100年企業創りレポート
2024.12.25 Wed
赤文字:藤間のコメント
黒太文字:引用
(前略)
( 數土文夫 『徳望を磨くリーダーの実践訓』 致知出版社 2023 年11 月3 日 )
まず「徳望を磨く」というテーマです。
そもそも「徳望」とは何でしょうか?徳望の「望」とは、他人から見た徳のことです。
したがって徳望のあるなしは、自分で決められるものではありません。
「あの人は徳があるな」という他人の声が徳望だと思います。
徳を磨くために私たちは本を読み、人の話を聴き、自ら言動を点検して研鑽するわけですけれども、
徳望のあるなしは自分で決めることではありません。
徳望の有無の決定権は、自分以外の人にあるのです。(中略)
徳望の条件の第一は、社会のため、国家のため、人々のため、そういう正義を実践する知識と知恵、勇気、実践能力を持っていることです。正義を貫く意志はあったとしても、それを実践する能力のない人は、徳望があるといってもこれは学者の話で本当の徳望ではありません。
実践力のある知識と知恵、勇気、これが第一の条件です。
第二は私利私欲があってはならない。これは簡単そうで非常に難しいことです。
私利私欲は人間の宿業ですから、常にこれを克服することは至難のワザです。
しかし、これができずして徳望はあり得ません。(中略)
徳望の条件、三番目は洞察力です。
物事がこういう方向で進めば、自分はどういう行動をすべきか、将来はどうなるのか、将来を見通す力、洞察力を持たなければいけません。洞察力と観察力は違います。
学者は過去と現状を分析する観察力、すなわち起きた現象だけを見て分析すればいいかもしれません。
しかし、表面に現れていないことを感知し、そこからさらに深い意味を悟って、将来どうするかと判
断する。これが洞察力です。必要なのは、実践力のある知識と知恵、勇気。私利私欲はあってはなり
ません。洞察力が徳望の三つ目の条件となります。
私は常々、この三つのうちいずれかでも不足することがあったなら、組織の長たる者が具備すべき徳
望に欠けると思っておりました。(後略)
徳川家康は「大将の戒め」の最後で、「家来は惚れさせねばならぬものよ」と言っています。
これは家族、親戚、部下、同僚、お客様、友人知人、地域にも惚れられる人間になることであり、
その努力が必要なのではないかと思います。
惚れられる人間になったら約束を守り、互いにWin-win になりますし、ともに切磋琢磨で
きる関係になり、幸せになるのではないでしょうか?
そのために、數土文夫先生の「徳望を磨くリーダーの実践訓」を読みました。
徳望の三つの条件以外にも、『明朗・愛和・喜働』、常に明るく仲良くし、喜んで働く。
そのような人に、人はついてくるし、惚れるのではないでしょうか。
私は褒めるということが、一番重要だと思います。褒めると言っても直接褒めるのでなく、
陰褒めです。その人がいないときに褒めることによって、いないときに聞いた人から「褒
められていたよ」と伝えられると本人は喜びますし、惚れられるのではないかなと思います。
みんながそれぞれ惚れられる人間になっていければ、仲良く楽しく和気あいあいと仕事が
できます。あとは人の悪口は言わない。これも惚れられる条件の一つだと思います。
ぜひ皆さん惚れられる人を作りましょう。それから惚れられる人間になりましょう。
致知出版社から毎月約12 万部発行されている月刊誌『致知』12 月号で、私とセイコーグルー
プの服部真二会長が同じ100 年企業同士ということで対談をさせていただきました。
私としては100 年企業創りをずっと支援し続けてきたことから、『致知』にお認めいただ
いたのかなと思いますし、これからも100 年企業創りを推進していきたいなと思っており
ます。
致知出版社は、46 年間、人間学の月刊誌『致知』を発刊されています。
私も30 年程前から購読をしています。長くお付き合いをさせていただいております。
基本的に『致知』の考え方は人間学です。
それはこの世の中に絶対不変の真理はあるのか、ということを説いています。