TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社

100年企業創り通信

100年企業創り通信 vol.1

2020.08.21 Fri

今こそ活用したいストレスチェック制度

ウィズコロナの働き方がストレスに?

新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活に大きな変化をもたらすこととなりました。予期せぬ事態に、閉塞感や不安感を持ちながらも何とか日々をやり過ごしているという方が多いかもしれません。

コロナ禍により、日常生活だけでなく、働き方も変化を余儀なくされました。

在宅勤務となったり、仕事量の増減があったり、収入が減るなど、急な事態に知らず知らずのうちに気持ちが疲れているのではないでしょうか。疲れを自ら意識しないまま、頑張っている方もいるでしょう。

社員の心の不調をいち早く発見するためにも、企業は、今一度ストレスチェック検査の積極的な受検を促し、社員の心の状態に目配りをしてみましょう。

職場のストレスチェックとは

ストレスチェックとは労働安全衛生法第66条の10に基づき、2015年12月から特定の事業場で実施を義務付けられているストレスに関する検査のことで、50人以上の労働者を抱える事業場では、すべての労働者に対して年1回の実施が義務付けられています。

ストレスチェックでは、まず労働者が「自分のストレスがどのような状態にあるのか」について質問票で選択回答し、その後、医師等の実施者が本人に結果を通知します。

人事担当者や企業は、本人の同意なしにストレスチェックの回答や結果を閲覧することはできません。

高ストレスと診断されたら

ストレスチェックの結果の通知を受けた従業員の中に高ストレス者として面接指導が必要と評価された従業員がいる場合、本人から申し出があったときには、医師による面接指導を行うことが事業者の義務となります。医師による面接指導に基づき、医師からの意見を勘案した上で、事業者は必要に応じて従業員に対して就労上の措置を講じる必要があります。

企業は社員の不調を見逃さないで

ストレスチェック実施者は個人のストレスチェック結果を集団ごとに集計・分析し結果は実施者から事業者に通知されます。

心が疲れやすい今こそ、普段では見逃しがちな労働者の心身の変化に気付き、メンタルヘルス不調を未然に防止し、職場環境の改善に取り組んでいきたいものです。

令和2年度「全国労働衛生週間」実施

職場環境と健康管理の改善を

令和2年度「全国労働衛生週間」が、例年通り10月に実施されます。9月中は準備期間、10月1日~7日が実施週間です。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12193.html)。今年のスローガンは、「みなおして 職場の環境 からだの健康」です。

「みなおす」の一つ目、職場環境については、化学物質に起因する労働災害の防止や、高年齢労働者が安心・安全に働ける職場環境づくり、石綿によるばく露防止対策の強化などがあげられています。

二つ目の健康管理では、長時間労働による脳・心臓疾患などの健康障害防止やメンタルヘルス対策の強化、事業場における治療と仕事の両立支援などがあります。

厚生労働省と中央労働災害防止協会は広報活動や講習会開催などを行いますが、「実施者」は各事業場であり、関係行政機関や地方公共団体は「協力者」の位置づけです。企業は、準備期間中に日常の労働衛生活動の点検、改善点の確認を行い、10/1からの実施週間で労働災害を想定した実地訓練や見学会などの取組みが求められます。

8/17から中災防で販売キャンペーン開始

中央労働災害防止協会では、労働衛生活動に関する図書や、ポスター・のぼりなどの用品を販売しています。8月17日からは「全国労働衛生週間販売キャンペーン」がスタートしますので、サイトを確認し、準備を進めてはいかがでしょうか(リンク先の下部にキャンペーンの案内があります→https://www.jisha.or.jp/campaign/eisei/index.html#tosho)。

今年は新型コロナウイルス対策も活動に含まれます。「新しい生活様式」の労働者への周知(参考:専門家会議による実践例https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html)と、「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00145.html)」を活用した対策の検討と実施です。

事業者と労働者が協力して取り組みたいですね。
コロナによって、オフィスのあり方や働き方に対する考え方が変化し、より一層、安心・安全な環境づくりが求められています。採用や人材活用にも影響していることを踏まえて取り組んでいきましょう。

不良在庫寄附するか安く売るか

不良在庫はどうする

不良在庫とは、仕入れたり製造したりしたが売れずに在庫として長年にわたり滞留している商品や製品です。

通常は廃棄処分して除却損として経費に落とします。

しかし、不良在庫とは言え賞味期限切れや、品質は若干落ちるものの捨てるにはもったいないものあります。「もったいない」ということで寄附をした場合はどうなるでしょうか?

寄附をした場合は寄附金です

金銭でなくとも寄附をした場合は寄附金になります。100万円分の在庫を寄付した場合、経理処理では以下となります。

(寄附金)100万円/(商品)100万円

この寄附金には税務上寄附金限度額というのがあり、限度額を超えた寄付金は税務上損金としては認められません。

限度額の計算は、以下となります。

{所得金額×2.5%+期末の資本金等の額×(当期の月数/12)×0.25%}÷4

所得金額・期末の資本金等の額というのは、税務申告書上の金額ですが、目安として概算を計算するには所得金額は当期の税引前利益の金額、資本金等の額は資本金と資本剰余金の合計額で良いかと思います。

資本金1,000万円、税引前利益1,000万円の場合で計算すると限度額は以下となります。

(1,000万×2.5%+1,000万×0.25%)÷4=68,750円となり、ほとんどが損金とはなりません。

寄附とは無償の行為

無償であげてしまうと寄附になりますが、1円でも価格を付けて売れば売却損は全額が損金として認められます。

(現金預金)1円 (商品)100万円

(売却損)99万9999円

注)実務上の経理処理は違いますのでご留意ください。

注)同族間や節税目的だと寄附金と認定される場合もありますので、税理士の先生とよくご相談ください。

特別休暇の注意点と有効利用

決めておきたい付与ルール

会社の特別休暇といえば、法律上定められているわけではありませんが、制度があるところが多いでしょう。しかしながら絶対に定めなければならないものではないし、その事由や日数も色々でしょう。多いのは慶弔休暇制度が挙げられます。年次有給休暇を使用するようになっている企業もあるでしょう。このような休みにも、どのような時に何日くらい休めるのか決めておかないとトラブルになることがあります。

休暇を決める際の注意点

付与される日数だけでなく「継続か、断続か」「有給か、無給か」等も考えましょう。

慶弔休暇と所定の休日が重なったときにはどうするのか、例えば従業員の親御さんが亡くなり5日間の慶弔休暇が取れるとして、土日休みの会社で月曜日から休んだ場合、前の土日と5日取得後の土日と合わせて9日間が取れます。しかし水曜日から取得した場合5日間はどこまでと考えるのか、次週の月曜日から出社とするのか、本来の土日休日は含まず次週の火曜日とするのかという問題があります。弔意休暇であれば所定の休日は日数を消化したと考えるのが普通だと思えますが、思わぬ解釈違いがあってはいけないので就業規則には定めておきたい事項です。

結婚休暇も定めておく方が良いことがある

例えば従業員が結婚したときには5日の休暇を付与するとしたとき、5日間は分割して取れるのか所定の休日は含まれるのかなどと決めなくてはなりません。結婚してから半年、1年たって請求されるケースもありますから、有効期限も決めておいた方がいいでしょう。また、休暇中の賃金支払いの有無も決めておく必要があります。

色々な特別休暇

慶弔休暇はたいていの会社にありますが法律上はなくてもかまいません。しかしたいていの会社にあるものがないと、そういう会社なのだなと思われてしまいます。

特別休暇は企業が設定するものなので有効な使い方をすることもできます。例えばリフレッシュ休暇などで続けて休暇を取れる制度もあります(特別休暇ではないが労使協定で計画年休を充てることも有です)。

特別休暇は慶弔だけでなく有効に使いたいですね
最近では、ボランティア休暇やコロナウイルスのための特別休暇制度を設けると受給できる助成金もあります

アマゾン・ジャパンは合同会社

合同会社と株式会社

合同会社は株式会社よりも目にすることの少ない形だと思いますが、合同会社に出資する人達、つまり株式会社の株主と同じ立場の人達は、自分が出資した以上の義務は負わないという有限責任を負っていて、これは株式会社の株主と同じです。また合同会社の会計上の取扱いの違いもほとんどありません。

相違点は?

全体的に合同会社は株式会社に比べてより強い内部自治が認められています。具体的には株式会社の株主総会に当たる社員総会(この場合の社員は普通の会社の従業員でなく合同会社の出資者を指します)を開く必要がなく、取締役を廃止することも可能です。また監査役を置くことも任意で、規模が大きくなっても会計監査人を置く必要がありません。このため、公認会計士が会計監査人として合同会社に関わるケースはごくわずかです。このように合同会社の運営は個々の社員が行うことになっています。一方で社員の持分(社員としての権利)の譲渡を制限し、業務を行う社員の責任を限定することも可能です。

また対外的にも決算公告を行う義務がなく、設立時に公証人による定款認証も必要とせず、前述のように持分の譲渡制限も可能であるため、株式会社に比べて閉鎖的でありながらも遜色なく流動的かつ迅速に活動できる形態であるといえるでしょう。

合同会社にした理由

他にもさまざまな理由はあるかもしれませんが、アマゾン・ジャパンが合同会社を選択した理由は、上記の点から親会社が強力に指図でき自由に経営ができて、かつ内部情報をできるだけ公開したくないが、株式会社と同じく機敏に経営活動ができると判断して選択したのではないでしょうか。また、株式会社の株式は他の形態の会社に比べて高い流動性を持っていますが、何らかの理由で株式が外部に流出した場合に逆に外部介入の危険性も高まることもあり得、あえて日本法人の株式に流動性を持たせる必要もないと判断したのかもしれません。