100年企業創り通信

100年企業創り通信 vol.100

2022.12.09 Fri

意外と使えるハローワーク求人

ハローワーク求人のイメージ

多くの中小企業の社長や採用担当者はハローワークでの求人について次のようなイメージを持っているのではないでしょうか。

「ハローワークは無料で求人できるけど良い人材が来ない」

これらのイメージは真実でしょうか? あるいは今のハローワーク求人を良く知らないがための誤解でしょうか?

多額の採用コストの負担

このようなハローワーク求人のイメージから、多額のコストを支払い有料求人媒体を利用している企業も多いでしょうが、内定者の紹介手数料は想定年収の20%~35%程度が相場といわれています。

これだけのコストをかけて自社が求める人材を採用できるのならまだよいのですが、実際にはいろいろと上手くいかない面もあるでしょう。そこで従来の「ハローワーク求人」のイメージを払拭し、採用コストを実質無料とするためのツール、HWIS(ハローワークインターネットサービス)をご紹介したいと思います。

HWISでできるこれだけのこと

HWISを一言でいえばオンラインの求人票で、次のようなことができます。

【採用したい人材を自社からリクエスト】

これは求職者が公開している情報を企業が検索して欲しい人材の条件に合致した求職者を選び、ハローワークを通じて当該求職者に自社の求人情報を直接提供してもらうサービスです。

【自社の魅力を十分伝えられる情報量】

「事業内容:90文字」「会社の特長:90文字」「職種:28文字」「仕事の内容:360文字」「事業所からのメッセージ:600文字」などを最大限に使い他社との差別化をアピールできます。

さらに画像情報も10件まで登録できるので、文字情報だけでなく写真で自社の雰囲気を伝えることも可能です。

まだまだあるHWISの利用方法

紙面の都合上紹介しきれないHWISの特長はまだまだあります。

ご興味をお持ちの社長や採用担当者は一度HWISにアクセスしてみてはいかがでしょうか。https://www.hellowork.mhlw.go.jp

応募が集まる求人票の作り方

ハローワークでの求人もやり方次第

「ハローワークでの求人は無料なのは良いけど優秀な人材が採用できない」とは中小企業の社長や採用担当者から聞く話です。でも果たして本当にそうなのでしょうか?

やり方を変えてみることで今までと違う結果になるかもしれません。多くの場合「求人票」での自社PRが不足して他社との差別化ができていないことが要因です。

では、自社をPRでき、他社との差別化ができる「求人票(事業所登録シート及び求人申込書」をどのように作成するのか以下にご紹介します。

応募が集まる「事業所登録シート」の作成

「事業所登録シート」」は管轄のハローワークに初めて求人を出す際に自社の内容を登録するものです。

ハローワークインターネットサービスでは求人者マイページの「事業者情報」にあたるものです。登録後も随時更新をするようにして下さい。求職者が知りたいのは常に会社の最新情報です。

実際の記入は次のような項目を具体的かつ分かりやすい表現で書くことが重要です。

・当社はどのような事業を行っているか

・当社が取り扱う商品やサービスは

・最近の業績推移や従業員構成は

・経営者はどのような人か、等

更に「会社の特長」については文字数制限をフルに使い社内風土や教育研修制度などをアピールしましょう。

また自社にホームページがある場合にはホームページアドレスも記入しておきましょう。

応募が集まる「求人申込書」の作成

「求人申込書」は求人の都度ハローワークに提出するもので、ハローワークインターネットサービスでは求人者マイページの「求人情報」にあたるものです。

応募が集まる「求人申込書」作成の鉄則は仕事内容・労働条件・自社の魅力について文字数制限をフルに使い、より具体的にかつ詳細に記入することです。更に付け加えれば「職種」は見出しに該当するもので求職者が最初に目にする箇所です。特に時間をかけて考え、求職者に「他の会社と違うな」と思ってもらえる内容を記入しましょう。

役員報酬総額の 上限を超えていませんか?

役員報酬(=役員給与)を決める機関

会社法で、役員報酬は、定款にその事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定めるとされています。役員報酬の改定をするたびに定款の変更をすることは手間が掛かるので、株主総会の決議で決めている会社が多いのではないでしょうか。

また、株主に同族でない人がいる場合は、できるだけ各個人の役員報酬額は開示したくないとして、その決定を取締役会に委任しているケースが多いものと思われます。

過大な役員給与の損金不算入

法人税法で、役員給与のうち、不相当に高額な部分の金額は、過大な役員給与として損金の額に算入されないこととなっています。過大部分の額の判定基準等として、法人税法施行令で、実質基準と形式基準が示されています。

実質基準とは、役員の職務内容や法人の収益、使用人に対する給与の支給状況、類似法人の役員給与の支給状況を総合勘案して算定した額を基準とするものです。

形式基準とは、定款の規定又は株主総会等の決議によって定められている給与として支給することができる限度額を基準とするものです。

それぞれの基準で適正と認められる額を超えるものが過大部分の額とされ、いずれか多い金額が過大な役員給与として損金不算入となります。

株主総会で決めた総額を超えないよう注意

実質基準の金額は算定が難しいので過大部分があるかどうかすぐにはわかりません。(過大な部分がないとするためには、役員給与額を決めた根拠等を書面で準備しておくことが必要です。)

一方、形式基準は、過去に決めた金額があるので、それを超えている場合は過大とみなされます。

株主総会で決めた総額の範囲内であれば、次の事業年度開始から3か月以内に取締役会で新役員給与を決めることができるので、毎年、取締役会でのみ報酬額の改定をしている会社が多いのではないでしょうか。

取締役会で決めた個々の役員給与の合計額が、いつの間にか、株主総会で決めた総額(=役員報酬額の上限額)を超えていると形式基準で即刻アウトとなります。改定時には、常に、以前株主総会で設定した上限額の確認を怠らないことが肝要です。

インボイス制度 免税事業者の選択と経過措置

免税事業者はインボイスで選択を迫られる

令和5年10月開始のインボイス制度は、免税事業者の方に選択を迫ります。免税事業者のままでいた場合、今まで認められていた取引相手の仕入税額控除が減ってしまう可能性があるからです。

課税形態によって異なる取引相手への影響

では、実際どんな取引相手に影響があるのかを見てみましょう。

①自分が免税事業者、相手も免税事業者

お互い消費税の納税義務が免除されているので、影響はありません。また、取引相手が消費者の場合も、仕入税額控除を行わないため、影響はありません。

②自分が免税事業者、相手が簡易課税制度適用の課税事業者

簡易課税制度は「みなし仕入れ率」で売上に係る消費税額から控除を行うため、適格請求書を発行していない免税事業者相手でも影響はありません。

③自分が免税事業者、相手が課税事業者

簡易課税制度でない課税事業者は、令和5年10月以降は適格請求書がなければ、仕入税額控除ができません。ただし、令和5年10月から最初の3年間は免税事業者の請求する消費税額の80%、次の3年間は50%を仕入税額控除可能です。

つまり、③の場合は経過措置の適用があっても、取引先は今までよりも仕入税額控除額が減り、消費税納税額が増えるため、免税事業者との取引については購入価格の実質的な値上がりが起きてしまうのです。

課税事業者になるか、ならないか?

免税事業者が課税事業者になり、適格請求書発行事業者登録をすれば、課税事業者の取引先との関係は継続しやすいでしょうが、消費税の納税義務が発生するため、現状の売上のままだと利益は減少します。

逆に免税事業者のままでいると、取引先の仕入税額控除が減るため、関係に影響が出る可能性があります。また、免税事業者が消費税を請求して受け取る権利はあるものの、あえて消費税を含まない請求に変更した場合は、現状より利益は減少します。

免税事業者の方は、経過期間の80%・50%の仕入税額控除、取引先の状況、取引先との関係値等、様々な要因を加味して、いつから適格請求書発行登録をするのか、はたまたしないのかを決めることになります。価格改定の話をしなければならないケースも出てくるのではないでしょうか。

新入社員の理想の上司は?

理想の上司先輩は仕事を丁寧に指導する人

一般社団法人日本能率協会の2022年度「新入社員調査」は、同協会の主催する新入社員向け教育セミナーの参加者を対象に仕事や働くことへの意識はどのようなものかを調査したものです。インターネット経由で545人が回答しています。

質問1.理想の上司・先輩を尋ねたところ「仕事について丁寧な指導をする上司先輩」(71.7%)が1位で2012年調査以降でも最高になりました。

一方、2012年、2014年に数値の高かった「場合によっては叱ってくれる上司・先輩」は今回の調査では大幅に数値が下がっています。

質問2.仕事の不安は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」が64.6%で第1位となり、第2位は「仕事に対する現在の自分の能力、スキル」(53.4%)です。

社内の人間関係に不安を感じている一方で、社外の人間関係への不安は8.1%にとどまり、社外人脈に対する不安は減少しています。

質問3.抵抗ある業務は何か?

「上司や先輩からの指示があいまいでも質問しないでとりあえず作業を進めてみる」のは「抵抗ある」「どちらかといえば抵抗ある」を足すと82.7%で1位、指示があいまいなまま作業を進めるのは抵抗があり、社内で質問がしやすい態勢づくりが求められています。

質問4. 意欲や能力を高めるための上司や人事への期待は?「成長や力量に対する定期的なフィードバック」が61.8%で1位。

質問5.「ワークライフバランスで柔軟な働き方ができる環境づくり」は51%。

質問6 「仕事よりプライベートを優先したいか」「どちらかといえば優先したい」を合わせると82.2%です。

質問9仕事の評価については「量より質で評価してほしい」が82.6%でした。

若者の働くことの意識変化を理解しながら協調し指導することが大切ですね。