藤間秋男のブログ

社長の覚悟が事業承継を成功させる!後継者に譲る「計画」とは

2020.12.23 Wed

 

会社を譲る者の心得として、今回は「計画」についてお話します。

譲る者の心得「引退宣言」し、自らを追い込む


皆さんは引退宣言をしましたか?
「いつ引退宣言をしたか。」「いつ引退するのか。」
これをしてない会社は、ズルズルといってしまいます。

自らを追い込むということです。私は、55歳の時に「65歳で社長を譲る」と宣言をしました。事あるごとに、そのことを言ってきました。ですから、会社に居られなくなります。
65歳で辞めざるを得ない、それが、結果的に良いんです。

社長をやろうと思えばいくらでもできます。しかしそれでは、社員がかわいそうです。お客さんがかわいそうです。社員の家族がかわいそうです。特に、このコロナの時期は、若い人がいろいろなアイデアを持ってやっていっています。若い人にバトンを渡すという意味で、引退時期を宣言することが必要になります。

70歳で社長をやっている方は、今すぐにでも次の世代にバトンタッチすべきですし、そうしなければ、会社の変革は出来ません。

このコロナの時代、変革しない会社は生き残れません。いつ引退するかを明確に決め、社内外に宣言している社長は少ないです。人間は弱い生き物です。今日やらなくてもいいことは、ついつい後回しにしてしまいます。

これは事業継承でも同じです。自分を追い込む意味でも、社内外に自分は「いつ引退するのか」を宣言しておくことが非常に重要です。

「事業承継計画書」を作る時間を自分の予定に入れる

事業継承の成功には、「事業継承計画書」を作り、綿密な計画に沿った進行が必要です。ところが、社長が元気であればあるほど、その作業は後回しにされてしまいがちです。

死生観のない社長は、自分が死ぬことを予定していないので、そういうものはいらないとなってしまいます。死生観のある社長は、いつか自分は死ぬんだからその前にきちんとバトンタッチをするための計画を作る事を考えます。これは当たり前のことです。これができなければ、会社は残らないのですから。

TOMAでは希望するお客様と、月1回、毎回2時間ずつ事業承継の対策会議を行い、問題などを明確にした上で計画書を作成しています。一緒になって計画書を作成し、一緒になって計画の実行をお手伝いさせて頂いています。そのようにしてやらないと、なかなか進まないのです。

今日やらなくてもいいが、「重要なこと」が「事業承継計画書」作りです。今日やらなくても重要なことは、やらなくても誰からも怒られません。

例えば、クレーム、入金の問題などですと、お客さんから怒ってきます。給料の支払いが遅くなれば、社員が怒ってきます。このような問題は、すぐに対応しなければいけないことですが、事業承継の問題というのはすぐにやらなくてもいいが、とても重要なことです。

これが後回しにならないように、自分の首に鈴をつけるためにも、事業承継計画を立てて、それを実行することが必要になります。

事業承継計画とは、「引退の時期」、「後継者をどのように育てるのか」、「後継者にどのように株をもたせるのか」、「親族外をどのように上にあげていくか」、などいろいろなことを議論し計画通りに実行します。

または、時代に合わなかったり、計画通りにいかなかったら、計画を変更することも必要なになります。事業承継計画は、絶対に作るべきものです。

"健康"で"経営順調"でも「65歳で引退」がベスト

今、人間の「健康寿命」は74歳と言われています。「健康寿命」というのは、健康で働けるということです。先日来られた社長は、元気だから80歳までできるとおっしゃっていましたが、本当にできるでしょうか?保証はありません。

特に今はコロナの時代。65歳以上は死亡予備軍と呼ばれるほど大変なことです。次の代に譲っていけば、会社は安定です。私は65歳で譲ったから、今私に何かあっても、会社は残ります。だから、早くバトンタッチすることが重要です。

調査によると、社長の健康年齢は64,5歳だそうです。理由は、「体力的に厳しくなり正しい経営判断や状況判断ができなくなる」といわれています。

多くの中小企業では、社長が65歳を超えると業績が悪くなるといわれています。そのようにならないためにも、社長は65歳までに自分で引き際を決め、計画を立てることが大切になります。

私は65歳で譲ったことを、本当によかったと思います。もし、あなたが今60歳であれば、あと5年以内に必ず後継者に譲る計画を立てて、人選もしていかなければ、会社は続いていかないと思います。

後継者も、社長が65歳で譲ったことを経験しているから、自分も60歳から65歳で次の代に譲っていく。そのような流れができると、100年企業、200年企業とできていくと思います。

【トップの交替はリスクも伴う】5年かけて周囲の不安を払拭

私は55歳の時に「65歳で社長を譲る」と宣言しました。宣言したことによりクライアントから、契約を検討されるケースもありました。また、63歳の時に「65歳で譲る」と言うと、「大きな会社だが藤間さんが辞めるなら、契約を考えているが辞める」と言われた例もあります。

やはり、トップが引退したり会長になるのはリスクがあります。だからこそ、5年かけて不安を払拭しながら、社長交代の意義を広める必要があるのです。

私は、社長を譲る2か月ほど前からすべて後継者に権限を譲りました。譲って、すべてクレームも何もかも対応するように言いました。そのようにしてバトンタッチをしていかなければ、お客さんにも不安を持たせることになります。

だからこそ、5年かけて不安を払拭しながら、社長交代の意義を広めていく必要があります。また、引き継いだ後もすぐに変化を起こすと、社内外ともに大きな動揺と不安が広がりますので、引継ぎ直後には大きく動かず、社長は会長としてフォローすることが大切になります。だから、私も社長をフォローしながらやっています。

大塚家具は、今までの方向を全く変えてスタートして、今上手くいっていません。やはり、何年間かは先代社長のラインを引き継いでいくということが、重要かと思います。
みなさんはいかがでしょうか?

早く引退宣言の時期を決め、早くバトンタッチをして、次の代に譲っていく。
これが本当に重要なことだと思いますし、我々は100m走でいうと100m走り切ればいいわけですが、企業はそうはいきません。企業の場合は、駅伝のようにバトンタッチをしていかなければなりません。企業は、永遠に不滅の会社を作っていかなければなりません。

そのためにも、宣言をしてバトンタッチを計画的にしていくことが必要になります。

社長自身が引退の方法を決める

引退の方法は様々です。それは社長自身が選ぶ道です。まず、「事業承継をするのか」、「廃業・清算の道を選択する」のか、また引き継ぐ場合には、「後継者」なのか、「M&A」なのかを選択する。

このように順を追って、客観的に企業の将来を見つめながら、考えていくことが大事になります。「後継者がいるのかいないのか」、「会社はやっていけるのか」、これを考えていかなければいけないですし、そのうえでやはり「後継者を作っていくこと」が重要になります。

M&Aも当然考えると思います。このコロナの時期で、お客さんからそのような相談もあります。それも仕方ないことかと思いますが、社員さんがそれで幸せなのかどうか考えなくてはいけません。

私自身にもM&Aの相談がきたことがあります。売ってくださいという話がきました。もし、会社を売ったらお金持ちになるなと思いましたが、それをしたのでは、自分が汗水たらして築いたこの会社を、全く知らない人に譲って、全く知らないことをされてしまいます。

M&Aではなく、理念は同じにしてうちの「社員に譲る」という選択をしました。私は、株も社員に譲ったから、ある意味ではMBO(Management Buyout、経営陣買収)です。そのような形にして、社員に経営を任せてやってこられてよかったと思っています。

このようなことは相談に乗れるので、後継者に迷っていたら、後継者ができなかったらどのようにしたらいいか、考えてアドバイスできると思います。

M&Aは安易です。簡単かもしれません。ですが、今までついてくれていた社員に対して、それでいいのでしょうか?

後継者問題をどのように解決したらよいのか、いつでも相談に乗れるので、ご連絡頂けたら嬉しいです。すばらしい後継者を作ったら幸せですよ!

この気持ちを共有できる仲間を増やしていきたいと思います。

まとめ
・社長は引退宣言し自らを追い込む
・事業計画書を作る時間を確保する
・健康で順調でも引き際を考える
・トップの交代はリスクもある
・社長交代には時間をかける
・社長交代後はすぐに新しいことはしない
・社長は引退の方法を熟考する

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