明るく楽しく元気前向き情熱ありがとう通信

『上に立つ者はみな孤独だ』(齋藤茂太)第3860号

2021.08.26 Thu

「上に立つ者はみな孤独だ」

これは、ある社長さんの言葉です。
孤独に耐えられないようでは、人の上に立てないということでしょう。

リーダーというのは「社会や人々に役立つビジネスを通して会社を成長させる」という目標に向かって組織を動かし、結果を出すのが仕事。
うまくいっても失敗しても、その責任のいっさいを自分ひとりで引き受ける覚悟が必要です。

その過程では、客観的かつ公平な目で優れた人材を登用したり、不要な人材を切ったり、
多くの反対意見にも屈せずに自分の信念を通したり、社員一人ひとりの力が最大限に発揮されるような適材適所の配置を考えたり、
社員の卓越した意見・提案をできる限りくみ取る努力をしたり・・・

とても、日和見主義の人や、周囲の顔色を伺う人などには務まりません。
だからこそ、上に立つ者は「一人の時間」を大切にします。
さまざまな意見に耳を傾けた後、一人で考え、判断しなければならないからです。

とりわけ会社の経営戦略を練る時などは孤独でしょう。
「決めるのは自分」それがトップの役割なのですから・・・

成功した経営者の方はみなさん、口を揃えて、
「誰もやったことないことをする、それが成功の条件だ」
というようなことを言います。

そんなビジネスプランもまた、孤独な時間の中から生まれてくるのでしょう。
ただし、「最後に判断するのは自分」といっても、自分本位に考え、自分勝手に物事を運び、
自分の欲ばかりを追求する、といった利己主義的なやり方とは違います。
それは「孤独力」とは無縁の、単なるエゴイズムです。

ビジネスはすべからく、顧客と社員の幸せに貢献するもの。
多くの人々に受け入れられて成功し、それによってビジネスに関わる人たちを幸せになる。
そういう青写真を描かなくてはいけません。
ようするに、「人の心」がわからなければ、ビジネスは成功しないのです。

(齋藤茂太 著『幸せを呼ぶ孤独力』より)