TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社

100年企業創り通信

100年企業創り通信 vol.17

2020.12.11 Fri

サラリーマンの副業・兼業促進 ガイドラインのチェックポイント

副業解禁の波はまだ緩やか

総務省の調査によると副業・兼業を希望する者は年々増加傾向にあります。その理由は、収入を増やしたい、1つの仕事だけでは生活できない等の経済的なことから、自分が活躍できる場や様々な分野の人脈を広げたい、スキルアップのため等、多様です。

しかし、2014年の調査では、国内の80パーセント以上の企業が、社員の副業・兼業を認めていなかったようです。

企業にとっては、自社での業務が疎かになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること等の懸念や、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取扱いのルールが分かりにくい等の様々なハードルがあるために、制度の導入には慎重にならざるを得ない様子が伺えます。

「働き方改革」で副業・兼業を推進の動き

政府は現在、起業の手段として有効で、地方創生に資する面があり、社会全体としての利益に繋がることが期待できる副業・兼業を、普及促進する方針をとっています。

そこで、企業にとっての課題を踏まえ、現行の法令のもとでどのような事項に留意すべきかをまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を示しています。

ガイドライン改定でルールがより詳しく

令和2年9月、本ガイドラインが改定され、労働時間の通算安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務等についての記述が新設されています。

注目すべきは、労働時間の通算管理に関する事項です。長時間労働や健康被害を防ぐため、企業は労働者からの自己申告により副業で働いた時間を把握し、本業と副業労働時間を通算して労務管理を行うとしています。

また労働時間管理については、簡便な方法として「管理モデル」が示されており、このモデルに従えば、使用者は副業・兼業をしている社員をあらかじめ設定した労働時間の範囲内で労働させる限り、副業先の使用者の下での労働時間を把握しなくても、労基法を遵守することが可能となります。

国の指針や裁判例からみても、時代の流れは、副業・兼業を企業が認める方向に向かいそうです。ニューノーマルが求められる時代です。ガイドラインを見てみるのもよいでしょう。

コロナ禍の忘年会 企業や社員が気にすることは?

今年も忘年会や新年会の季節がやってきました。例年であればメンバーに声をかけて日程を決めたり、場所の選定等ということがある時期でしょうが、そのようなイベント自体考えることもなく年末になってしまったという企業もあるでしょう。今年は感染症拡大により例年通りにはならないでしょう。日本フードデリバリーが「ウィズコロナ時代における忘年会」と称して意識調査した結果が発表されています。

重視すべきことは

「忘年会の参加によって新型コロナウイルスへの感染リスクが高まると思うか」という問いには「高まる」「どちらかといえば高まる」と答えた人が94.9%になりました。

「今年忘年会が開催された場合参加したいか?」という問いには「参加したくない」「どちらかといえばしたくない」を合わせると61.5%となり、従来の忘年会の様式では感染リスクが高まると考えていることがうかがえます。

忘年会で重視すべきことは「感染防止を行っている」75.7%が最多となりました。

もし開催するならどのようにすることが望ましいかの問いに対しては、

・開催する場所は感染防止対策がきちんとされている「飲食店」か「オフィス」を希望する人が多く、

・時間の長さも「2時間未満」が望ましい

・時間帯は就業時間内と終業時間後を望む人がほぼ半々でした。

見送る企業は多い

ニュースにも載っていましたが、今年は忘年会開催なしと回答した企業は9割に上っています。

小規模単位で開催したり、オンラインでの忘年会・新年会の開催も宣伝されているので、そのようなものを利用しておこなうところもあるかもしれません。

11月上旬の調査では今年は在宅勤務が増えたため職場の飲み会に「全く行っていない」人は7割にも上るということですが、「感染より周囲の目が気になる」という人も若い人を中心に2割います(つなぐ働き方研究所調べ)。社内コミュニケーションとしてのイベントがなくなるのはさみしい面もあります。年末の風物詩の景色も様変わりしますね。

保険料控除証明書を電子データで取得する方法

政府の旗振りで年末調整もオール電子化?

平成30年度税制改正により、令和2年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先へ電子データにより提供できるよう手当されたことなどを受けて、年末調整手続の電子化に向けた施策が実施されています。

たしかに、電子化されれば、従業員は控除証明書等をデータで取得し、保険料控除等申告書もデータで作成して自動計算され間違いがなくなる、勤務先においてもデータをもとに年税額を自動計算し、データの紙保管も不要となる等、良いことずくめです。はたして、現状はどうでしょうか?

保険会社側の電子データ提供の状況(8社)

11月末日の時点で、保険会社からの保険料控除証明書の電子提供は、8社から行われています。9月23日現在42社ある保険会社のうちの8社ですから、大手で提供があるとはいえ、まだまだカバーできていません。加入する保険会社が未対応ですと、後述する他の準備は万全でも、電子データでの資料準備はかなわないことになります。

従業員側の電子データ取得の環境準備

保険会社から控除証明書を電子データで受け取るには、政府が運営するオンラインサービスであるマイナポータルを使わなければなりません。手順は下記の通りです。

(1)マイナンバーカードの取得

マイナポータル利用のためには、マイナンバーカードの取得が必須です。顔写真を撮影し、交付申請をして、市区町村が交付通知書を発送するまで、概ね1か月程度かかっており、ここが一番のハードルかもしれません。特別定額給付金(10万円)申請等ですでにマイナンバーカードを取得済みの方は、すぐに(2)に着手できます。

(2)マイナポータルの利用

他のサイトをマイナポータルと一体的に使えるようになる「もっとつながる」から、「e-私書箱(野村総合研究所)」とつながり、「つながる」サービスで、保険会社から保険料控除証明書の電子データを入手できるようになります。自身が加入している保険会社の対応が終わっていれば、いままでのはがき等の紙の証明書から電子データに移行できます(勤務先での電子対応が大前提)。

少し前まで、国が、キャッシュレス化推進やマイナンバーカード取得とマイナポータル利用促進のキャンペーンを行っていましたので、環境が整っている方は意外と多いかもしれません。踏み出してみましょう。

清算事業年度の消費税申告

会社が解散した場合の法人税の申告

コロナ禍での売上減少から回復できず、この際思い切って会社を畳むことを経営者(株主)が決断すると、会社清算となります。

まずは臨時株主総会で解散決議がなされます。解散後、解散の日までの期間を1事業年度として、解散の日から2か月以内に解散事業年度確定申告書の提出です。残余財産が確定するまでは、清算事業年度確定申告書を同様に事業年度末から2か月以内に提出します。残余財産が確定すると、残余財産確定申告書を残余財産確定の日から1か月以内の申告となります。

会社解散の消費税の申告(解散事業年度)

消費税の申告は、課税期間ごとに、その課税期間の末日から2か月以内の提出です。課税期間は、法人税の事業年度に従うため、解散すると法人税のみなし事業年度に合わせ申告期間もそれに応じることとなります。

事業年度開始の日から売上ゼロということはないでしょうから、解散の日までは従来通り消費税計算をして申告・納付します。

会社解散の消費税の申告(清算事業年度)

会社解散後には営業活動はできません。そのため、通常の売上にかかる課税売上は発生しません。しかしながら、会社の資産売却などにより、課税売上が発生する場合もあります。消費税申告は、課税売上の有無により、申告書の内容と提出の要否が変わってきます。

(1)課税売上が発生しない場合

消費税法の申告規定で、「課税売上がなく」かつ「納付税額がない」場合は、申告書の提出義務はないとされています。一方、仕入税額控除が過大の場合、還付申告書を提出できるとも規定されています。

清算期間中も、事務所家賃や清算手続きのための司法書士・税理士費用が発生し、これらにも消費税が付加されています。

こうした費用は、課税資産の譲渡等のみに要する費用とその他の資産の譲渡等のみに要する費用の両方に共通して要するものとなり、課税売上割合で按分して仕入税額控除金額が計算されることになります。

課税売上割合がゼロ%のため、仕入税額控除できる金額もゼロとなり還付金額は発生しません。また一方で、「課税売上がなく」かつ「納付税額がない」ため、申告書の提出義務はないものとなります。

(2) 課税売上が発生する場合

課税売上が発生していた場合には、課税売上割合に応じ、還付申告書の提出ができるか申告納税が発生することになります。

「多様な正社員」の普及促進

多様な働き方による人材活用を

「令和2年版厚生労働白書(令和2年10月発行)」では政策課題への対応として労働環境の整備があげられていますが、その施策の一つに「多様な正社員等」の普及促進があります。この「多様な正社員等」は、ワークライフバランスや非正規社員の待遇が問題となる中で、企業の新たな人材活用の考え方として注目されています。

いわゆる従来型の正社員と比べ、配置転換や転勤、仕事内容や勤務時間などの範囲が限定されている正社員を意味し、たとえば、以下のような働き方の社員が想定されています。

・勤務地限定正社員:転勤するエリアが限定されていたり、転居を伴う転勤がなかったり、あるいは転勤が一切ない

・職務限定正社員:担当する職務内容や仕事の範囲が他の業務と明確に区別され、限定されている

・勤務時間限定正社員:所定労働時間がフルタイムではない、あるいは残業が免除されている

制度導入の効果

「多様な正社員」制度の導入によって企業側が得られる効果としては、社員個々の事情や考え方に応じた働き方を認めることで、優秀な人材の獲得や離職率の低下が考えられます。これからは、性別にかかわらず育児や介護など家庭の事情を抱える従業員が増えることが十分に想定され、企業側も対応を進めていく必要があります。

また、勤務地限定正社員によって地域との密着度があがり、より地域のニーズにあったサービスの提供や地元の顧客確保につながることが期待されます。

厚生労働省は、制度導入のためのオンラインセミナー(無料)も実施しています。(https://tayou-jinkatsu.mhlw.go.jp/seminar2020/index.html)

同一労働同一賃金や、非正規社員の無期雇用化など、これまでの人材管理では対応できない状況になっています。改めて、従業員の働き方と人材活用のあり方について、考える機会とされてはいかがでしょうか。

キャリアアップ助成金の「正社員化コース」では制度導入による加算もあります。(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000616643.pdf)