藤間秋男のブログ

【事業継続のコツ】「伝統」を守り「革新」を実施しよう

2021.01.08 Fri

 

私の拙著「永続企業の創り方10ケ条」より、永続企業にしていくための、みなさんの会社を100年企業にするためのエッセンスをお話しします。

老舗企業は伝統を守り、革新的に事業展開し会社が続いてきた

伝統を守りつつも革新を怠らない」これが老舗企業の条件だと思います。老舗企業は、伝統重視のイメージが強い傾向にありますが、伝統だけで100年以上継続してきたわけではありません。

老舗企業には、革新的なことに取り組むことを通して、その寿命を延ばしてきた側面があります。つまり、老舗企業は伝統と革新を両輪として経営してきたと言えます。

経営理念を大切にしつつ時代の流れを見極めてきた老舗企業

ようかんの「虎屋」は、経営理念はありますが、家訓はないそうです。これに対して17代目の黒川光博社長は、「家訓がないということは、何をやってもいい。時代を読んで自由にしっかりやれ」という意味だろうと解釈し、今の時代に何が求められているか、何をすべきかを見極め、商いを続けてきたそうです。

戦後、生き延びるために行った喫茶事業は、いまや虎屋にとって、時代の流れに対応した必要不可欠な事業になっています。

私も、フランスのパリにある虎屋カフェに行きましたが、喫茶形式といろんな和菓子を売っているコーナーと両方あります。喫茶室の方ではフランスの方がお茶を飲みながら和菓子を食べたりしているのを見て、すごいなと思いましたし、日本でも虎屋カフェが非常に流行ってるのも、伝統と格式だなと思います。

「山本海苔店」の山本徳治郎社長も、伝統と革新が長く続いてきた一番の理由だと語っていました。

ハローキティちゃんとコラボレーションしたり、海苔をつまみにしたり、様々なことをやられて革新しています。インドネシアに行った時も、売り場があったのを見れてよかったなと思います。

経営理念を軸に時代に合わせて事業展開する「コマ経営」

老舗企業の伝統と革新の経営を、コマ経営とした考え方があるので紹介しておきます。おもちゃのコマは軸を中心として、バランスを保ちながら回っています。

コマでいう軸に当たるのが、「家訓・経営理念・のれん」ということです。これはぶれてはいけません。時代がどのように変わろうとも経営者が代々受け継いでいくものです。

コマの軸の部分は、求心力を働かせるもので、家訓や理念で、社員の求心力を高めていきます。

周りの部分は、ダイナミックに事業を展開していくエネルギーで、時代とともに変えていくべき事業内容、販売方法、顧客などです。

一方コマの上の部分は遠心力を働かせる部分で、時代の変化に対応し適切なものに変えていくことが必要となります。

軸がしっかりしていて、上の部分に十分な遠心力が働いたときは、コマは安定してぐるぐると回り続けますが、遠心力が不足すると倒れてしまいます。

企業を末永く永続させていくには、このコマのようなイメージを持って経営に臨むことが重要と言えます。その意味では、「コマ経営」は、老舗企業の経営の極意と言えるかもしれません。

千疋屋さんがバブルの時に、多くの提案を受けたそうです。
不動産の土地を担保にいろんな物を買うと、3倍ぐらいの不動産になってくるといった話があった時に、彼のところの家訓が、「浮いた話に乗るな」ということで、浮いた話は一切乗らなかったそうです。

現在は、日本橋のご自分の開発のところで、一生懸命に町への貢献とともに自分の会社の成長を願って、素晴らしいビルを立てられているのを見て、浮いた話に乗らないという家訓も重要だと思います。

やはり伝統と革新の中でやっていくいうことが必要です。伝統というのはコマの芯で、革新というのはコマの周りの部分ということです。

「不易流行」とこれからの時代に必要なこと

さて「不易流行」も、「伝統と革新」と同じ意味で、老舗企業の経営者がよく口にする言葉です。行動規範として、日本酒醸造販売の豊島屋本店が揚げています。

また、鈴廣かまぼこの社是は「老舗にあって、老舗にあらず」というもので、やはり伝統と革新を意味しています。

いつの時代でも、大きな環境の変化はあるものですが、今の時代ほど、変化が激しく速い時代はなかったと思います。

特に、グローバル化とIT化、そして日本では少子化が顕著です。長年永続してきた老舗企業といえども、さらなる生き残りのために、これまで以上に積極的な革新が必要にな時代です。

基本的理念や家訓は変えずに、コマの軸の周りはいろんな革新をして生き残っていく。これが重要ですし、社員さんもそういう感覚で臨むということが大事です。

昔の守られた何かで動くのではなく、社員さんも同じように伝統と革新の気持ちを持ち続けていくことで会社は徐々に変化し、理念と家訓の枠を外れない限り、会社は続いていくと思っています。

まとめ
・老舗企業は伝統と革新を両輪として経営
・コマ経営とは経営理念を軸とし、コマの周りは時代の変化に対応し変えていくこと
・経営はコマのように軸と遠心力のバランスが大事
・今後はグローバル化やIT化に伴い更なる革新が必要
・社員も伝統と革新の気持ちを持ち続けることで会社は続いていく

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