100年企業創り通信
2022.08.19 Fri
令和4年度税制改正において、令和5年分以後の「財産債務調書」の提出義務者・提出期限などについての見直しが行われました。
財産債務調書は、
① その年分退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超える方
② ①の方の中でその年の12月31日において、合計額が3億円以上の財産又は1億円以上の有価証券や未決済信用取引等の国外転出特例対象財産を有している方
③ または、その年の12月31日において、10億円以上の財産を有する方
が提出義務者となっている、財産の種別や数量、価格等を税務署に知らせるものです。
③については令和4年度税制改正において追加された事項になります。
提出期限については翌年の3月15日が6月30日へ延長されました。また、記載を簡略化できる範囲が拡大されたものがあります。
家庭用動産については改正前は取得価格が100万円未満の場合、記載を省略できましたが、改正後は300万円未満に拡大されました。
事業用の未収入金や事業の用に供する未払金等は、100万円未満であれば件数や総額で記載してよいとなっていたものが、改正後は300万円未満となりました。
預入高が50万円未満の預貯金口座については、預入高の記載を省略可能になりましたが、その場合は備考欄等に口座番号の記載が必要です。
財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、調書に記載がある財産債務に関して、所得税等・相続税の申告漏れが生じた場合、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%軽減されます。
逆に、調書を提出期限内に提出しなかった場合や、提出された調書に記載すべき財産債務の記載がない場合、所得税等の申告漏れが生じた時は、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%加重されます。
この間のコロナ騒動で、予定していた出張が急遽中止となったり、セミナー等の企画が中止となることが頻繁にあったのではないでしょうか? 出張などでは飛行機や新幹線、ホテルなどの予約のキャンセルや、セミナーなどでは会場のキャンセル等キャンセル料が発生したケースも多々あったのではないかと思われます。まだコロナ騒動は続きそうですので、キャンセル料と消費税の取扱いについてまとめてみました。
実は、いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、その解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとの2つがあります。このどちらに該当するのかによって消費税の取扱いが異なってきます。前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行う役務の提供の対価ですから消費税は課税の対象となります。
一方、後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補填金ですから、資産の譲渡等の対価に該当せず消費税は不課税取引となります。例えば、航空運賃のキャンセル料などで、払戻し時期に関係なく一定額を支払うこととされている部分の金額は、解約に伴う事務手数料に該当し課税の対象となりますが、搭乗日前の一定日以降に解約した場合に支払う割増しの違約金部分は課税の対象とはなりません。
キャンセル料の性格の区別がされていないで一括して授受することとしているときには、その全体を資産の譲渡等の対価に該当しないものとして、全額を不課税取引として取り扱うこととされています。
インボイス制度が導入されれば、こういったことはなくなるかもしれません。
2022年6月時点で在宅勤務を実施していると回答した企業は29.1%でした(東京商工リサーチ調査)。2021年10月時点の同じ質問の回答結果より8%低下しています。
内訳をみると大企業の57%に対して中小企業では約24%と大きな差となっています。
実施企業では約1割の従業員が実施している企業が大企業・中小企業とも最多となっています。
中小企業では「新型コロナ以降も、1度も実施していない」企業は48%もあるのが特徴です(大企業では約16%)。
現場仕事などでリモート勤務しにくい、設備投資が大変、導入にハードルがある等、理由は色々かと思いますが、そもそも半数近くは導入していませんでした。導入後「実施したが取りやめた」とする企業は企業規模にかかわらず約27%でした。この調査結果では取りやめの理由はわかりませんでしたが、在宅勤務での生産性や働いた評価等判断が難しい、コミュニケーションが不足する等の理由もあるでしょう。
コロナ禍で、業務のやり方を変えなくてはならなくなったことで否応なしにDX化が進んだ面もあるでしょう。ある意味で政府による働き方改革の取り組みを進めたとも言えるかもしれません。働き方改革に取り組むより、働く人々の意識を変えたかもしれないと言えます
新型コロナによる企業活動への影響は既に収束とする企業も一定程度は有り、求人をかけても人手が不足している所も出てきています。
今後もコロナ禍の時に行った業務改善、得られた効果を継続して行くことが労働環境の改善につながり、結果として人材確保等に有効に働くものと思います。
在宅勤務を始めてみて問題点や良い点等色々あったことでしょう。元に戻すにしても続けるにしても、その効果や課題について検証しておくことが今後の業務に活かされることでしょう。
コロナ禍もやや落ち着きつつある中、新規採用を行う企業も多いでしょう。
採用は面接時の内容がその場しのぎにならぬよう面接マニュアルを作成しておくとよいでしょう。そうすることで比較しやすく判断もつきやすい上、聞き取りの内容漏れなどもないでしょう。担当者が代わっても進められるので有効です。
質問事項はたくさんありますが、志望動機、自己PR、学生時代に力を入れてきたこと(新卒の場合)、退職理由などは、応募者はすでに回答を準備してきているでしょうから安心感を引き出せます。
1.はじめ……応募者の緊張をほぐすための簡易な質問(挨拶)、 ○○さんですか?
・簡単に自己紹介をお願いします
・筆記試験はうまくできましたか
・緊張はされていますか
・面接会場へは迷わず来られましたか
2.志望動機・就労意欲(適性・能力)
応募者がすでに回答を準備していることも有るでしょうがあえて答えてもらい、すでに用意をしてきたかその場で考えているのか、回答するまでの長さや表情で見て準備してきた場合は志望度も高いでしょう。
・なぜこの仕事(業界)に就職しようと思ったのですか
・なぜ、(複数の会社の中から)当社に応募したのですか
・当社でどのような仕事をしたいですか
・(仕事内容を説明した上で)この仕事を行えそうですか
・この仕事をする上で重要なことは何だと考えますか
・この仕事と同様の職務、役に立つ経験があればその内容を具体的に話してください。
・資格、特技を活かした業務経験があればどのようなことをしていましたか
・お客様や職場の同僚に物事をわかりやすく説明するために大切なことは何だと思いますか
・パソコンでの書類作成は得意ですか
・応募する職種についてはどのように考えていますか
形式的質問から具体的に応募者の人物像、仕事への意欲を掘り下げていく内容にシフトし本来の姿を知るようにしていきます。