100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート vol.295 2022.12月号

2022.11.30 Wed

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1『こういう子供には経営を任せない11の原則』

ランチェスター・サクセスプログラム。CD  ランチェスター経営(株)竹田陽一 

 後継者の決定で適当な人がないときは、廃業するかM&Aを専門にしている会社に頼み、会社を売却する場合もあるでしょうが、多くの会社では子供が後継者になっているはずです。

 しかし子供を後継者にすると、子供かわいさからどうしても後継者としての評価や判断が甘くなり、社長としてふさわしくない人を後継者に決める場合が多くなります。中にはこれが原因で、短い期間に倒産した例はいくつもあります。社長の子供が後継者になる場合、その事情はいくつもあります。

 その1番目は、学校を卒業したあとすぐ父が経営をする会社に入社し、何年もたって社長になった場合になります。

 2番目は、学校卒業したあとどこかの会社に就職し、30歳位になって父が経営する会社に入社し、そのあと何年かたって社長になった場合になります。

 3番目は、学校卒業したあとどこかの会社に就職し、35歳~40歳位迄会社勤めをしたあと、父が経営する会社の跡を継ぐことになった場合になります。

 後継の社長にふさわしいかどうかを判断する方法は、この3つによってそれぞれ異なります。この教材では判断が最も難しくなる、3番目の35歳~40歳位まで、会社勤めをしていた場合を想定してまとめています。

① 怠け癖がある子供には経営を任せるべきでない

  その根拠は従業員30人迄は業績の98%が社長1人の経営実力で決まり、従業員30人~100人迄でも業績の96%が、社長1人の経営実力で決まるからです。

② 朝が遅い子供には経営を任せない

③ 向上心や研究心がない子供には経営を任せない

④ 消極性が強い子供には経営を任せない

   何かにつけてできない理由を多く発言する子供には、経営を任せてはならない。

⑤ 親切心がない子供には経営を任せない

   親切心が全くないばかりか、他人に対する気配りもひどく欠けているなら、経営を任せるのは、考え直すべきです。

⑥ 責任感が欠けている子供には経営を任せない

⑦ 派手好みで浪費グセがある子供には経営を任せない

   何かと派手好みで収入以上の生活をしていて、貯金もほとんどないような子供に、経営を任せるのは思い止まるべきです。

⑧ ギャンブル癖のある人には経営を任せない

⑨ 父親が経営する会社の商品や業種が嫌いな人には経営を任せない

⑩ 自己中心で人柄が良くない子供には経営を任せない

⑪ 優柔不断で決断力がない子供には経営を任せない

  【各項目への藤間コメント】

  ① 社長に怠け癖があれば従業員はついてこないし成長できません。

  ② 業績の良い会社の社長は出社が朝早い。私はある方から「社長が1番早く来る会社は潰れない」と聞いて、20年間朝6時頃には出社していました。会長になってからも朝7時半には出社して、色々な決裁を朝1番でやっていました。

  ③ 日頃の学びが、いざという時の準備になります。私の知る成功している経営者は、本当に学び好きで本をたくさん読みます。

  ④ 「稲盛和夫の成功の条件」は「考え方(前向き)」✖「情熱」✖「能力」の掛け算であり、考え方がマイナスであると全てがマイナスになってしまうと言われています。

  ⑥ 業績が悪い事を社員のせいにしてしまうようではダメで、自責思考の社長でないと社員はついてきません。自責思考が革新・改善を生むのです。

  ⑧ 私も学生時代、麻雀・パチンコ・競馬にはまりました。かなりギャンブル運が良く、結構良い生活をしました。けれど自分で仕事をしてから、仕事自体がギャンブルだと考え、ギャンブルは全く止めてしまいました。仕事は全て成功するわけでなく、勝負があってギャンブルと同じと考えました。

  ⑨ 自社の商品や業種が好きになれない子供もいます。好きになる努力をすべきですが、できなけれやめるべきです。父親がいなくなって、好きな仕事・業種を考えている方がいますが、絶対に上手くいかないです。

  ⑩ 社員やお客様から惚れられる人間にならないとなりません。「自己中心で人柄が良くない」と良い   社長になれません。

  ⑪ 社長は決断の連続で、決断を後回しにしては会社は成長していきません。失敗もありますが、失敗を恐れずに決断し続けることです。

以上。全てこれから教育・経験・実践を通じて、変えていくことができると思います。

~藤間秋男の考え方~

①常に後継者としての心構え・経営理念・社員のこと等を言い続ける。

②家庭に愛和があふれて、父母・祖先を敬う。

③常に褒め続ける。時々厳しく。

④外で修行させる。(甘やかされない会社へ行かせる)

⑤社内でも厳しいポジションにつける。

⑥全ての部門を、6カ月・1年ほど経験をさせ、ゼネラリスト教育をする。

⑦厳しい外部研修を受けさせる。(ご相談があれば乗ります)

⑧心の在り方の研修を受けさせる。(ご相談があれば乗ります)

⑨早めのバトンタッチ。(先代は代表取締役会長で早めに社長を経験させる)

⑩10カ年計画、組織、株式など、後継者と先代がよく相談して決めていく。

2.『売り方が9割 売り方で結果を変えた39のストーリ―』

マーケティングこそ社長の仕事 ザ・レスポンス 

著:ダイレクト出版代表取締役 小川忠洋/ザ・レスポンス編集チーム

偉人に学ぶ

a) スティーブ・ジョブズ Appleの創設者

  “いくら素晴らしいものをつくっても、伝えなければ、ないのと同じ”

 「MacBook air」を紙封筒から取り出してみせた…。それを見ていた人々は一気に心を奪われた。

  その要因は「商品が素晴らしかった」以上に「伝え方が素晴らしかった」。

b) ピーター・ドラッカー 経営の神様・現代経営学の発明者

  “マーケティングとイノベーション、それ以外は全部コスト”

  企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの企業家的な機能をもつ。

  それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである。

  集客・販売と、商品をより良くすること。が収益を生む仕事で、それに集中するために他の全ての業務がある。だとすれば、「人の管理」「社内の問題」「会議ばっかり」で時間をつかってないよね?  

  それで仕事しているとか思ってないよね?

c) デール・カーネギー 超ロングセラー『人を動かす』の著書

  “私はイチゴクリームが大好物だが、魚はどういうわけかミミズが大好物だ。だから魚釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物のことを考える。”

  イチゴクリームに惚れ込みすぎて「魚も絶対イチゴクリームが好きだ」と思い込んでしまう。イチゴクリームで魚は釣れない。

d) ウォルト・ディズニー

  “自分たちのために商品をつくってはいけません。人々が求めているものを知って、人々のために商品をつくりなさい。”

e) ヘンリー・フォード 自動車会社「フォード」の創設者

  “もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。”

  お客さんに「どんな商品が欲しいか」なんて聞くことはナンセンス。困っていることや、解決したい問題を聞けばいい。その問題の解決策として、商品を提供すればよい。

f) ダン・S・ケネディ DRMの世界的権威・億万長者メーカー

  “三流は売上を上げるために、商品を売る。一流は顧客を獲得するために、売上を上げる。”

  ・「資産」と「収入」    資産は収入を生み続ける。収入と違い、資産は継続的だ。

  ・社長にとって収入を生み出す最大の「資産」は「顧客」である。顧客リストである。もっと言えば、「顧客との関係性」絆である。

素晴らしいマーケティングの考え方ですね。私も開業当時、このような考え方を学んでいたら、もっと順調にいったかもしれません。40年TOMAグループでマーケティングをやり続けていて納得する考え方でした。

今のTOMAグループは、ドラッカーの言う、「人の問題」・「社内の問題」・「会議ばかり」で時間を使って、それで仕事をしていると思っているようです。マーケティングにもっと時間を使うべきですね。

3.運鈍根(うんどんこん)

致知2022.11月号 特集 藤尾社長より

① 運・鈍・根は、人が成功するために必須の三条件である。

② 「運」は巡り合わせである。この捉えどころのない運にどう立ち向かうか。鈍と根で立ち向かえ、とこの言葉は教えているように思われる。

③ 「鈍」は粘り強いということである。目標に向かって脇目も振らずまっしぐら、ということである。

④ 根は根気、根性である。何があろうとへこたれず続けることである。

私は、沖縄サミット会場にある小渕恵三元総理大臣の銅像の「宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃える」を思い出しました。