明るく楽しく元気前向き情熱ありがとう通信
2022.08.29 Mon
皆さんにお話をしたいのは、青年の時は矢のごとく過ぎやすいということです。
あっというまに、5年、10年はたちます。
私自身も本年満69歳になるわけです。
昔であれば70歳ですから、もうおじいさんです。
この過ぎ去ったあとを振り返りますと、一瞬の間であったように感じます。
昔の人は「光陰矢の如し」といっていますね。
年の立つのは矢のごとく早いものだ、ということをいっております。
考えてみれば、確かに私はそうだと思います。
私、自分自ら顧みまして、いつのまに年を取ったのだろうな。
もういっぺん、皆さんのように若返ってみたいなと思うんです。
しかし、こればかりはどうもしかたがない。
若返ることはいかに神様に願っても、またどれだけお金を出しても、これはもとのとおりにはしてくれない。
ということは、皆さんは私にないものを、私がもてないものをもっているということですね、早く言えば。
それは皆さんの若さです。
これだけでも偉いものだと思うのです。
どんなに私が諸君と競争しても、これには勝てませんね、残念ながら・・・
その若さを諸君はどの程度意識しているかが問題です。
若いから乱暴せよというのではありません。
若さの尊さというものをかみしめて、それをさらに有効に生かしていくということが、私は大事だろうと思います。
そういうことを考えてみますと、年月というのはあっというまにたつのでありますから、若い今が一番大事だと思うのです。
(松下幸之助 著『人生と仕事について知っていてほしいこと』)