100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート vol.341 2026.11月号

2026.10.31 Sat

赤文字:藤間のコメント
黒太文字:引用

運をつかんで皆で幸せになりましょう

昔、一人の青年が松下幸之助氏に質問した。
「経営者にとって大事なことは何ですか」
「それは運が強いことです」
その答えに飽き足らなかったのだろう、青年はさらに質問した。
「では運を強くするにはどうすればいいですか」
「それは徳を積むことです」
当意即妙の問答は、松下氏が常に運と徳について考えていた人であったことを物語っている。
(中略)
第一の条件は「与えられた環境の中で運命を呪ったり、不平不満を言ったりせず、 最高最善の努力を
する」ということである。
こういう姿勢を十年二十年三十年と続けている人に徳は身についてくる。不平不満、愚痴をいってい
る人に運はついてこないし、まして徳が培われてくることはない。これは多くの人の人生が実証して
いることである。
第二条件は「自反尽己」である。
自反とは人に向ける指を自分に向けること。 尽己とは、全力を尽くすこと。何事も人のせいにする
人に運はめぐってこない。「うまくいった時は人のおかげ。失敗した時は自分の責任」と考えるのは、
すべての成功者に共通した精神的傾向である。何事も自分の責任と捉え、何事にも全力を尽くす。 そ
ういう人は運に愛され、徳も養われてくるのである。心したい。
第三条件は「立場にあぐらをかかない」こと。
地位や役割は社会の発展に資するために与えられたのだから、そんなところであぐらをかいていいわ
けがない、と松下幸之助氏は立場にあぐらをかくことを厳しく戒めている。
イエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏はいつも笑顔を絶やさない人だったが、その鍵山さんにこん
な言葉がある。
「私の笑顔は外向けです。私は笑顔でいるのが普通ではありません。なぜなら私はもともと不愛想で
無口な人間だからです。私が笑顔をつくるというのは意識して、努力しなければできないことなので
す。私は“無口だから”とか“短気だから”とか、“私は大ざっぱだから”とかへらへらして、自分
の性格をいつまでも直さない人、そいう人は大人とはいえません。単なる幼児性が抜けない、身勝
手な人間だと思います」
立場のみならず、性格にあぐらをかくことは徳を損ねる道であり、運命に見放される道であると肝に
銘じたい。
(中略)
最初から徳のある人はいない。先に述べたようなことを何度も何度も繰り返し、心を磨いていくこと
で、その人は徳のある人になり、よき運命もそこに招来するということを先聖は一様に説いてやまな
い。実践躬行あるのみである。
最後に再度、松下幸之助氏の言葉。
「運命は外からやってくるのではない。自分の心の中で毎日育っているのだ。
毎日がつまらない時、それは自分がつまらない人間になっているからかもしれない。
人生をむなしく感じる時、それは自分が空っぽになっているからかもしれない。
人生にうんざりした時、 人生のほうが君にうんざりしたと言っているのかもしれない」
何が運命を育てているのか。心構えである。どういう心構えで生きているか。それが運命を決める。
運をつかみ徳を育てる要諦はこの一点にあることを私たちは忘れてはならない。

致知 特集『運をつかむ』 致知出版社 2026 年10月号

運をつかむには、
① 常に最大限の努力を惜しまず、不平不満を言わない。
② 何事も他人のせいにせず、すべて自責と考える。
③ 立場や地位にあぐらをかかず、常に謙虚な姿勢を忘れない。
そして、私がもう一つ大切にしているのが「笑顔」です。つらい時、悲しい時も笑顔
を忘れないことが大切です。私は今年の10 月1 日から「笑顔バッジ」を常に身につけ、
笑顔を絶やさないように心がけています。どこかの総理大臣も、笑顔の努力をしてい
ますよね。笑顔は周囲を明るくし、人とのご縁を育み、やがて運を引き寄せる力にな
ると信じています。社内・社外で「笑顔」運動をしてみませんか!