TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社

100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート vol.316 2024.9月号

2024.08.27 Tue

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1.「やってみなはれ」は世界に通じる

(田中得夫『成功への道しるべ(658号)』2024年6月28日)

◆「やってみなはれ」は、サントリーの創業者鳥井信次郎氏の名言としてよく知られています。
 大阪弁の独特の柔らかい言い回しながら「失敗や反対を恐れずひたすら挑戦し続ける精神」がこの一言に凝縮され心に伝わってきます。
 サントリーが苦闘の末に洋酒で成功していて、ビールの業界などにリスクを冒して進出しなくてもいいのに、敢えて挑戦したのをはじめ、常に新しいことに挑戦する姿勢を失わないのは「やってみなはれ」の精神が受け継がれているからでしょう。
「Yatte Mi、nahare」は、彼らのフロンティアスピリッツと相通じるのか、ビーム社では好調で、同社の首脳陣も「やってみなはれ」は、素晴らしい言葉だと発言するので他の業種でも使われはじめ、世界共通の言葉になると話題になっています。
 いくら考えてもわからないことが沢山ありますし、やってみなければ分からないことも沢山あります。完全に準備がととなわなくても、リスクがあっても「やってみなはれん」の精神で取り組みたいものです。
 次のような利益があることをわかれば容易に「やってみること」ができます。
★リスクを冒すことで潜在能力が引き出されます。
「潜在能力」はすべての人に与えられていますが、通常の力を出し切ってもまだ不足という場合にだけ、その扉は開かれるからです。通常の能力で達成できるようなリスクの伴わない目標ばかり追求していると私達の能力は退化していくというもっと大きな危険があるのです。
★やると決めれば準備が整います。
私たちはよく準備ができてからはじめようとしがちですが、それではいつまで経ってもスタート出来ません。
また完全な準備などというものはありませんし、出来たとしても上手くいく保証はありません。
やると決断すると準備は急速に進むものです。
★よく考えて、やるかどうか決めようとすれば問題点ばかり気付くことになり、止めておこうということになります。「やれるかどうか」でなく、無限の潜在能力を信じ「やりたいかどうか」で決めることです。また素晴らしいアイディアとかヒントは、よく考えれば出てくるというより目標に向かって行動していると、思いもよらない時「潜在意識」が教えてくれます。
★行動すれば、上手くいく場合もありますし、そうでない場合もあります。上手くいけば、それをさらに進めていけばいいのです。上手くいかなければ、次はどうすればいいかがすぐ分かります。それを行動に移すことです。いずれにしても、行動すれば、次の行動が与えられるのです。圧倒的に速いスピードで物事を処理していくことができます。
★失敗は成功の一部です
実践し上手くいかなかったことを「失敗」と思う必要はまったくありません。リスクを冒し挑戦したものだけが学べる、価値あることを学べたのですから、成功の一部です。
 9回失敗し10回目に成功したらオセロゲームのように9個の黒は一気に全部白に変ります。これは誰も簡単に追いつけない実践に裏打ちされた成功になります。多くの失敗は偉大な成功を約束してくれるのです。

経営の成功者は皆たくさん失敗しています。それをやり続けて成功します。失敗したことのない経営者は絶対に成功しません。

2.葉隠 処世の道 (人生成功の法則)

(「TOPPOINT」2024年7月号より抜粋『 葉隠 処世の道』 前田信弘 編訳(日本能率協会マネジメントセンター)

 武士の心得を説いた武士道書、『葉隠』。その教えの中から、人生や仕事、対人関係などに活きる教訓の数々を選り抜き、現代語訳で紹介する。
●『葉隠』は1716年頃に完成したとされる、近世を代表する武士道の教訓・説話集である。佐賀藩の二代藩主・鍋島光茂の側近として仕えた山本常朝(1659〜1719)が、年下の藩士・田代陣基に話した武士
の生き様などが書きとめられている。
『葉隠』の教え
●日々、生に真摯に向き合う
 武士道の本質は死ぬことであると悟った。死ぬか生きるか、2つに1つという場合に、いち早く死を取るだけのことである。2つに1つという場合、必ず目的を果たせるように判断することは、なかなかできるものではない。人は誰でも生きる方が好きなものだ。
●今を生きる
 「人として肝要に心がけ、修行すべきことは何であろうか」と問われた時、何と答えるべきか。
 まず言ってみる。ただ、今を心に思うように、と心がけるのだ。
●大器は晩成す
 「大器は晩成す」と言われる。20年、30年かけて成し遂げるようなことでなければ、大きな功績は立てられない。
●動じない心のあり方
 「大雨の気の持ち方」というものがある。外出の途中でにわか雨にあい、「濡れまい」として道を急いで走っても、濡れることに変わりはしない。一方、はじめから濡れるものと思い込んでいると、濡れても心に苦しみはない。濡れることは同じである。これは万事にわたる心得である。
●短い人生、好きに生きればいい
●即断即決せよ
●1人の知恵は突き立てた木
 真の知恵がかないがたい時は、知恵のある人に相談するのがよい。その人は、自分の身の上のことではないので、私心がなく、ありのままの知恵で考え判断する。それで道にかなうのである。
●水を飲ませるように意見せよ
●諫言や意見は養生と同じ
●人の意見はありがたい
●口はわざわいのもと
●過ちはすぐに改める
●根回しのススメ
●人とうまくつき合うために
●年功者の話を聞く
●よい部下を持つことの重要性
●多少のことは見過ごせ
●人を動かすためには
 兵法の教えを説いた歌集、『義経軍歌』にこうある。「大将は人に言葉をよくかけよ」。
 組の者、配下の者であっても、万一の時は言うまでもなく、平時においても「よくやった」「さすがだな」
と言った時、身命を惜しまず働くものである。とにかく一言が大事なものである。

 『葉隠』は、成功する人間の行動指針になりますね。「武士道の本質は死ぬこと」は有名なこと
ですが、毎日死ぬ気で本気で生きることがおすすめなんだと思いました。
 『万人幸福の栞』1条の「日々好日」「今日は最良の一日」「今は無二の好機」、悔いのない1日を
送ることが大切ですね。

3.十二の「たいせつなこと」(明治23年 1890年)明治天皇

(『たいせつなこと』 明治神宮崇敬会刊)

1、親に感謝する 「お父さん・お母さん、ありがとう」
2、兄弟仲良くする 「 一緒にしっかりやろうよ」
3、夫婦で協力する 「二人で助けあっていこう」
4、友達を信じあう 「お互い、わかっているよね」
5、みずから反省する 「ごめんなさい、よく考えてみます」
6、博愛の輪を広げよう 「みんなにやさしくする」
7、知徳を磨く 「進んで勉強し努力します」
8、公のために働く 「喜んでお手伝いします」
9、ルールに従う 「約束は必ず守ります」
10、祖国に尽くす 「勇気を出してがんばろう」
11、伝統を守る 「いいものは大事にしていきます」
12、手本を示す 「まず自分でやってみます」

 1890年に出された教育勅語は教育の基本方針・国民の道徳の基準を示した明治天皇の言葉です。
今でも日本人として大切なことではないでしょうか。戦争に使われたという論議はあるようですが、
私としてはこの基本的な道徳観というものは、どこかに残しておく必要があると思いました。