100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート
vol.252 2019.05月号

2019.05.01 Wed

1.松下幸之助歴史館に行ってきました(大阪門真パナソニックミュージアム)

朝9時に入って5時間たっぷり、誕生から企業、成長・社会貢献・老後までの歴史と、時々の素晴らしい発言を見て、時には感激し、時にはできていない自分を反省してきました。

①弱みを強みに、

 ⓐ学歴(小学校4年中退。当時は、小学校は義務教育)がないから出会う人、全ての出来事から学ぼうという気持ちになった。

 ⓑ家が貧しかったから必死に働く事ができた。

 ⓒ体が弱かったから無理しないで、人に任せ人を育てることができた。(超プラス発想)

②成功とは、成功するまで続けること。辛抱して根気よく努力を続けているうちに、周囲の情熱も変わって成功への道が開けてくる。

③(36歳)企業は社会の公器。共存共栄でなければ真の発展、繁栄はありえない。

④(37歳)使命を知る。産業人の使命は物心共に栄える楽土の建設。

⑤(38歳)事業部制の導入。それほど大きな力を持たなくても、全てをひとつの仕事に集中してやっていくならば、他に負けない成果を生み出すことができる。

⑥(40歳)海外への事業展開。商社に頼らない輸出、業界に先駆けて貿易会社を設立。

⑦苦境(42歳~) ⓐ戦時下 ⓑ戦後直後の苦難会社解体の危機(税金滞納王) ⓒPHP(繁栄による平和と幸福)研究に着手

⑧飛跳(56歳)

 ⓐ私心で始めたのではありません。フィリップス社との技術提携 

 ⓑ大衆との「見えざる契約」この計画は我々に課せられた大衆の要望の数字

 ⓒ「Panasonic」の誕生。(Nationalはアメリカで商標登録されていた)

⑨日本の先駆けとして週体二日制導入(1日教養、2日休養) 70歳

自分の教養を高めるとか、自分の技術を向上させるとか、あるいは健康な身体を作るということは、自分を幸せにするためばかりか、社会の一員としての共通義務。

⑩様々な社会貢献 

 ⓐ浅草雷門の再建、大阪万博、松下政経塾 

 ⓑ『人間を考える』を上梓(PHP研究の成果)「宇宙にひそむ偉大なる力を発揮し、万物に与えられるそれぞれの本質を見出しながら、これを生かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができる」と人間の力を讃え、知恵の飽和である「衆知」こそが真の繁栄実現の鍵を握る。

⑪永眠(94歳)9歳で商いの世界に入り、23歳で創業を果たし、37歳で「楽土の建設」という使命を知ると、実業家としてさらには社会活動・思想家として、その完遂を追求し続けた人生。

TOMAが今この場所で、200名の総合コンサルタントグループができているのは、松下幸之助さんのお陰です。

「経営理念の確立と浸透をすれば50%成功。社員が生き生きと働く環境を作れば、30%成功」を松下幸之助の弟子の木野先生から聞いて、それを実行して今があります。

是非、是非行ってみてください。学びがたくさんあります。

 ①~⑪冊子「松下幸之助歴史館」(パナソニックミュージアム松下幸之助歴史館刊)

 

2.経営心理士講座を学び始めました

藤田耕司さんという、若手の公認会計士が講師。(学生の時から心理学を学び始めた。)人の心の理解を深め、ビジネスの可能性と自らの可能性を引き上げる。同業者が積極的に参加しているので、コースで参加しました。素晴らしい学びがありました。経営者や経営幹部は参加した方が良いと思いました。

①1000件超の経営相談を受けて感じたのは、数字の良い会社は人の心を掴み、数字の悪い会社は人の心が掴めていない。人の心を掴む努力をしなければならない。

②ビジネスとは、お客様上司・部下・外部パートナーといった「人」とWin-Winの関係を作り業績を上げること。そのために相手を説得し、相手を動かすことが必要 

 ⓐお客様―商品を買っていただく 

 ⓑ上司―意見を受け入れてもらう、高く評価してもらう。

 ⓒ部下―モチベーション高く言う通りに仕事をしてもらう。 ⓓ外部パートナー―お互いの力を補い合い世界を出す。(徳があって信頼性がないと説明できません。努力しましょう)

③説得の三要素(アリストテレス)

 ⓐエトス―話し手の徳・信頼性・一話し手は、相手から信頼を得る必要

 ⓑロゴス―ロジック論理。一話し手は、論理的に議論を展開

④ 何を言うかの前に誰が言うかが大切。(信頼されること)

 ⓐ言葉の力は信頼の度合いによる。信頼のない人は人を動かす力はない。

 ⓑ人間的信頼は、人間性や人柄に関する信頼。能力的信頼は、能力・経験・実績に関する信頼。

⑤人間的信頼を得るために

 ⓐ根源的欲求を満たす(充分な雇用条件、認めてくれ、成長させてくれる。)

 ⒤資金や雇用条件 (ii)家族や、友人、上司、部下、お客様、その他重要な人と良好な人間関係を築き認めてもらいたい欲求 (ⅲ)成長欲求―自分の能力を上げ更なる可能性を追求したい欲求。

 ⓑ認めて欲しい欲求 ⒤自分に関心 (ⅱ)自分の事を気にかけて欲しい。 (ⅲ)話を聴いて欲しい (iv)共感してほしい ⒱肯定してほしい (ⅵ)褒めて欲しい、高く評価して欲しい。⇒自分の事を認めてくれる相手に心を開き、人間的に信頼を覚える。

 ⓒ好意、嫌悪の返報性⇒自分の事を認めてくれる、相手は認める。

  ⇒相手から認められたいのならば、まず相手を認める。

関心を持つ、気に掛ける、話を聴く、共感、肯定する、褒める、感情を伝える。

まだまだ続きます。次号お楽しみに。当たり前ですが、納得できるセミナーでした。

社長・幹部学びませんか。社員は幸せになります。紹介します。

 

3.「君、人好きか」(木野親之著『松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日』)

松下幸之助は、「嫌いな人も好きか」と聞いたので、「ノー」と答えました。「君、会社に入ったら、男も女も嫌いな人でも全部好きにならなアカン。仲間やで。家族と一緒やで。それが出来ないと本当の経営ができない。」と教えてくれたのです。(ヤマサン 大秦進社長の解釈)好きなお客様だけでは、繁盛しない、気が合う友達だけでは、偏った教え方、見方になってしまう。嫌い、気が合わない人も包み込める度量を身に付ける事が、自分の器を大きくする事に繋がると信じたいものです。

藤間は、すぐに人を信用してしまい、大好きになってしまいます。それが失敗に繋がっているかもしれません。けど「騙す人」より、「騙される人」でTOMAの今があるのかもしれません。誰に対しても、明るく・楽しく・元気に・前向きにしていきたいです。

 

4.TOMAグループは、私が社長をやっていた35年間で、20勝20敗15引分でした

ある同業者団体のセミナーで、昨年作ったTOMAグループ35年誌(まだありますので、お渡しできます。)の年表で講演しました。

成功(1985年社会保険加入、資産税部設置、1986年)医業経営部設置、1992年後の人事労務部設置、1997年経営指導部設置、1998年全社員に「Windows98」PC導入、1984年優和公認会計士共同事務所設立、1999年カミナリカード、ニコニコカード導入、2000年ISO9001取得

1985年から外部セミナー・内部セミナー実施。藤間秋男1800回

2004年新経営理念制定、2006年サイボウズ導入、2011年TOMAブランディング実行

2011年社員90名で、ハワイホノルルマラソン参加、2008年ITコンサル課設置

2012年分社経営元年、理事長・副理事長5年(経営チーム)設置

2014年第一回会計事務所甲子園コンサル部準優勝

各種 出版他ほとんど同業でやっていない時にスタートしました。

失敗(1990年M&A総研、1991年東京FPクラブ、1992年経理クリニック銀座、節税俱楽部、1993年(株)アシスト(記帳代行、給与代行、経理指導他)1996年建設業経営研究所設立、2005年Tax House東京駅前店、2006年日本同族経営研究所、2008年決算隊、詐欺・銀行から貸しはがしに合う。他)

企業経営は、どんどんチャレンジしないと成長しませんね。失敗を恐れたら成功は、ありません。引き分けはこれからチャンスがあるところです。TOMAは早くからチャレンジする集団でした。これからもどんどんチャレンジしていかないと!(全ての資格の法人を作ったのもTOMAが初)

 

5.時代に合わせて、自らも変わることを恐れてはいけない。(H.I.S澤田会長兼社長(株)せおん越取締役)

①我々は面白い、新しい、あるいは少しでも世の中のためになることがあればチャレンジします。(「理念と経営」2019年2月号)

②2011年、アメリカの小学校に入学した子供の65%は今存在しない職業に就くだろう。

③結果が出なければ頭を代えます。経営はトップで決まりますから。

④いい「気」を持つ人にチャンスを与えた方が会社は伸びます。(ドラッカー「変化が常態の時代に入った。変化の先頭に立たなければならない。」)