藤間秋男のブログ
2020.12.14 Mon
弊社(TOMAコンサルタンツグループ株式会社)は市原社長にバトンタッチして2年半になります。
事業承継については圧倒的なセミナー量と相談量を経験しています。特に後継者をつくるということについては日本一だと自負してます。
事業承継の基本的な考え方は人間として、経営者として相続や事業承継で幸せになることです。
カレーハウスCoCo壱番屋の創業者の宗次さんも経営者としていちばんの幸せはなんだったかを尋ねられて
「安心して経営を任せられる、いい後継者に恵まれたことだ」と語っています。
事業承継の目的でまず大切なことは、家族が仲良く、幸せに暮らし続けられることです。財産が多いことが大切なわけではないんです。残された配偶者や子供や孫の代まで、憎しみ合うことなく仲良く暮らし続けることが出来ること。
これが譲る人にとっても、譲られる人にとっても幸せなことです。事業承継のことで兄弟仲が悪くなったら辛いと思います。そういった場合は一族外でやっていくという選択肢があります。
ただし、いまのトヨタ自動車のように何年かしたあと、一族の優秀な孫かひ孫に会社を継いでもらうという選択肢も出てきます。
事業承継の成功の鍵は相談相手にあります。特に相談相手がいないという人が一番多いですが、次が顧問税理士や公認会計士になっています。これは、利害がないからです。社内の役員や親族の場合は利害が出ます。
経営者仲間は利害はでませんね。ですが、銀行などの金融機関は手数料目的など利害が出ます。彼らにとっては銀行の存続が一番大事ですから。取引先とも利害が出ますし、コンサルタントの場合はM&Aをとりたいからという理由で相談相手になろうとします。
この中ではやはり、利害関係のない税理士、会計士は相談相手にいいのですが、税金に関する話から事業承継の話をする税理士があまりにも多いというのが問題です。
100年企業になるための、成長し続ける仕組みづくりというのは、人を作る仕組みづくり、後継者をつくる仕組みづくりです。後継者だけをつくっても上手くいきません。後継者につく幹部も一緒につくっていかないといけません。
弊社の場合、今日役員会がありました。社長がいて、役員がいました。彼らは全て私の代で採用した人間です。今日、みんなが集まり会議をする姿を見て、「やっぱり役員にして良かった」と思う人間ばかりです。これは、弊社も事業承継の仕組みをつくったからなんです。
この仕組みをつくること、人が育つ経営理念の確立と浸透が大事です。
皆さんの会社には経営理念はありますか?
この間お会いした社長に「経営理念はありますか?」と聞いたとき、
「うーんそういえばあったな。机の中に書いたのがあったな」と言っていましたが、それは経営理念ではないんですね。
弊社は色々な場所に飾ってあります。
親族内承継にはメリットデメリットどちらもあります。
メリットは、次の代を継ぐということを受け入れやすい、長期の準備期間を確保できるといったことがあります。そして、所有と経営の分離を回避できる可能性が高いのがメリットですね。
私の場合は一族外へ事業承継をしているので、所有と経営の分離を解決しました。
デメリットは、親族内に経営能力と意欲があるの者がいるとは限らない。相続人が複数いる場合は、後継者の決定、経営権の集中が困難です。
兄弟経営は上手くいきません。父親や母親がいるうちは上手くいきますが、この決定権者がいなくなると上手くいかなくなるのです。それを避けるために株で差を付けていかなければなりません。