明るく楽しく元気前向き情熱ありがとう通信

『あたりまえのこと』(松下幸之助)第4023号

2022.05.02 Mon

朝起きたら顔を洗う。家の前ではいて水を打つ。すごくあたりまえのこと。

ものをもらえばありがとう。

お世話になったらすみません。

とりちらかしたら、あとかたづけ。

別にむずかしい理屈も何もない。

人間としてなすべき、もっとも平凡な、もっともあたりまえのことである。

ところがこれに理屈がつく。

手前勝手な理屈がつくと、いつのまにやら後片付け不要。

平凡なことが何やらむつかしいことになって、何をなすべきか右往左往。

そんなことが、きょうこのごろはあまりにも多すぎやしないか?

それもこれも、つまり自分なりの都合のよい道を求めてのことであろうけれども、
自他ともの真の繁栄への道は、ほんとうはもっとも平凡なところにある。

みんなが納得するしごくあたりまえのところにある。

別にむつかしく考える必要はないのではないか。

もう一度考え直したい。

水が低き流れるように、夏がすぎたら秋がくるように、
自然の理にかえって、もう一度素直な心で考え直してみたい。

(松下幸之助)