藤間秋男のブログ

事業承継の第一歩は遺言と家訓にあり!

2020.12.16 Wed

 

私の拙著「成功する事業承継」より今日から100年企業にするためのエッセンスをお届けします。

譲る者の心得とは

今日は遺言と家訓についてお話させていただこうと思います。

先ずは譲る者の心得として、後継者に譲る前に遺言書を書き、家訓を作りましょう。

中小企業の場合、社長が株の大半を持つことで安定的な経営が行えます。しかし、相続によって持ち株がバラバラになる可能性があります。そうなると、安定的な経営は望めません。

そうならないように、社長は株が後継者に集まるように遺言を書くと同時に、家訓を残すことが大切になります。

私の場合は、社長を市原という社員に譲る前に、37%の株を持ちました。それ以外の株は原価で今の役員に譲りました。議決権を37%しか持っていないので、ほかの役員が集まり決議すれば、みんなの決議になるようにしました。

株をバラバラに相続すると経営は上手くいかない

江戸時代の時代劇などで「たわけ者!」と言ったりしますが、この言葉は、代々いっぱい持っていた田んぼを同じように分けて小さく相続していくと、3代目くらいになるともらった田んぼでは食べていけないようになることを言います。

やはり、長男に継がせるなどして、きちんと残していくというのが重要だということです。

みなさんは「たわけ者」になっていないでしょうか?
株をバラバラにしていないでしょうか?

長男が社長であるとしたならば、長男が株を67%持っていなければなりません。3分の2持つことが大切です。

もし、兄弟で3分の2持っていた場合、1人の兄弟が反対したら特別決議が出来なくなります。

ですから、株はバラバラにしてはいけません。社長が社長でいられるのは株を多く持っているからです。もし、自分の持つ株が少なかったら、大株主に気を使って、大胆な経営は出来ません。

安定的な経営のためには遺言を書く

会社発展のための経営が出来るように、将来の社長に株を渡す。それが遺言なんです。私の場合も、何かあったら、今ある株は社員に譲るという遺言を書いています。

もし今、遺言を書かずに私に何かあったら、株は家族に行きます。もしそこで、家族が額面で譲ることに反対して、ほかのところに譲りたいと言い出したら、ほかの会社の物になってしまいます。
このような不安定な経営をしてはいけません。ですので、必ず株の遺言は書きましょう。

揉め事を起こさないために遺言を書く

まずは株の遺言を書きます。それ以外のことも遺言を書くと、兄弟での争いもなくなります。そういう意味でも遺言を書くということは大切です。

この間、とんでもない事例を見ました。遺言がなく、話し合いで決めた姉妹がいました。父親のJALのマイレージも相続できることが分かったのですが、妹が姉に言わずに勝手に使ってしまったらしいのです。それが元で大喧嘩になり、断絶状態になってしまったそうです。

遺言を書いていれば、こういった揉め事はおこりません。遺言を書くときに、その他の財産は兄弟で均等に分けると大体は書きます。そうしたら、この場合マイレージを勝手に使った妹が悪いとなります。ですが、遺言を書いていないとこういった事例で揉めるわけです。

家訓は創業者の想いを伝える大切な手段

家訓も大切です。家族仲よくしよう。TOMAコンサルタンツグループで仲よくしようという家訓を作っています。37%の株しか持っていないので、今は私の会社ではないですが、私が創業者ですから、「TOMAコンサルタンツグループを大切にしてほしい」と思っています。

ですから、遺言にも書きますし、一族が幸せになるように、兄弟仲良くといったことを家訓にも残しています。

私どもは何百という遺言と家訓をお作りさせて頂いております。このようなことを我々もお手伝いしておりますので、ぜひ遺言と家訓を書いていただきたいと思います。

私は遺言に色々と付言事項を書いています。付言事項に効果はありません、ですが「兄弟仲良くしてほしい」「TOMAコンサルタンツグループに何かあったら手伝って、有効に対処してほしい」といった先代の想いを残しています。

末代まで仲良く、それぞれが繁栄するような先代の想いがこもった遺言と家訓を作って頂きたいと思います。

まとめ
・譲る者の心得として遺言書、家訓を作る
・遺言で後継者に株を託す
・一族や兄弟で揉めないためにも遺言は大事
・家訓では創業者の想いを伝える

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