TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社

100年企業創り通信

100年企業創り通信 vol.45

2021.07.02 Fri

不動産の付合に注意

例えば、お父さんの所有する自宅建物につき、同居する息子さんがリフォームや増改築を行った場合、所有権の法律関係や税金の取扱いはどうなるでしょうか。

所有権はどうなる?

お父さん世帯の居住スペースと息子さん世帯の居住スペースが完全に分離されている形態のリフォームであれば、区分所有登記をすることができます。しかし、そうでない場合は、リフォーム代を息子さんが負担していたとしても、リフォーム部分の所有権は自宅建物を所有するお父さんに帰属することとなります(民法242条)。これを不動産の付合といいます。

このため、息子さんはお父さんに対してリフォーム費用を請求することができます(民法248条)。

税務上の取扱い

もし、このリフォーム費用をお父さんに請求しなかった場合は、「その他の利益の享受」として、贈与があったものとみなされてしまいます(相続税法9条)。でも、お父さんは年金しか収入がなく、働き盛りの息子さんが費用を負担したい……そんな場合はどうすればいいでしょうか。

このような場合、自宅のリフォーム前に自宅の所有権の一部を息子さんに譲渡し、その後息子さんがリフォームを行う方法があります。そして、息子さんがお父さんに支払うべき譲渡代金と、リフォーム代のうちお父さんが負担すべき金額を相殺します。

例えば、リフォーム前の建物の時価が1000万円、リフォーム代が1000万円とした場合、リフォーム前に2分の1の持ち分を息子さんに譲渡します。こうすれば、息子さんが払うべき譲渡代金は建物時価1000万円☓1/2=500万円、お父さんが負担すべきリフォーム代はリフォーム代1000万円☓1/2=500万円となり、これらを相殺することにより贈与税の課税関係は生じないこととなります。

この事例は国税庁ホームページの「質疑応答事例」にも掲載されています。この場合、お父さんに譲渡所得が生じるデメリットがありますが、息子さんにはその他の要件を満たせば増改築の場合の住宅ローン控除を受けられる可能性が出てきます。

教育資金贈与の非課税

制度概要

教育資金の一括贈与制度は、直系尊属である父母、祖父母から子・孫に入学金・授業料など教育にかかる費用を非課税で贈与できる租税特別措置法の制度です。30歳未満の受贈者(前年分の合計所得金額1,000万円以下)を対象に1,500万円(学校等以外の者に支払われる費用は500万円)までの贈与が非課税になります。令和3年度は次の改正があり、令和5年3月31日まで2年間、延長されました。

管理残額に対する課税は強化された

贈与者が死亡した日までの贈与額(非課税拠出額)から教育資金に使用した金額(教育資金支出額)を控除した未使用分(管理残額)は、これまで贈与者の死亡前3年以内の贈与が相続税の課税対象となっていましたが、令和3年4月1日以降の贈与は、死亡の日までの年数にかかわらず、すべて相続税の課税対象となりました(受贈者が23歳未満である場合、学校等に在学している場合、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合を除きます)。さらに、孫への贈与は、配偶者および一親等の血族以外に適用される、相続税額の2割加算の対象となりました。

認可外保育施設も非課税の対象に

非課税の対象となる育児費用の範囲に、新たに1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設のうち、都道府県知事などから認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書を交付された施設に対する保育料の贈与も対象となりました。

非課税申告書の電子提出も可

取扱金融機関を経由して提出していた非課税申告書は、令和3年4月1日より電磁的方法により提出できるようになりました。

税調では非課税贈与制度の見直しを議論

教育資金、結婚・子育て資金、住宅資金の一括贈与制度は、金融資産を保有する高齢者世代の資産を若年層に移転し、経済の活性化を期待して創設されました。しかし、富裕層の財産が課税されないまま子・孫の世代に移転することは格差の固定化を助長するとして、政府税制調査会では廃止を含め、見直しが議論されています。

令和3年度改正で贈与者死亡時の管理残額に対する課税が強化されたのは、優遇措置の効果に対する批判が高まってきたこと、件数、贈与額が減少傾向にあり、一定の役割を果たしたことも背景にあるようです。

採用、最近のトレンド

採用の方法はいろいろ

採用の方法はそんなにないと思っていませんか。現代は多様なサービスを取り入れられる時代、どんな方法が自社に合うのか考えてみましょう。

①未経験者の採用は応募型の求人媒体が採用の可能性は高めですが、求人票は魅力的である必要があります。代行業者がライティングや写真撮影も行ってくれます。工数はかけないで、応募はあってもハイスキルの人材を求めた時は、欲しい人材の応募がないと工数がかかってしまい思うような人が採れません。

②人材紹介会社はハイスキルの方が欲しい場合、その分野の求人にはいいけれど紹介料が高額なのが難点です。

③有資格者やハイスキルの採用を求めるならスカウト型ダイレクトリクルーティングが有効です。会社側が欲しい人材に直接アプローチでき、返信が来て面談となったときは採用確率も高くマッチングもしやすいでしょう。ただ他の企業からのオファーもあることでしょうから、自社アピールの文面の工夫など工数がかかります。

最近のトレンド

④自社採用サイトは長期的にみると採用費は抑えられますがサイトに来てもらえる工夫が必要です。

⑤タレントプール採用とは、一度は採用を検討したが採用に至らなかった人をプールしてデータベースにし、定期的にコミュニケーションを取ながら次の求人案内を行うやり方です。

⑦リファラル(縁故)採用は社員の友人・知人を紹介してもらい選考することで、内定率や定着率の高さ、早期戦力化、採用コスト削減などメリットが多い手法です。

⑧SNS採用はこれから増えていくでしょう。WEB上に自社情報サイトを置き社長の人となりや会社や社員の雰囲気を伝えることで、応募する側も素早く情報を得ることができます。SNSは自社のファン作り、コミュニティ化ができるとタレントプール採用にもつながっていきます。

採用の方法はWEBが主流となってきた今、一度組織をどうしたいのか考えるよい機会ととらえ採用戦略も考えたいですね。

令和3年5月20日より 避難情報等が変わりました

避難勧告が廃止されました

令和3年5月に内閣府は避難情報に関するガイドラインを改訂し、今まで「避難勧告」「避難指示(緊急)」があった警報レベル4の分割をやめ、警報レベル4は避難指示に一括し、「警報レベル4までには必ず避難」という位置づけを行いました。

これは令和元年の台風19号等による災害の経験を踏まえ、「避難勧告」と「避難指示」の2つが存在していたものを、よりわかりやすく、避難を促しやすいものにするためです。

また、旧来警報レベル5の「災害発生情報」についても「緊急安全確保」という名称に改め、災害が発生している、又は切迫している状況に取るべき対応(避難よりも命を守る行動を優先する)を分かりやすくしました。

 

中小企業の防災・減災の事前対策へ

昨今では、企業の社会的責任(CSR)として防災・減災への取り組みが見られるようになりつつあります。そんな中、中小企業が行う防災・減災の事前対策を後押しするため、国は「事業継続力強化計画認定制度」を行っています。計画が認定されると、中小企業の防災・減災に対する設備が特別償却20%となる「防災・減災投資促進税制」は平成31年度税制改正で制定されました。この税制は

機械装置:自家発電機、排水ポンプ等は100万円以上

器具備品:制震・免震ラック、衛星電話等は30万円以上

建物附属設備:止水板、防火シャッター、排煙設備等は60万円以上

が、対象となります。

また、税制のほかにも認定を受けた企業に対する支援策として、自然災害等のリスクを踏まえた事前対策の実施には金融支援が受けられ、補助金の優先採択も行われるとのことです。

 

新型コロナウイルス感染症を鑑みる追記

令和2年10月からは、感染症等への対応が喫緊の課題であるとして、事業継続力強化認定制度の支援対象に「サイバー攻撃・感染症」も追加されました。

令和2年度第3次補正予算 事業承継・引継ぎ補助金

事業の目的

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業者等が事業承継、事業再編及び事業統合を契機として新たな取り組みや広報活動を行う事業について、その経費の一部を補助することにより、事業承継、事業再編及び事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的としています。本事業のうち、事業再編・事業統合に伴う中小企業者等の事業承継を契機とする新たな取り組み(設備投資、販路開拓等)や廃業に係る費用の一部を補助する事業として、本公募要領においては、「創業支援型」、「経営者交代型」及び「M&A型」の 3類型あります。

対象となる事業承継について

(1)創業支援型

廃業を予定している者等から有機的一体として機能する経営資源を引き継いで創業して間もない中小企業者等

(2)経営者交代型

事業承継を行う中小企業者等

(3)M&A型

事業再編・事業統合等を行う中小企業者等

※型によっては産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であることや、地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等の創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であることが要件に加わります。

補助対象者

中小企業基本法第2条に準じた中小企業者等で下記の要件を満たすもの

(1)日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者

(2)地域経済に貢献し、地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支える等、地域経済に貢献している者

(3)法令順守上の問題を抱えている中小企業者等でないこと等

補助上限額、補助率等

創業支援型と経営者交代型の上限が400万円で、M&A型が上限800万円。下限はいずれの型も100万円。補助率は補助対象経費の3分の2以内。