藤間秋男のブログ

事業承継にこの一手!婿養子で会社を残す方法

2021.01.15 Fri

 

こんにちは!藤間秋男です。私の拙著「永続企業の創り方10ケ条」より、永続企業にしていくための、これから皆さんの会社を100年企業にするためのエッセンスをお届けします。

子どもが継がずとも養子を見つけて継承している

日本に老舗企業が多い理由のひとつに「婿養子」という制度があります。これは、西欧はもちろん、東南アジアにも中国にも韓国にもあまり例がなく、日本にしかありません。

養子縁組制度は他国にもあり、アメリカでは盛んですが、その大半は、恵まれない子どもを裕福な家庭が養育するためのものです。

日本では年間養子縁組は7万5111件ありますが、未成年の場合、裁判所の許可が必要で、その許可数は907件に過ぎず、養子縁組の多くは婿養子であると考えられています。

日本では、武士の時代から家の存続が重視され、商家にとっては、家の存続=家業の存続でしたから、「婿養子」の存在なくして家業の存続もありえませんでした。そして、より確実な存続のために、江戸時代では、息子がいても、家を継ぐ能力が低いと見られたら、優秀な養子を取ることが当たり前となっていました。

それどころか、「息子は選べないが、女の子が生まれたら優秀な婿養子が取れる・選べる」と、女の子が生まれたら喜んで赤飯を炊いたという話もあるくらいです。船場などはそういうことを聞きます。実際、婿養子の経営者のときの方が、業績が伸びたという話はよくあります。

竹茗堂茶店の現社長も、「9代中3人がお婿さんで、そのお婿さんのときの方が店は大きくなっている。お婿さんはしがらみがないので、変わったことができるためです」と語っていました。

家族企業は非家族企業より業績が良い

実は、これを裏付ける論文が2003年にアメリカの金融専門誌Journal of Financelに発表されていました。家族企業と非家族企業では、どちらの業績が高いのかを、アメリカのS&P500社を対象にして分析したものです。

その結果、アメリカでは500社のうち約3分の1が家族企業であり、さらに家族企業の方が、非家族企業より会計の業績(ROA)でみても市場の評価でみても業績が高いというものでした。

米英を除くと、家族企業は世界中で代表的な企業形態であり、アメリカでも家族企業の数は少なくなく、業績が高いことが判明しています。

その後、世界中で家族企業の研究が活発になっていたそうです。大企業でも、家族企業や婿養子は有効であるということになり、日本では、スズキ自動車などは、婿養子で成功している好事例であると思います。

私どもTOMAグループも、私の曾祖父に子どもがいなかったので、藤間司法書士事務所に勤めていた中で、一番優秀な人間を養子に入れたんだそうです。それが私の祖父なんですが、祖父は小学校飛び級して上がるほど優秀だったそうです。そういう優秀な血が養子を迎えて藤間家に入ってきました。ちょっとその末裔はあんまり優秀ではないのですが。

ただ、今は昔と違い、例えば娘さんに「会社の一番能力のある人間と結婚しろ」と言っても、なかなかそういうのは難しい時代です。難しいけれど、婿養子をもらう可能性はすごくあると思いますし、色々と相談を受ける中で、婿養子さんがしっかり経営をしている例を多数見ております。

婿養子をもらって優秀な血を入れていく。違った血を入れていくということが非常に良いそうなんです。ですから、そういう意味ではこれからもこの婿養子、養子縁組、この制度を通じて、代を残していくという戦略が日本は多くあるし、長寿企業の一つの要因になっているということを、皆さんにご理解いただきたいし、我々もそのようなご指導を、これからもさせていただきたいと思います。

まとめ
・日本に老舗企業が多いのは「婿養子」制度があるから
・婿養子の経営者のときの方が業績が伸びた事例が多い
・アメリカのS&P500社のうち約3分の1が家族企業であり業績が高い

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