100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート
vol.294 2022.11月号

2022.10.28 Fri

赤文字:藤間のコメント

黒太文字:引用

1. 他人に好かれる人になりなさい

『君に成功を贈る』(中村天風 著:日本経営合理化協会出版局)より

① 何をおいても、かにをおいても、一番先に必要なことは、「他人に好かれる人間にならなければいけない」

② どんなに学問ができようが、どんなに経験を積もうが、どんな手腕をもっている人間であろうが、他人に好かれない人間というものは、もうだんぜん、有意義な幸福な人生に生きられないんです。

③ 自分で、「他人に好かれる人間になろう」と努力すること。

  ほんとうに日々、日常の生活において注意しなくちゃいけないんですよ。他人から好かれる人は、

  ⑴ 人間力              ⑵ 尊敬される    

  ⑶ 明朗・愛和・喜働         ⑷ 聴く力    

  ⑸ 笑顔               ⑹ 約束を守る 

  ⑺ 褒め上手             ⑻ 利他の精神を持っている    

  ⑼ 努力し続ける           ⑽ 常に夢を持って、生き生きワクワクしている

 こういう人が、他人から好かれたり惚れられたりして最高の人間になり、最高の人生になるのではないかなと思います。

2. 『人はみな大河の一滴』

五木寛之 語りおろし全集より(ユーキャン通信販売事業部)

① 人はみな大河の一滴

  そうつぶやきながら、この困難に満ちた細い一筋の道を歩いていくしか、他に道はない。

  そのように覚悟を決めたとき、私たちの目の前に驚くべき人生というものが、ひょっとしたら浮かび上がってくるのかもしれない。

  そこで出会った小さな野の花に限りない感謝を覚え、あるいは雲間から漏れる一条の光を見て感動することもできるのかもしれない。

② 思うに任せぬこの人生を、強く生き続けていくために

 a) ため息をつき、涙を流しながらも「人生とはこのようなものである」と覚悟を決める。その覚悟が定まれば、私たちはその茨の道の中に、小さな花を見つけることも、光を感ずることもできる。

    そういう状況の中で出会った光や一輪の野の花に、私たちはどれほど感動することでしょうか。

 b) 十年生きるだけでも大変なことだったではないか、三十年生きるだけでも大変なことだったではないか。五十年六十年八十年生きたということは、その生きたということだけで、人間として十分な大きな役割を果たしたと考えるべきではないでしょうか。

 c) 日常生活の中で心萎える瞬間があるのは、人間が生きているっていう証拠なんですね。

    そのような瞬間を、何とかその都度切り抜け、そこから立ち上がり、また心萎えつつも歩いていく。

    そういう七転び八起きのような、人間の一生ですけれども、それもまたそれで、興味の尽きないものだと思います。

③ 「希望」という大輪の花を咲かせるのは

 a) 必ずしも光でも、温かい温度でもありません。冷たい夜と濃い闇があって、朝に希望の大輪の花を咲かせることができるのです。

    今はまさに、闇の時代かもしれません。しかしこの時間にこそ、本当の意味での希望が訪れてくるのを、深いところで人間の命の時計は感じているのではないか、と思うのです。

 b) 泣く時にはちゃんと泣こう、喜ぶ時にはちゃんと喜ぼう、笑う時にはちゃんと笑おう。

    そんなふうに、人間の感情というものを最大限に発揮して、いきいきと一日一日を過ごしていきたいものです。

④ 「自分を愛する」ということから始めなければなりません

 a) 自分に無関心な人間は、他人の存在に対しても無関心です。

    ですから、自分のいいところを認めて、褒めてやる。そういうことからしか、ほかの人間全体や世の中に対する愛というものは回復できないんじゃないかなと思います。

 b) 世間的な目で見れば、成功者もいれば失敗者もいる。けれどその人間が一生に何を成したかということで人間を評価するのは間違いだと思うようになりました。

    人間は「生きている」ということにまず一番目の値打ちがあるのであって、生きている間に何を成し遂げたか、どのような人生を送ったかということは、二番目三番目の問題として考えていいのではないか。

 私は中学・高校の時に五木寛之さんの『青年は荒野をめざす』の本を読み、衝撃をうけました。若者の愛読書、平凡パンチに連載され、ザ・フォーク・クルセダーズの曲にもなりました。

 20歳になったジャズメンの主人公が、ヨーロッパを目指して、横浜⇒ナホトカ⇒モスクワ⇒ストックホルム⇒コペンハーゲン⇒パリ⇒マドリッド などを巡った出来事がかかれておりました。「ジャズ音楽と女と酒」の自分発見の旅でした。

 私はそれにすごく憧れて、高校時代からジャズ喫茶へ入りびたり、海外にも憧れました。大学4年の時、一人で宿もとらずに1ヶ月でアメリカ一周したのもその影響でした。

そんな五木寛之さんの人生の思いです。

3. 努力にまさる天才なし

月刊致知 2021年11月号 特集 藤尾秀昭社長

いかなる天才も、どんなに能力があっても、努力する人にはかなわない。換言すれば、どんなに才能がある人でも、努力しなければその才能は衰えてしまう。

① 天才とは努力し得る才である(ゲーテの言葉にあるそうである。)

  努力することが息をするのと同様になっている人を天才というのだろう。

② 努力努力また努力(脳神経解剖学の大家・平澤興先生の座右の銘)

  人間努力をすれば最もすぐれたところまで進み得ることを、彼は身をもって教えてくれました。

③ 一に求道 二に求道 三に求道 四に求道 死ぬまで求道(詩人の坂村真民さんの詩)

  求道は努力と同義語である。

④ 寝食を忘れる(知の巨人と言われた渡部昇一氏の言葉)

  大きな事をなしとげるにはそのくらいの覚悟がなくてはならない。終了時間ばかり気にしている人には 大きな仕事はなしえない。“若い人たちの一番覚えておくべき” ことに違いない。

⑤ 成功者は若い頃に寝る間も惜しんで一つのことに打ち込み、その総数が一万時間を越えている(料理評論家の山本益博氏)

  若い頃の姿勢が習慣となり、それを生涯続けた人こそ道を極める人である。

⑥ 人一たびにして之(これ)を能(よ)くすれば己(おのれ)之を百たびし、人十たびにして之を能くすれば、己之を千たびす(東洋古典 『中庸』)

  無限の反復努力こそ能力が開花する道である。

⑦ 大関のすもう/名優のしばい/幼稚園の運動会/見ていると涙がでる/全力があまりに神々しいからである/はちきれる程に熱した西瓜の美しさ/咲けるだけ咲いた野菊の美しさ/全力は美である/力いっぱいの現れは/なんでも人をひきるける(後藤静香氏の詩)

常に目指すものを持ち、全力を尽くす人生でありたい。

 人間、努力が全てだと思います。ある目標に向かって努力し続ける。これを怠ると、必ず人間はできない言い訳をして諦めてしまいます。諦める人生と、諦めない人生、どちらがよろしいでしょうか?

 私は諦めない。努力し続ける人生でありたいです。

4. ビジョンに仕える(中川政七商店会長 中川政七さんの言葉)

船井総研 三浦康志さんのメルマガ「ほぼ日刊ライスレポート【ビジョンに仕える】06467」より

① 中川政七商店は1716年の創業以来、300年以上13代に渡って中川家がトップを務めてきました。跡継ぎが襲名もしています。

② その伝統を変えて、2018年に千石あやさんが社長に就任しました。

③ それがうまく機能するのは、ビジョンに仕える、という働き方を中川政七商店の社員がしているからだそうです。

社長に仕えるのではなく、ビジョンに仕えている。社長が変わってもビジョンが変わらないので、スムーズに対応できると捉えられます。

④ 採用の項にも「ビジョンとともに、はたらくということ。」という言葉が掲げられています。

⑤ 中川政七商店のビジョンは「日本の工芸を元気にする!」というものです。2007年に制定されています。

 

素晴らしい考え方です。

「社長に仕えるのではなく、ビジョンに仕える」

社長も成りたての時は、器量や能力的に未熟なことがありますよね。社長が変わってもビジョンは変わらないので、スムーズに対応できます。

ビジョンだけではなく、経営理念にも仕えると考えてもよいかもしれませんね。