100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート
vol.293 2022.10月号

2022.09.27 Tue

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1. 人生を拓く「絶対肯定」の思想

理念と経営2022年5月人間を磨く多摩大学大学院・名誉教授田坂塾・塾長田坂広志より抜粋

① ポジティブ思考が難しい本当の理由
我々は誰もが、過去の人生において、家庭内の問題、受験の失敗、就職での挫折、職場での人間関係の軋轢など、多くの「ネガティブな体験」を持っている。それらの体験が「ネガティブな想念」として、心の奥深くに沈積しているからである。
もし我々が、良い運気を引き寄せたいと思うならば、心の中のネガティブな想念を消していくことこそが必要なのである。
② ネガティブな想念を消すために、成功と失敗、達成と挫折など、「二項対立」の思考から「絶対肯定」の思想へ
我々の人生においては、しばしば、幸運は「不運な出来事」の姿をして訪れるからである。
そして、この「すべてを受け容れ、肯定する」という思想には、さらに深い世界がある。
ユダヤ人強制収容所に投獄され、奇跡的に生還したヴィクトール・フランクルは、後年、『それでも人生にイエスと言う』という著書を遺している。

③ 一つの極限の覚悟がある。
自分の人生が、いかに逆境や挫折に満ちたものであっても、それでも、それは。自分だけに与えられた、かけがえの無い人生。その人生のすべてを肯定し、そのすべてを愛するという覚悟である。
そして、もし我々が、その覚悟を定め、自分の人生を本当に愛することができたならば、そのとき、人生を二つの価値に分ける言葉、幸運と不運、成功と失敗といった言葉も、自然に消えていく。
そして、そのとき、目の前の人生の一瞬一瞬が。静かに輝き始める。

すべての経営者・経営幹部は、覚悟(極限の覚悟)が絶対に必要で、それが言い訳によってできない理由を言ってあきらめてしまう人が多い。あきらめない人が成功者で、社員とその家族の幸せ、地球の幸せを創る人なのです。

2. 『生きている会社、死んでいる会社』

TOPPOINT APR2018 in brief 『生きている会社、死んでいる会社』遠藤功著(東洋経済新報社)より抜粋

① 生きている会社であり続けるためのカギは、古いものが新しいものに次々と入れ替わる「新陳代謝」にある。企業が創造を継続的に行う上で不可欠なものだ。新陳代謝こそが、会社の「老化」を防ぐ。
② 生きている会社になるための条件は、次の3つである。
a) 「熱」(ほとばしる情熱)
b) 「理」(徹底した理詰め)
c) 「情」(社員たちの心の充足)
③ 近視眼的な合理性一辺倒の経営者が率いる会社に限って、やがて苦境に陥る。実は、経営において情を重視することは、最も合理的であり、理にかなった成功への近道である。
④ 生きてる会社をつくるためには、全社員が次の「10の基本原則」を常に念頭に置く必要がある。
a) 代謝のメカニズムを埋め込む
「基準」を明確にし、「いる」「いらない」の判断をしていく。「3年連続で赤字」という明確な基準があれば、ぶれない判断ができる。
b) 「ありたい姿」をぶち上げる
経営トップが未来の「ありたい姿」を熱く語り、理想を掲げることからすべては始まる。物事を常に前向きに捉えようとする姿勢のことだ。

c) 骨太かつシンプルな「大戦略」を定める
大戦略とは、ありたい姿を実現するために、具体的に何を柱にするかという経営の大きな意思だ。
中外製薬は「私たちが目指す『トップ製薬企業」とは、ファーストインクラス、ベストインクラスの革新的な医薬品とサービスに拘り・・・」と打ち出している。これこそが中外製薬の大戦略である。
㋑ファーストインクラス
(新規性・有用性が高く、これまでの治療体系を大幅に変えうる独創的な医薬品)
㋺ベストインクラス
(既存薬に対して明確な優位性を持つ医薬品)
つまり、中外製薬は「革新的創薬」にこだわっているのだ。できそうもない薬―この言葉こそ、社員たちを鼓舞し、のめり込ませる骨太の軸なのである。
d) 「必死のコミュニケーション」に努める
経営において真に必要なのは、「共有された理念」「共有されたビジョン」である。「共有された」という状況をつくる唯一の方法は、「これでもか」というほど密なコミュニケーションに努めることしかない。生きている会社になろうと思えば、経営トップ自らが「必死のコミュニケ―ション」を率先垂範して見せなければならない。伝えるのは情報ではない。「熱」である。
e) オルガナイズ・スモール
生きている会社であろうとするならば、忘れてはいけない組織の要諦がある。それは、「小さなチームをたくさんつくる」ことだ。生きている会社は、チーム単位で仕事をする。どんなに有能な人間でも、1人でできることには限りがある。個々の力を足し合わせ、補完し合えば、よりよい仕事、より大きな仕事ができる。
f) 「実験カンパニー」になる
g) 「言える化」を大切にする
h) みんなでよい「空気」をつくる
i) 管理を最小化する
J) リスペクトを忘れない

結論は、社⾧がこの方針をどんどん革新し、社員に語りつくすことである。
この逆は死んでいる会社。社員に夢と希望がない会社ですね。すべて社⾧の実践力につきます!

3.  口に出すと前向きになる言葉

繰り返し口に出すと前向きになる言葉Twitter たぐち@taguchi_h(たぐちひさと)より

・ありがとう
・生きているだけで丸儲け
・うまくいかなくて当たり前
・きっと明日はいい日になる
・今日が一番若い
・曇り空の向こうは青空
・死ぬこと以外かすり傷
・心配事の9割は起こらない
・大丈夫
・辛いのは自分だけではない
・何とかなる
・ピンチはチャンス
・やまない雨はない
・やればれきる

朝、毎日読み合わせしませんか?
特に、「心配事の9割は起こらない」これ、いい言葉ですね。

4. 松翁論語(経営編)

「レジメより松下幸之助に学ぶ経営の神髄と実践」(主催マネジメント協会東京江口会WEBセミナー江口克彦先生2022.7.13)

正しい熱意のあるところ、必ず経営成功の道がひらけてくる。熱意は成功へのハシゴである。
a) 松下幸之助の成功の法則=(熱意×誠意×素直)+反省+実行
【参考】稲盛和夫の成功の法則=考え方×熱意×能力
考え方にはプラスとマイナスがある。
b) 能力は60点でいい。熱意が100点であれば、能力は伸びる。熱意がないと、能力が80点でも、そこから伸びないばかりか、むしろ、減退していくだろう。(松下幸之助)

松下幸之助の考え方です。