明るく楽しく元気前向き情熱ありがとう通信

『七転び八起き』(松下幸之助)第3880号

2021.09.27 Mon

「七転び八起き」ということわざがある。

何度失敗しても、これに屈せず奮い立つ姿をいったものである。

人生は長い。世の中は広い。だから失敗もする。悲観もする。

そんなとき、このことわざはありがたい。

だが、七度転んでも八度目に起きればよい、などとのんきに考えるのであれば、これはいささか愚かである。

一度転んで気づかなければ、七度転んでも同じこと。

一度で気の付く人間になりたい。

そのためには「転んでもただで起きぬ」心構えが大切。

このことわざは、意地汚いことの代名詞のように使われているが、先哲諸聖の中で、転んでそこに語りをひらいた人は数多くある。

転んでもただ起きなかったのである。

意地汚いのではない。

真剣だったのだ。

真剣ならば、たとえ失敗しても、ただでは起きぬだけの十分な心構えができてくる。

お互いに「転んでもただ起きぬ」よう真剣になりたいものである。

(松下幸之助 著『大切なこと』より)