明るく楽しく元気前向き情熱ありがとう通信

『知恵は無限』(松下幸之助)第3598号

2020.07.27 Mon

人間の知恵というものは、しぼればいくらでも出てくるものである。

もうこれでおしまい、もうこれでお手上げ、などというものではない。

“なすべきことをなさねばならぬ”という強い決意の上に立って正義感と勇気に燃えたならば、そこに思いもかけぬ知恵がわき出て、思いもかけぬ道がひらけてくるのである。

もちろん、一人の知恵には、そこにおのずから限りがある。

しかし、わからぬことは他人に聞くという謙虚さがあったならば、それらの他の知恵がわが知恵の上に限りなく加わって、やはり知恵は無限に広がってゆくと言えよう。

つまり、

なすべきことをなすという勇気と、人の声に私心なく耳を傾けるという謙虚さがあったならば、知恵はこんこんとわき出てくるものである。

わが知恵の乏しきを嘆く前に、お互いにこの勇気と謙虚さを併せ持っていたか、三省、四省してみたい。

そして、もうこれでおしまいなどと、安易に言うのはやめにしたい。

知恵は無限にわき、無限に集まるのである。

(松下幸之助 著『知恵は無限』)