100年企業創りレポート

藤間秋男の100年企業創りレポート
vol.233 2017.10月号

2017.10.01 Sun

1.10月からの新体制について(お客様の見本となる事業承継)

昨年10月から私どもの市原が新しく理事長になり、私は会長になりました。

お客様の見本となるような事業承継をすべく、55歳のときに65歳で理事長を譲ると宣言し、65歳になった今、私は会長になり、市原に理事長を譲りました。

私は65歳で市原は45歳、20歳下の市原にバトンタッチいたします。TOMAグループは「日本一多くの100年企業を創り続け、1000年続くコンサルティングファームになります」をビジョンに掲げています。1000年残るために、次の代にバトンタッチいたします。

徳川幕府では、初代の家康が幕府をつくり、2代目の秀忠が長期政権の礎をつくりました。TOMAでは、私がTOMAグループをつくり、市原が1000年残るTOMAグループの礎をつくる、そういう役割ではないかと思っています。

私と彼の違いは、彼は徹底的に人の話を聞く。私は人の話を聞かないで一方的に指示をしてきました。ある意味では、経営的にはまったく逆のやり方をとっていますが、これからはそうしていかなければならないのかなと思っています。

TOMAだより7月号のこの「100年企業創りリポート」でピーター・ドラッカーの格言を紹介しましたが、その中に「一人の力で成功することは絶対にない。一人の力が他人の協力を得たとき初めて事業は成功する」とあります。事業成功の結論です。信じて任せる。これをやることが、私はなかなかできなかった。市原は徹底してそれができます。

もうひとつ「過去のリーダーの仕事は命じることだったが、未来のリーダーの仕事は聞くことが重要になる」とあります。私はどちらかというと命じることで進めてまいりました。次の代の理事長の市原は未来のリーダー。社員から意見を聞き、幹部から意見を聞き、それを包み込むようにして皆の協力を得ていく。市原にはそれができる。私にはない非常に素晴らしい特徴を彼は持っています。

カレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二さんは「経営者として一番何が幸せだったか」という問いに、「何の躊躇もなく任せることができる後継者に恵まれたこと」と言っています。私も、今のTOMAからさらなる発展したTOMAにしてくれるのが市原だと信じて疑いません。市原に任せておけば、1000年続くコンサルティングファームになるための経営の礎を創ってくれる。皆様にはこれからも市原を応援していただきたいし、私もTOMAグループの会長として市原のバックアップをして、市原の「応援団長」の役割を果たしていきたいと思っています。ご協力ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 

2.成功した人は「運が良かったから」と言う(日本経営合理化協会会長 牟田學の「会長倶楽部」案内より)

人生の節々で大成功した人に会うと、きまって「運が良かったから」と言う。少し、謙遜した感じのいい言葉である。

 しかし、運の良いことや盛運を期待して、努力も勉強もしなかった人は成功していない。運だけを頼ると成功は二度も三度も起こらないことをみんな自覚しているからである。それでも、人は勉強や努力の他に、安心料を払い、お守りを身に着け、祈願している。行先きの不安は誰でも持っている。それが人間の証なのだ。

 盛運は、肯定的で明るく、積極的な人に訪れる。長い善行と、明るい心の持ち主だけが、運を掴む。会長倶楽部の皆さんは、運も強く、実力もお持ちだから、現在がある。会長業は、長期の視野や経験が大事だ。大所高所でものを見る感覚は、組織の中で会長こそ、その任であり、役目である。

会長になる前から会長の勉強もしています。TOMAの経営理念「明るく・楽しく・元気に・前向き」は運が良くなる法則に合致していますね。

 

3.あなたが生まれてきた役割はあなたの得意分野の中にある(「最高の組織のつくり方」(株)アビリティトレーニング代表取締役 木下晴弘 みやざき中央新聞2017年8月7日(月)・2706号より)

①人は誰でも生まれてきたからには何か役割を持っている。その役割のことをインテグリティと言うんじゃ。そして働くとはその役割を果たすことなんだよ。

②無駄な人間など一人もおらん。つまり一人ひとりに生まれてきた役割があるということだ。

③相手の長所を見抜き、「これが俺の生まれてきた役割だ」と気付かせること。これがリーダーの仕事じゃ。

④この世の中で本当に幸せな人生を送った人というのは、みんな自分の幸せを求めた人じゃない。周りを幸せにした人だ。

⑤周りを幸せにするということが、自分の人生において最も大切にしなきゃならない価値だ。組織に属する全員がそう思えるようにしなきゃならない。リーダーが最初にやらなければならないことはこれだよ。

⑥私たちは皆何らかの組織に属しています。その組織は何のために存在しているのかというと、その組織に関わっている人たちを幸せにするためです。「みんなが心からそう思えるようにするのがリーダーの役割だ」と僕は教えられたのです。

すべての人の生まれてきた役割は、自分の得意分野の中にあるのですね。TOMAの社員は全員役割を知っているはずです。

 

4.自反尽己(じはんじんこ) (月刊『致知』2017年10月号・致知出版社より)

①自反尽己人が生きていく上でのもっとも大事な根幹が、この四文字に息づいていると思うのである。

②平たくいえば、自反とは指を相手に向けるのではなく自分に向ける。すべてを自分の責任と捉え、自分の全力を尽くすことである。

③「大きな成功を遂げた人は、失敗を人のせいにするのではなく、自分のせいにするという傾向が強い。(略)失敗や不運を自分に引き寄せて考えることを続けた人間と、他のせいにして済ますことを繰り返してきた人間とでは、かなりの確率で運のよさが違ってくる」

(①~③渡部昇一:英語学者、評論家)

④「うまくいった時はおかげさま。うまくいかなかった時は身から出た錆」(山中 伸弥:医学者)

⑤「僕はな、物事がうまくいった時にはいつも皆のおかげと考えた。うまくいかなかった時はすべて自分に原因があると思っとった」(松下幸之助)

自責の人生は成長発展し、他責の人生は成長しませんね。

 

5.「もっと頑張っておけばよかった」と言わないために (野村克也 月刊『PHP』2017年10月号・PHP研究所より)

①監督時代、口酸っぱくして言っていたのが、「入団をゴールだと勘違いするな」「努力に即効性はない」という二つのことです。

②努力がやっかいなのは、実を結ぶまでに時間がかかることです。

③私は選手たちに、「もっと頑張っておけばよかった」と後悔してほしくなかった。

(略)そういう思いを言葉にして、選手たちにかけ続けていました。

努力しても成功しないかもしれませんが成功するためには努力しないとなりませんね。

 

6.「理念と経営」勉強会 (『理念と経営』2017年7月号・コスモ教育出版より)

①企業復活を可能にしたのは、「社員を食わせないといかん」という“ザ・ラストマン”(最終決定責任者)としての覚悟と、子会社に飛ばされていた副社長たちの“選択眼”であった。(巻頭対談より 株式会社日立製作所 名誉会長 川村隆氏 × 作家 江波戸哲夫氏)

②一流デパートの立派な売り場で自分が作ったシャツが売られているのを見て、誇りが生まれます。(HITOYOSHI株式会社 代表取締役 吉國 武氏)

③仕事を通じて人の役に立つ喜びを初めて実感し、ものの見方、考え方で自分の可能性や未来は大きく開いていくことに気づいた瞬間だった。(株式会社インテックス 代表取締役 金山 昇司氏)

④安易な「働き方改革」は徐々に「勉強の徳」を蝕む。

⑤あなたは働く人々に「成長する機会」を与えていますか。

⑥あなたは仕事を「自己を磨くチャンス」と捉えていますか。

(④~⑥日創研グループ 田舞徳太郎氏)