藤間秋男のブログ

子どもに後継者意識を芽生えさせるたった1つの方法とは?

2020.12.25 Fri

 

私の拙著「成功する事業承継」より、今日から皆さんの会社を100年企業にするためのエッセンスをお届けします。

今日は、「譲る者の心得」として、譲る人はどんな心得をもってやるべきか。「後継者の教育」についてお話をしていきたいと思います。

子どもを後継者にするなら小さいうちから生業に触れさせる

息子や娘を後継者にする場合、子どものうちから生業に触れさせ、後継者意識を芽生えさせることです。これが一番大切です。

最近よくあるんです。
60歳ぐらいになって誰も会社を継がないから、今まで継ぐ予定でなかった子どもに、慌てて「継げ」という人。

ある会社は、娘を医者にしていながら、急に継ぐ人がいないので「継げ」と会社に戻してしまいました。こんな社長がいるんです。

私は思います。
企業を継ぐには、私利私欲を捨て、社会や社員のために奉仕しなければなりません。そのため、子どもを後継者にする場合は、小さい頃から仕事に取り組む親の背中を見せ、仕事にも触れさせることで、「継ぐ」という覚悟を植えつけることが大切です。

私も小さい頃に、父親が司法書士をやってましたので、小さい頃アルバイトで青焼きというのをやっていました。今の方にはわからないですね。臭いのです。臭い紙にコピーをする役割をもらって、小遣いをもらっていました。

そんなことをしながら屋根裏に行くと、いろんな書類があって「将来ここで俺は仕事するんだな」と思っていました。

鈴廣さんとか山本海苔さんとかも、後継者は小さい頃から工場に入れさせられたり、社員旅行に連れていかれて、「将来は継ぐんだろう」とか、いろんな社員から言われたりして、「やっぱり俺は継ぐんだな」という気になってくるのです。後継者に「将来は継ぐ」という気持ちにさせる、これすごく重要だと思います。

それから千疋屋の社長も言っていました。小さい頃から、果物をいっぱい食べさせられて、いつもお腹がピーピーだったと。やはり、小さい頃から仕事に組ませることが必要です。

そういう意味で、「お前は継がなくていいよ」と、会社と全く関りを持たせないようにするというのは、将来本当に継がないのであればいいのですが、そうでなかったらかわいそうかなと思います。

お医者さんにしておいて戻すなんていうことは、本人の覚悟を崩すことです。非常に今頑張ってやっておられますからいいのですが、このような事例もあるということです。

自分の仕事や会社について笑顔で子どもに話す

現代は、職住一致じゃないんですよね。職場と仕事場の住んでるとこは別ですから、余計になるべく親の背中を見せるために会社に来させていろんなことをさせる。私にはそれができなかったというのが、子どもが継がなかった一つの理由かなと思います。

今からでも継ぐ継がないは別にして、自分のやっている会社の仕事について子どもに話す。それからもう一つ、家に帰ったら「パパの仕事最高だよ」って、いつもニコニコしながら話す。疲れた顔や、「はぁ」と、ため息ばかりつくのではなく、「パパは仕事をしようと頑張っているんだけど幸せだぞ。こんないい仕事ないぞ」、「こんないい会社ないぞ」と、常に言わないとダメですね。

「てっぺん」大嶋啓介さんも、そんな話をしていました。家に帰って「はぁ疲れた」「やだな」って言っていたら、子どもは継ぎたくないですよね。「パパの会社最高!」と言いながら、いつもニコニコ、元気にしていれば子どもは継ぐようになるんじゃないでしょうか。そんなふうに思います。

後継者教育で「甘やかし」は禁物

理想の後継者教育は、他業種で修行5年、平社員として各部門1年ずつ5年、役員として副社長で5年です。

親族から後継者を選ぶ場合、早くから目星をつけることができるため、後継者教育も時間を長く取ることができます。

その期間で、社外経験や様々な現場の仕事を経験させた上で、徐々に社長の仕事へと近づけていくことが大切です。後継者は絶対に他人の店の飯を食わせるべきです。

私は、同じ業者はだめということをお伝えしています。または、仕入れ先に入れるとか、売り先に入れる、これは最悪です。甘やかされて帰ってきます。ですから、まったく関係ない業種で経験させましょう。

私のよく知ってる立派な老舗の社長は、金融機関、保険会社、広告会社など、全く違う業種を学んでいます。特に銀行なんかは色んな会社を見られるわけです。いろんな会社を見て、社長と会えます。

その中で、人間関係を学んだり、いろんな業種を学んだりして戻ってくる。そうすると、違った感覚が出てきて、それが良い結果になるんです。ですから、必ず他業種でやる。甘やかされる業種に行ってはだめです。
うちのあるお客さんは、仕入先に入って甘やかされて帰ってきました。やっぱりだめです。厳しさがないといけないです。そういう意味で、IT化が進んでいたり、ノルマが厳しかったりするようなところに、厳しさを求めていくべきだと思います。

後継者は「スペシャリスト」より「ジェネラリスト」

平社員として各部門1年ずつ5年。後継者はいろんな部門を経験させ、「スペシャリスト」ではなく「ジェネラリスト」がいいと思います。いろんなことを経験するということが重要だと思います。

各部門に行った時には、後継者はその部門のことを学ぶと同時に、将来の自分の片腕になる人物を見つけること。これも一つの重要さだと思います。

ぜひそれぞれの部門に行って自分の将来の片腕を探す。例えば、工場の片腕、営業の片腕、経理の片腕を、将来の自分のパートナーとして見つけてくることも必要だと思います。

そして役員として、副社長で部門を色々と任せていくというのが必要か思います。

ある会社は1年間、社長に社長秘書として全部くっついていく、というのをやった会社があります。これは人脈の引き継ぎです。

色んな人に会ったら必ず名刺交換するわけです。また、社長が何を言うか、社長はこういう時何を言うか、銀行との話のとき何を言うか、お客さんとの営業で何を言うか、そういうことを学んで社長を引き継ぐということもあります。

一番いいのは、本当に各部門のリーダーを3、4年でそれぞれ1年ずつやって、最後は社長の秘書として、社長にくっついていって、常に人脈の引き継ぎと社長の話し方、行動の仕方を学ぶのが一番良いことかなと思います。

このような理想の引き継ぎ方をすると、彼は次の代も同じような形でやっていきますから、ぜひ理想の事業承継をしていただきたいと思います。

我々も事業承継に関する相談には、必ず有意義なお答えを出せますので、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ
・子どものうちから生業に触れさせる
・子どもの前で会社の悪口を言わない
・後継者教育は、他業種で5年、各部門1年ずつ5年、副社長で5年
・修行に行かせる場所は他業種を選ぶ
・後継者はジェネラリストに育てる

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