる、ゆるい空気の会社では、このような理由で離職する社員が後を絶ちません。なぜなら、「成長のために必要なストレス」は必ず存在し、ゆるい空気の職場にはそれがないからです。

 成長とは「できなかったことができるようになること」です。そのためには、自分にできないこと、足りないものを認識しなければなりません。ところが、「社員を大切にする」という言葉の意味をはき違え、本来すべき指導を怠っている会社が多くあります。これでは、社員に見限られても仕方がないでしょう。

② 「姿勢のルール」がもたらす効果とは

「社員の所属意識が薄い」ことです。「私はこのコミュニティーの一員だ」という所属意識が薄れていくと、社員は離職をためらわなくなります。

 当然、所属意識が強くなればなるほど、社員の離職は起きにくくなります。では、所属意識を高めるにはどうしたら良いのでしょうか。

 その答えの1つは、能力に関係なく誰でも守れるルールを会社が整備し、それを社員全員で順守する環境をつくることです。人間には、同じルールを守る人を仲間だと考える傾向があるからです。

 識学ではこれを「姿勢のルール」と呼んでいます。たとえば、「毎朝出社したら所定の場所に立って部屋にいる全員に聞こえる声であいさつをする」や「会議の際は、開始時間の3分前までに着席しなければならない」などです。ただ、姿勢のルールを守ったからといって、会社の業績が上向くというわけではありません。同一のルールを順守することは意識上、同一のコミュニティに属していることとイコールで結ばれます。業績に向かう組織状態の土台として姿勢のルール徹底は大前提となります。

③ こんな管理職がいる会社は一発アウト

「感情的なマネジメントが横行している」企業です。

上司は感情的になって部下と接してはいけません。それはパワーハラスメントです。部下がメンタル不調に陥る恐れがありますし、感情的な反発も予想されます。そして、そのすぐ先に待っているのが部下の離職です。

 感情的なマネジメントには再現性がありません。毎日のように怒鳴っていた社員がたまたま極度の負けず嫌いだったために急成長し、エースになることがあったとしても、そのやり方が次もうまくいくとは限りません。社員の感情を揺さぶってやる気を引き出すことが得意な経営者もいますが、それを中間管理職がまねをするのは困難でしょう。

 上司がすべきは部下のミスや成績不振をとがめることではなく、部下が目標達成に向けて迷っているときに、何が足りないのかを指摘し、部下自身が達成に向けた手段手法を考え出せるよう導くことです。

「先週の契約目標は3件でしたが1件しか取れませんでした」

「アポイントは何件取りましたか」

「15件取りました」

「アポイントの数は十分です。商談自体がうまくいっていない可能性があります。どのような提案をしているか、見せてください」

このように、目標未達成の部下がいたときは、原因の追求をする過程で、どうすれば良かったのかを気づかせるのです。

④ あなたの会社では、社員1人ひとりの目標が明確になっているでしょうか。

「1人ひとりの目標が不明確である」

 個人の目標が設定されていない状態とは、目的地が分からないまま、「とりあえずその辺を走っておけ」と言われるようなものです。終わりが分かっていなければ社員は集中力を維持することができません。したがってパフォーマンスも上がりません。たとえば、「今日中に10キロメートル先にある競技場まで走りなさい」といった明確な指示であるべきです。

 さらに、目標が曖昧なまま一生懸命仕事をしても、社員は会社のためになっているかどうかは分かりません。結果が出てから、上司に「こんな結果は求めていない」と冷たくあしらわれたら、社員はその間ムダ働きを強いられたことになりますし、これからどうやって評価を獲得すれば良いか迷ってしまいます。

 評価の獲得は収入(査定)に直結するため、このような扱いを受けた社員は「この会社にいても収入を増やす方法が見えないから離職しよう」と思うはずです。

⑤ リセットされるタイミングが大事

最後の特徴は、「意識上の区切りが不在である」ことです。区切りの不在は集中力の低下を招きます。

ここでの「区切り」とは、上司が部下に目標を設定し、期限が来た段階でその振り返りを行い、次の目標を設定するまでの流れを指します。簡単に言えば、上司による管理こそが区切りなのです。

 4つ目で、目標がはっきりしていれば集中力が増すと述べました。区切り、すなわち終わりが見えていることにも同じ効果があります。「今週末までに終わらせよう」とか「年末までは頑張ってみよう」と考えると、大変な仕事に向き合おうという気持ちが湧いてきた経験はあるでしょう。それと同じです。

 我々は、1週間に一度の会議を推奨しています。うまくいかないことが続くと、「会社を辞めたい」という気持ちを起こしてしまいがちですが、毎週集中力の低下がリセットされることで、頭を切り替えやすくするのです。

 ただし、目標を決めたら上司はできるだけ部下のやり方に口を出さないようにしましょう。目標をどう達成するかは、部下に任せ、部下が自分で分からないときにだけ指摘するようにします。こうすれば、部下は与えられた権限の中で自由になれるのです。

① 成長感が望めない現場:自分の部門、会社自体の5年後10年後のビジネスが成長しているか。  
 自分もその中に入っているかの実感が必要ですね。
② 社員の所属意識が薄い:経営理念・ビジョンが納得でき、社長や幹部に尊敬できるところが
 あり、同期とも仲が良い環境があれば、所属意識を持つようになります。
③ 感情的マネジメントの横行はパワハラになり、絶対にしてはならないです。
④ 1人ひとりの目標が不明確:会社がきちんとした経営計画と個人の人生目標などをすり合わ
 せしていればよいです。毎週、毎月15分の個人面談を必ずしましょう。
⑤ 区切りの不在:一週間に一度、会議などでリセットしていくことです。毎週、毎月15分個人   
 面談を必ずしましょう。人材不足、倒産、成長ストップにならないように実践していきましょう。