100年企業創り通信
2021.02.26 Fri
昨今、企業の制服導入は減っているようです。本来、髪型や服装等は個人の自由ですが仕事にふさわしい服装があります。
企業は、事業の円滑な運営・企業秩序を維持確保するために、服務規律で服装や制服着用を定めることができます。
例えば、機能性や安全面から必要な場合だけでなく、企業イメージの統一や連帯感の醸成のため、社員に会社指定のオフィスウェアの着用を義務付けることも可能です。
我が国のオフィスにおいて制服が着用され始めたのは、1960年代のことです。戦後すぐは衣服が高価で、汚さないようカバーをするため、自前の布などを用意していました。この頃、官公庁や規模の大きな企業を中心に、福利厚生の一環として男女の制服支給が始まっていたものの、まだ一般的ではありませんでした。
高度経済成長期に入り、働く女性が増えるとともに合成繊維の生産が進んだことで、女性の事務服に変化が現れ始めます。
銀行の女性行員に制服が導入されたのを皮切りに、ジャケットとスカートのスーツがオフィスウェアの定番となり、制服が企業のブランドイメージをも担うようになりました。
そして、1970年の大阪万博で大きな変革期が訪れます。制服を絶好の宣伝ツールと認識した企業は、コンパニオンに、各企業の打ち出したいイメージの制服を着用させました。流行中のミニスカートや丈の短いワンピースなど、ファッション性の高いオフィス服が話題となりました。
著名デザイナーの手がけたおしゃれで華やかなオフィス制服を、大手の航空会社等がこぞって取り入れ、大変な人気となりました。1980年代には女性社員自身が自ら着たい制服を選び決定するようになります。
しかし、1990年代のバブル崩壊にともなって、コスト削減の一環で一気に制服廃止の動きが進みました。
近年では、リーマンショックやクールビズ、直近ではコロナ禍によるテレワークの推進など、今後ますますオフィスウェアの需要は低下しそうです。
令和3年3月から、医療機関・薬局においてマイナンバーカードの健康保険証利用が開始されます。
既に、マイナンバーカードの健康保険証利用申込みが、令和2年8月から始まっていることをご存じでしょうか?
マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、事前に利用の申込みが必要です。具体的には、マイナンバーカードを準備した上で、下記①~③のいずれかの手続が必要となります。
①スマートフォンでの申込み
マイナンバーカード読み取り可能な機種で「マイナポータルAP」をインストールして「健康保険証利用申込」から申し込みます。
②パソコンでの申込み
パソコンとマイナンバーカード読み込みカードリーダーを用意して、「マイナポータル」トップページの「健康保険証利用の申込」から申し込みます。
③マイナポータル端末での申込み
自治体に設置されたマイナポータル端末から「マイナポータル」サイトにアクセスして申し込みます。
医療機関・薬局の受付に設置された顔認証付きカードリーダーで、本人確認と保険資格の確認が行われます。
高額医療費制度を利用する場合、「限度額適用認定証」の申請が不要となり、窓口での限度額を超える医療費の一時払いも不要となります。また、転職や結婚による新しい健康保険証の発行前でも受診可能になります。
さらに、確定申告の医療費控除もe-Taxとの連携で簡便になります。
マイナンバーカードを健康保険証として使うには、医療機関・薬局での顔認証付きカードリーダーの設置が前提ですが、令和5年3月までには概ね全ての医療機関・薬局で利用できるようになる見通しです。
健康保険証は将来的には廃止が検討されていますが、当面発行されます。
2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」が給付されます。2020年の持続化給付金は迅速な支給のため手続きが簡便化されたことで、申請書類の偽造が相次ぎました。その反省を踏まえ、今回は申請の流れが変わる様子です。
① 申請者は以下の書類を準備します。
●2019、2020年の確定申告書
●2019年から2021年対象月までの毎月の売上台帳等
●本人確認書類
●宣誓・同意書
●飲食店の営業許可証や取引飲食店の基本情報、対面で事業を行っていることを確認できる書類
②上記書類を事業確認機関に確認してもらい、事業確認通知(番号)を受領
③ 一時支援金事務局に申請
一時支援金を誤って受給してしまうことを防ぐため、申請予定者は事業確認機関とテレビ会議又は対面で事業を実施していることと、一時支援金の給付対象等を正しく理解しているか等を確認し、問題がなければ事業確認通知(番号)を発行してもらいます。
※日頃から事業状況を把握している会員・顧問先等の事業者について、一時支給金の目的を正しく理解していることのみの確認だけで構いません。ただしその場合は、事後的に会員契約・顧問契約等を確認する場合があります。
①認定経営革新等支援機関
中小企業等経営強化法に基づき認定を受けた税理士、中小企業診断士、行政書士など
②認定経営革新等支援機関に準ずる機関
商工会、商工会議所、農業協同組合など
③上記を除く機関又は資格を有する者
税理士、税理士法人、中小企業診断士、公認会計士、監査法人
※一時支援金事務局に登録されている必要があります。
コロナ禍においてこれまでと同じ人件費を抱えきれなくなった企業が、人手不足の企業に従業員を出向させる動きがあります。航空業界からコールセンター業界へ、あるいは飲食業界から小売業界への出向など話題になっていますが、この「従業員シェア」を支援するための助成金が新設されました。
支援の対象となるのは、新型コロナウィルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主で、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合となります。
主な要件としては、
・出向期間終了後は元の企業に戻って働くことを前提としていること
・出向元と出向先が親子関係にないなど、独立性のある関係であること
・出向先で別の人を離職させるなど、玉突き出向を行っていないこと
・出向者は雇用保険被保険者であること
などがあります。
受給額は、賃金、教育訓練および労務管理に関する調整経費などの一部であり、以下の条件で計算されます。
・出向元が解雇などを行っていない場合
中小企業9/10、中小企業以外3/4
・出向元が解雇などを行っている場合
中小企業4/5、中小企業以外2/3
12,000円/日を上限(出向元・出向先の合計)とし、出向初期経費も別途10万円/1人が助成されます。対象期間は、令和3年1月1日以降、申請先は都道府県労働局やハローワークです。
出向の人材マッチングについては、(公財)産業雇用安定センターのほか、各自治体で取り組んでいる場合もあります。詳細は、「産業雇用安定助成金ガイドブック」で確認してみましょう。(→https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000735077.pdf)
まずは雇用維持の優先度が高いと思われますが、これまでとまったく異なる業界への出向は、従業員への大きな負担となる可能性もあります。教育訓練などのサポートやストレス軽減の施策について、出向先と出向元の連携が期待されます。